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一章.聖女と出会いと王宮と

さて、私は誰でしょう

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 「誰だよ、こんな所にって・・・ そりゃあこっちの台詞だよ・・・」


 呆れる聖王様は一応人前だとオートでオネエ言葉が男言葉に戻るようである。


 「怪しいですよね~・・・」

 「ウ~ン」

 「お前らこそ怪しいだろ」


 目が眩しさに慣れてきたようで、腕を下ろしてやっとコチラに顔を向ける青年。

 短めの皮のマント。白い簡素なシャツにグレーのチュニック。同色のトラウザーズと黒い編み上げブーツ。平民の冒険者にありがちな装いではあるのだが、真っ黒い艶のある肩まである髪の毛と金色の星の散った様な濃いラピスブルーの瞳が妙に際立っている。

 人外美形の大神官様とはタイプが違うが、キリッとした精悍な感じで中々のイケメン属性の青年である。

 青年の方は目の前の人外美形と、妖精のような美少女を驚いた顔で見つめている。


 「え、聖女ミリアンヌが何でココに?」

 「は? い、今、何と・・・」

 「あれ、その顔見覚えが? あれ、ミゲル⁉」

 「「「うわああああー」」」


 三者三様でびっくり仰天の混乱中。


××××××××××


 「で、えーと。この状況はどうしたらいいのかな~ミリー?」

 「どうしましょうね~」

 「自己紹介とかはどうだ?」

 「あー、ソウデスネ」

 「いやまて、さっき俺の名前呼んだろアンタ」

 「貴方もです。私の名前呼びましたよね」

 「・・・ 隠しても仕方ないねえ」


 大神官が変化の術を先ず解いて、ちっちゃいお爺ちゃんの姿になった。


 「うわっ大神官のジジイ! 何でこんなトコに?」

 「コラ、ミゲル。ワシを呼び捨てにするんじゃない。しかもジジイ言うな!」

 「ミゲル? って王弟殿下のミゲル様の事?」

 「そうそうミリーは初めてじゃったの」


 ミリアは背の高いミゲルを何の気なしに斜め四十五度の角度から見上げてしまう。


 「うおっ! その角度。萌えるから止めて~」


 鼻を押さえてヘタリ込むミゲル。


 「美少女半端ねえ~~・・・」

 「あ、スミマセン」

 「ミゲル、おヌシ先程、聖女ミリアンヌと言ったな・・・隠してもムダじゃ。ワシちゃんと聞いたもんね」

 「・・・ 何で急にお茶目なの?」

 「ミゲルお前も転生者じゃろ? 」

 「えっ⁉ も・・・ って言った? 」

 「うむ。ワシ転生者だもーん」

 「えええぇ!」

 「そしてこのミリーも転生者っ!」

 「ええ~・・・マジ?」

 「「うん。マジ」」

 「・・・ ウソお・・・」

 「「いや、ホント」」

 「じゃあさ、ここに来たのって、魔王の卵探しに来たの? ひょっとして・・・?」

 「「ピンポーン正解でーす」」

 「「「皆考える事一緒か~ 」」」


 ミゲルは首を傾げる。


 「でも、この森の洞窟が魔王の生まれる場所だって事は普通にゲームしてただけじゃわかんないはずだよな? よくわかったねえ」

 「あ、私が製作者サイドの人間だったんで・・・」


 テヘッという感じで頭に手を置くミリア。


 「ええ~! だ、誰⁈」

 「え~とお、ウ~ン随分薄っすらした記憶になっちゃったけど名前は、『ヒジリ・シンゴ』だったかな~」


 突然ガバっと飛び起きて、抱きついてくるミゲルに大慌てのミリア。


 「ちょ、ちょっと、どうしたんですか~⁉」


 「私だ。私。課長の宮田だよ!」

 「えええ~! 宮田課長⁈ 何でこんなトコに。てか、課長も死んじゃったんですか⁉ 何で⁈」


 それには答えず、ミゲル(宮田?)はそのままミリア(ヒジリシンゴ?)にブッチューとキスをした・・・



 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


全然色っぽく無いキッス・・・スンマセン (反省の色なしの作者) 



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