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オマケ閑話♡ ある日王子様が
3−1
しおりを挟むあれから10年経った。
私は外交官として5カ国に赴き、母国へと久しぶりに帰還することとなった。
「お兄様、もういい加減に伴侶を見つけてはいかが? 釣書も随分溜まっているとお母様がわざわざ私に知らせてまいりましたわよ?」
本国に帰る直前に海を渡った大国であるトリステス帝国に嫁いだ妹に、眉尻を下げられ苦言を呈された。
「ふふ、そうだねえ。国に戻って落ち着いたら考えてみるよ。父上の仕事の引き継ぎが、まだまだ残っているからどうなるかはわからないけどね」
伯爵領は優秀な代官を配しており、それを優秀な家令が纏めて逐一報告をしてくれるので心配は要らないが、外交に関する事は人任せには出来ない。其のためためどうしても仕事が自然と増えてしまうのだから仕方が無い。
「父上も母上もまだまだ御若いから、私が慌てなくても大丈夫だよ」
そう言うと、私の顔を目を細めながら睨むティリアはもう既に二児の母だ。
まあ、彼女に比べると私は確かに晩婚だなと、思いがけず目を泳がせた。
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