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1章
2②
しおりを挟む兄孝行というべきなのだろうが妹達全員が騎士科。
アルフレッドとしては彼女達の入学当初は微妙な心持ちだったが妹達が自立しやすいと思えばいいか~と、あっさり考えを改めた。
彼女達が自力で自立した暁には伯爵位を王家につっ返し自身は平民になればいいよな、と開き直ったともいう。
名ばかりの爵位と領地がある限り、領民からの税収は全て国に持って行かれ伯爵家自体の生活費は自分の仕送りと父の冒険者としての稼ぎになるからだ。
――平民と何が違うよ? 寧ろ事務処理が減って良いじゃない?!――
貴族の社交も一切合切興味は無いし、嫁も貴族家から貰う気は全く無い訳で・・・じゃあいいか~面倒くさいしと、王都でのデビュタンは完全に無視したアルフレッドである。
一方そんな兄とは違い4人の妹達は15歳以降の成人の儀である王城でのデビュタントに長女から末の双子までの全員が儀礼用の騎士服――就職先の制服―― で母の付き添いでしっかり参加した。
父は毎年その頃は出稼ぎイベント中で忙しいからである―― 田舎の春は色んなモノが凶暴になるので稼ぎ時だからだ。
双子の時は母と伯母の2人がかりで参加し、凛々しい娘達に困惑しつつ頬を乙女の様に染めるという珍妙さだったが、周りの少女達からは付き添い人の2人に羨望の視線が集まり付き添いの筈の母親と伯母の方が楽しかったらしいのは余談である。
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