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ある教師の告白
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トントントントン
ジュー
週の真ん中、水曜の朝。
カーテンから溢れる朝日とキッチンから聞こえてくる手慣れた料理の音。
香ばしい焼き魚の匂いに、微睡から意識が引き上げられる。
(またか……)
「おはようございます、春彦さん。顔を洗っていらっしゃい、朝ごはんもうすぐで出来上がりますよ」
いつもの朝のことの様に母が声をかけてくる。
一人暮らしを初めて五年ほど経つが、この様に朝突然、母が押しかけて来ることが月に数度ある。
「母さん、来る時は連絡してください。いつも言っているのに……」
毎度、母に言う言葉だが、毎度届かない。
「まあ、まずは朝の挨拶でしょうに、本当に困った子」
僕の言葉など気にもとめず、やれやれといった表情で朝食を盛り付ける母。
万事この調子なので、それ以上言葉を紡ぐ事を諦めた。
悪い人では無いのだ。
ただ子離れできない、子供に依存することでしか自分を確立できない、可哀想な人でもある。
自分も歳をとり、学校で生徒たちの相手をすることで、その事に気づいた。
「お夕飯は何にしようかしら?」
(……参ったな、夜まで居るつもりなのか)
母に気づかれないよう小さくため息をついたあと、母の得意料理の名を出し、少し早めに家を出た。
◆◆◆◆◆◆
「待って先生!」
いつも通り授業を終えて教室を出ると、非常階段の前で呼び止められた。
振り向かなくても分かる、瑞々しく甘やかな声。
愛しいあの子の声。
パタパタと小走りで近づいてきて背中に抱きついてくる。
何だこの天使…… 可愛すぎる……
「校内ではダメだよ」
しかし教師として、生徒であるこの子とは、適切な距離を保たなければならない。
思い切り抱きしめたい欲望を抑えつつ、背中に抱きついているリク君を離す。
「誰も見てないからいいじゃん。そんなことより、今日こそ先生の家に行ってもいい?」
と、上目遣いで聞いてくる。
首を少し傾けるその仕草……
可愛すぎる…… 天使かな?
今すぐ連れて帰ってしまいたいが……
家には母がいる。
そして僕は学校の教師であり、リク君は生徒。
あまりの可愛さに理性を失い、告白をOKしてしまったが、流石に家に連れ込むのはまずい。
そして、家に連れ込んで何もしない自信が無い。
理性を失ってこの天使に襲いかかって、怖がらせたくは無い。
ゆっくりと仲を深めて、リク君が学校を卒業してから、深く結ばれるのが理想だ。
「今日はテストの採点があるから、また今度ね」
自身の欲望をグッと堪えて当たり障りのない答えで断りを入れる。
リク君は眉毛をこれでもかというほど下げて、少し頬を膨らませて口を尖らせる。
不満気な表情だ。
その表情も可愛すぎてまたも理性が崩れそうになる。
「もう戻るね、リク君も教室へ戻りなさい」
これ以上リク君を見ていると、立場も何もかもどうでもよくなって、うちに連れて帰りそうになるので、リク君の頭をポンポンと軽く撫でて、その場を去った。
◆◆◆◆◆◆
リク君と別れ、そのまま職員室には戻らず、機材準備室へと向かった。
ここは使っていない教室が多く、滅多に人が来ない。そして機材準備室には鍵を持っている自分しか入れない。
リク君に抱きつかれた背中から熱が広がる。
早くあの天使を自分のものにしたい。
抱きしめて、あの少し日焼けの跡が残る首元に自分のものである印を刻みつけたい。
シャツも何もかも取り払って、薄い胸を彩る小さな果実にむしゃぶりつきたい。
自身のものが痛いほど張りつめているのがわかる。
スラックスの前をくつろげ、ブリーフをおろす。椅子に腰をかけて目を瞑り張りつめたものを上下にゆっくりと扱く。
人より少し大きめな自身のそれを、あの子の蕾に埋め込むにはかなり時間をかけなければならないだろう。
ゆっくりと舐めて、ゆっくりと解して……
初めての快楽にあの子は怖がるかもしれない。
「せんせぇ、怖い……」
だからゆっくりと、ゆっくりと蕾を開いていこう。
蕾の縁を指で円を書くように刺激して、まずは一本、指をゆっくりと入れたり、抜いたりを繰り返す。
頭を撫でて、キスをして、舌を絡ませる。
首筋にキスをして、鎖骨を甘噛みする。
リク君肌は少し汗ばんでいて、しょっぱい。
鎖骨から舌を這わせて、乳首をチュッと吸う。もう片方の手で逆の乳首をつまみ指でクニクニと刺激する。
舌で乳首を堪能してから、口を離すと濡れてぷっくりと立ち上がっている。少し赤くなっているのがまたいやらしい。
二人の息がどんどん荒くなる。
それからたっぷりとローションを垂らし、また蕾を刺激する。クチュクチュとわざといやらしい音を立てて、リク君の耳元で囁く。
「リク君、どこが気持ちいいか、先生に教えて?」
「ん、せんせぇ、なんかムズムズする」
優しく耳を啄んで、リク君の可愛らしいサイズの陰茎をゆるゆると扱いて、親指で蜜を垂らす鈴口を刺激する。
「あっあっ、せんせぇ、きもちいい、あっ、んぁっ」
優しく刺激しながら、中に入れる指を二本に増やす。
慣れてきたら少し指の動きを大きくして、リク君のいい所を探す。
「あっ、んぁっ、せんせぇ、そこっ、なんか変な感じする、あっ、あぁっ」
リク君の前立腺を指の腹で撫で、指を三本に増やし、蕾の中をグチュグチュと掻き回す。
「あっ、あっ、せんせぇ、もうっ、もう入れて」
そう涙目で強請ってくる天使。髪を撫でてすっかり濡れそぼった蕾に、自身の剛直をあてがい、ゆっくりと時間をかけて挿入する。
「せんせぇ、はいった、あっ、あぁっ」
リク君の蕾が馴染むまで挿入したまま、抱きしめる。一つになれた多幸感が溢れる。
リク君が慣れてきたらゆっくりとピストンを始める。
段々と早くなるピストンに喘ぐリク君を妄想し、自身を扱く手の動きも激しくなる。
「はぁはぁ、リクくん…リクく……んっっ」
吐き出した白濁をティッシュで拭き取り、だらりと椅子に身体を預ける。
何度となく妄想した、リク君との初めてのセックス。
リク君と付き合い出してからは理性が試されることが多く、この場所で妄想しながら熱を吐き出すことが多くなった。
このペースで卒業まで耐えられるのだろうか?
少しして奥にある手洗い場で手を洗い、服を整えて準備室を出る。鍵をかけて、職員室に向かう途中、一人の生徒とすれ違った。
校内の奥にあるこの場所に生徒がいるのは珍しい。
すれ違ったあとその生徒をちらりと見ると、見覚えのある生徒だった。
艶のある黒髪に涼やかな目元、スっと通った鼻筋。あまり似ていないが、彼はリク君の兄、スイ君だ。
スイ君はこちらをチラリとみてから軽く会釈をし、そのまま奥の化学準備室へと向かった。
化学の吉山先生に何か頼まれたのだろう。
先程まで彼の弟で妄想にふけり、一人で熱を吐き出していた事に罪悪感を感じ、少し急ぎ足で職員室へと戻った。
その背中を彼が睨みつけているとも知らずに……。
ジュー
週の真ん中、水曜の朝。
カーテンから溢れる朝日とキッチンから聞こえてくる手慣れた料理の音。
香ばしい焼き魚の匂いに、微睡から意識が引き上げられる。
(またか……)
「おはようございます、春彦さん。顔を洗っていらっしゃい、朝ごはんもうすぐで出来上がりますよ」
いつもの朝のことの様に母が声をかけてくる。
一人暮らしを初めて五年ほど経つが、この様に朝突然、母が押しかけて来ることが月に数度ある。
「母さん、来る時は連絡してください。いつも言っているのに……」
毎度、母に言う言葉だが、毎度届かない。
「まあ、まずは朝の挨拶でしょうに、本当に困った子」
僕の言葉など気にもとめず、やれやれといった表情で朝食を盛り付ける母。
万事この調子なので、それ以上言葉を紡ぐ事を諦めた。
悪い人では無いのだ。
ただ子離れできない、子供に依存することでしか自分を確立できない、可哀想な人でもある。
自分も歳をとり、学校で生徒たちの相手をすることで、その事に気づいた。
「お夕飯は何にしようかしら?」
(……参ったな、夜まで居るつもりなのか)
母に気づかれないよう小さくため息をついたあと、母の得意料理の名を出し、少し早めに家を出た。
◆◆◆◆◆◆
「待って先生!」
いつも通り授業を終えて教室を出ると、非常階段の前で呼び止められた。
振り向かなくても分かる、瑞々しく甘やかな声。
愛しいあの子の声。
パタパタと小走りで近づいてきて背中に抱きついてくる。
何だこの天使…… 可愛すぎる……
「校内ではダメだよ」
しかし教師として、生徒であるこの子とは、適切な距離を保たなければならない。
思い切り抱きしめたい欲望を抑えつつ、背中に抱きついているリク君を離す。
「誰も見てないからいいじゃん。そんなことより、今日こそ先生の家に行ってもいい?」
と、上目遣いで聞いてくる。
首を少し傾けるその仕草……
可愛すぎる…… 天使かな?
今すぐ連れて帰ってしまいたいが……
家には母がいる。
そして僕は学校の教師であり、リク君は生徒。
あまりの可愛さに理性を失い、告白をOKしてしまったが、流石に家に連れ込むのはまずい。
そして、家に連れ込んで何もしない自信が無い。
理性を失ってこの天使に襲いかかって、怖がらせたくは無い。
ゆっくりと仲を深めて、リク君が学校を卒業してから、深く結ばれるのが理想だ。
「今日はテストの採点があるから、また今度ね」
自身の欲望をグッと堪えて当たり障りのない答えで断りを入れる。
リク君は眉毛をこれでもかというほど下げて、少し頬を膨らませて口を尖らせる。
不満気な表情だ。
その表情も可愛すぎてまたも理性が崩れそうになる。
「もう戻るね、リク君も教室へ戻りなさい」
これ以上リク君を見ていると、立場も何もかもどうでもよくなって、うちに連れて帰りそうになるので、リク君の頭をポンポンと軽く撫でて、その場を去った。
◆◆◆◆◆◆
リク君と別れ、そのまま職員室には戻らず、機材準備室へと向かった。
ここは使っていない教室が多く、滅多に人が来ない。そして機材準備室には鍵を持っている自分しか入れない。
リク君に抱きつかれた背中から熱が広がる。
早くあの天使を自分のものにしたい。
抱きしめて、あの少し日焼けの跡が残る首元に自分のものである印を刻みつけたい。
シャツも何もかも取り払って、薄い胸を彩る小さな果実にむしゃぶりつきたい。
自身のものが痛いほど張りつめているのがわかる。
スラックスの前をくつろげ、ブリーフをおろす。椅子に腰をかけて目を瞑り張りつめたものを上下にゆっくりと扱く。
人より少し大きめな自身のそれを、あの子の蕾に埋め込むにはかなり時間をかけなければならないだろう。
ゆっくりと舐めて、ゆっくりと解して……
初めての快楽にあの子は怖がるかもしれない。
「せんせぇ、怖い……」
だからゆっくりと、ゆっくりと蕾を開いていこう。
蕾の縁を指で円を書くように刺激して、まずは一本、指をゆっくりと入れたり、抜いたりを繰り返す。
頭を撫でて、キスをして、舌を絡ませる。
首筋にキスをして、鎖骨を甘噛みする。
リク君肌は少し汗ばんでいて、しょっぱい。
鎖骨から舌を這わせて、乳首をチュッと吸う。もう片方の手で逆の乳首をつまみ指でクニクニと刺激する。
舌で乳首を堪能してから、口を離すと濡れてぷっくりと立ち上がっている。少し赤くなっているのがまたいやらしい。
二人の息がどんどん荒くなる。
それからたっぷりとローションを垂らし、また蕾を刺激する。クチュクチュとわざといやらしい音を立てて、リク君の耳元で囁く。
「リク君、どこが気持ちいいか、先生に教えて?」
「ん、せんせぇ、なんかムズムズする」
優しく耳を啄んで、リク君の可愛らしいサイズの陰茎をゆるゆると扱いて、親指で蜜を垂らす鈴口を刺激する。
「あっあっ、せんせぇ、きもちいい、あっ、んぁっ」
優しく刺激しながら、中に入れる指を二本に増やす。
慣れてきたら少し指の動きを大きくして、リク君のいい所を探す。
「あっ、んぁっ、せんせぇ、そこっ、なんか変な感じする、あっ、あぁっ」
リク君の前立腺を指の腹で撫で、指を三本に増やし、蕾の中をグチュグチュと掻き回す。
「あっ、あっ、せんせぇ、もうっ、もう入れて」
そう涙目で強請ってくる天使。髪を撫でてすっかり濡れそぼった蕾に、自身の剛直をあてがい、ゆっくりと時間をかけて挿入する。
「せんせぇ、はいった、あっ、あぁっ」
リク君の蕾が馴染むまで挿入したまま、抱きしめる。一つになれた多幸感が溢れる。
リク君が慣れてきたらゆっくりとピストンを始める。
段々と早くなるピストンに喘ぐリク君を妄想し、自身を扱く手の動きも激しくなる。
「はぁはぁ、リクくん…リクく……んっっ」
吐き出した白濁をティッシュで拭き取り、だらりと椅子に身体を預ける。
何度となく妄想した、リク君との初めてのセックス。
リク君と付き合い出してからは理性が試されることが多く、この場所で妄想しながら熱を吐き出すことが多くなった。
このペースで卒業まで耐えられるのだろうか?
少しして奥にある手洗い場で手を洗い、服を整えて準備室を出る。鍵をかけて、職員室に向かう途中、一人の生徒とすれ違った。
校内の奥にあるこの場所に生徒がいるのは珍しい。
すれ違ったあとその生徒をちらりと見ると、見覚えのある生徒だった。
艶のある黒髪に涼やかな目元、スっと通った鼻筋。あまり似ていないが、彼はリク君の兄、スイ君だ。
スイ君はこちらをチラリとみてから軽く会釈をし、そのまま奥の化学準備室へと向かった。
化学の吉山先生に何か頼まれたのだろう。
先程まで彼の弟で妄想にふけり、一人で熱を吐き出していた事に罪悪感を感じ、少し急ぎ足で職員室へと戻った。
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