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オマケ閑話♡ ある日王子様が
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「ほら見て、5歳の頃からずっと書いてきた日記なのよ」
美しい豊かな金の髪に深い森を思い出させるような緑の瞳はキラキラと瞬く。
まるでいたずらを仕掛ける前の子供のような笑顔で、寝室のソファーに座る彼女の手には丈夫な鞣し革で覆われた日記帳。
「父がね、大事な事だけじゃなくてどんな他愛のない事でも書いておきなさいって言ってプレゼントしてくれたの」
そう言いながら、パラパラと綺麗な白魚のような指で古い日記帳を捲っていく。
「あったわ。ここ」
ジゼルが指差すページに書き込んである文字を覗き込む――少しだけ今より拙い文字が並んでいる。
『今日は、聖女様と聖王様のお披露目の式典? があってアデリアと一緒にお祭りに行って来ました。お揃いのアクセサリーを買った後で馬車まで歩いていく途中で王子様に会いました。銀の髪に蜂蜜みたいに綺麗な金の眼の王子様。買ったばかりの髪飾りを褒めて貰って凄く嬉しかったです。お名前は、ゼノア・ティーダー伯爵様。私はあの方のお嫁さんに絶対になると決めました。聖女様、聖王様運命の王子様に会わせてくれてありがとうございます。絶対に振り向かせる為に今日から淑女になる為の特訓をするとお母様とお父様に決意表明をしました。明後日から家庭教師の婦人が来てくれます。頑張る!』
結婚前に話しには聞いていたとはいえ・・・
「え・・・ と?」
ちょっと驚きでどう言っていいのかわからない自分に向かって、それこそ大輪の薔薇も霞むような艶やかな笑顔を見せるジゼル。
「ほら、願いは紙に書くと良いっていう見本よ? ちゃんと貴方のお嫁さんに私なったわ」
「降参です・・・」
両手を挙げる自分に向かって得意そうに微笑む、今日自分の妻になったばかりの美しい人。
フフッと微笑み合い額をコツンと付き合わせると。
「貴方は私だけの王子様よ」
「ありがとうジゼル。ずっと想ってくれて」
そう言って。
二人は優しい口付けを交わし合った――
了
ーーーーーーーーーーーー
2023.5.25.thu.
hazuki.mikado
オマケss ―ある日王子様が―
美しい豊かな金の髪に深い森を思い出させるような緑の瞳はキラキラと瞬く。
まるでいたずらを仕掛ける前の子供のような笑顔で、寝室のソファーに座る彼女の手には丈夫な鞣し革で覆われた日記帳。
「父がね、大事な事だけじゃなくてどんな他愛のない事でも書いておきなさいって言ってプレゼントしてくれたの」
そう言いながら、パラパラと綺麗な白魚のような指で古い日記帳を捲っていく。
「あったわ。ここ」
ジゼルが指差すページに書き込んである文字を覗き込む――少しだけ今より拙い文字が並んでいる。
『今日は、聖女様と聖王様のお披露目の式典? があってアデリアと一緒にお祭りに行って来ました。お揃いのアクセサリーを買った後で馬車まで歩いていく途中で王子様に会いました。銀の髪に蜂蜜みたいに綺麗な金の眼の王子様。買ったばかりの髪飾りを褒めて貰って凄く嬉しかったです。お名前は、ゼノア・ティーダー伯爵様。私はあの方のお嫁さんに絶対になると決めました。聖女様、聖王様運命の王子様に会わせてくれてありがとうございます。絶対に振り向かせる為に今日から淑女になる為の特訓をするとお母様とお父様に決意表明をしました。明後日から家庭教師の婦人が来てくれます。頑張る!』
結婚前に話しには聞いていたとはいえ・・・
「え・・・ と?」
ちょっと驚きでどう言っていいのかわからない自分に向かって、それこそ大輪の薔薇も霞むような艶やかな笑顔を見せるジゼル。
「ほら、願いは紙に書くと良いっていう見本よ? ちゃんと貴方のお嫁さんに私なったわ」
「降参です・・・」
両手を挙げる自分に向かって得意そうに微笑む、今日自分の妻になったばかりの美しい人。
フフッと微笑み合い額をコツンと付き合わせると。
「貴方は私だけの王子様よ」
「ありがとうジゼル。ずっと想ってくれて」
そう言って。
二人は優しい口付けを交わし合った――
了
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2023.5.25.thu.
hazuki.mikado
オマケss ―ある日王子様が―
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