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オマケ閑話♡ ある日王子様が
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しおりを挟む「第一王子殿下の婚約者が決まったよ」
夕食の時にフォーンサイト伯爵が、ふと思い出したように妻に告げる。
「あら、何方様ですの?」
「ああ、グランド公爵家のご令嬢だよ」
「ああ、エリーナ様ね。幼馴染ですし才女であられるから当然かもしれませんわねえ」
ジゼルとアデリアは食事を続けながら、両親の会話を聞いている。
『『ああ、やっぱりね』』
二人で目配せをし合うと、二人揃ってデザートに手を伸ばす。
「お父様、では私達のお役目はおしまいですよね?」
アデリアが首を可愛く傾げるとジゼルがウンウンと頷く。
「そうだね。ご苦労さまだったね」
「今年は聖女様も現れた上に王弟殿下が聖王様だったのも分かっておめでた続きだわねえ」
両親ともに、二人のうちどちらも選ばれることはないと言ってはいたが、王子妃候補が本決まりになり肩の荷が降りたような顔をする。
「ねえ、お父様。聖女様の式典を見に行きたいの」
「お祭りなんでしょ?」
二人によく似た母が、父の顔を見る。
「ウ~ン、当日は騎士団も街に出て警らしているから不安は無いけれど・・・」
「そうねえ。メイドのサリーと護衛を付けてのお忍びなら大丈夫かしら」
母がそう言いながら父の顔を再び見る。
「当日迄良い子に出来たらいいだろう」
父がニコリと笑った。
ダイニングルームから自室に向かう廊下で二人がハイタッチをしたのは想定内である。
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