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113 赤い顔
しおりを挟む「なんで君の顔が赤くなるんだ?」
人の事は言えないがなッ!?
「なんで知ってるんですかッ!!」
え?
「え? 何を?」
なんか変だぞ?
「だからッ! 毎日会長の夢を見てるって・・・ あれ?」
ん?
「違うぞ、俺が見て「私が見てるんですッ」・・・
「「え?」」
「いや、だからな、俺が毎日夢を見てて」
「え、私も見てるんですが」
「「え? 何を?」」
「待て、先に言わせろ」
「あ、はい」
俺は深呼吸をしてから、彼女の顔を見た。
「俺はずっと君の夢を見てる。6年ずっとだ」
やっと言えた・・・ って、アレ?
「わ、私もです・・・」
生ぬるい夜風が俺達のいる中庭を吹き抜けて行った・・・
×××
「えと、何故でしょう・・・」
顔が赤いまま疑問を口にするサーシャ嬢。
「何故かって・・・ それは俺が聞きたかった事なんだが」
「え」
「多分だが、俺は君が好きなんじゃないかと思う」
「え・・・」
そうだよなー。
そうなるよなー・・・
「情けない事に話してる途中で、しかもたった今その事に気が付いたんだ」
「・・・」
「入場の直前に、君の母上がドレス姿の写真を釣書に使うって聞いてモヤモヤしたのも多分嫉妬なんじゃないかと思う。なぜ夢が変わって来たのかはよく分からんが。そういうことなんじゃないかな」
「そういう事・・・」
「うまく言えないが、深層心理が君を慕ってるって教えてた? 自信は全くない・・・ 学者じゃないから」
つい頭をボリボリ掻いてセットしていた髪が崩れてしまう――俺は子供か?!
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