10 / 14
第6話
しおりを挟む
追手達にとどめを刺し、テラとともに小屋の地下に戻ってきた。
今回の事で、僕の考えも少し変化した。
これまではただ自分の身を守る事に精一杯だったが、やはりこのままではどうしようもない。
追手はまた来るだろう。
どれだけ逃げ続けたとしても、現状ではおそらく諦めることはないだろう。
たとえどこかに身を隠したとしても、犯罪者として指名手配されている限り、堂々と道を歩くこともできない。
また、今回のように正面から襲ってくる刺客ばかりではない。
その気になれば毒殺でもなんでも、やりようはあるのだ。
僕は、怯えながらコソコソ生きるのは嫌だ。
少なくとも、僕を狙っている宰相達には、僕のことを諦めてもらう。
そのためには、宰相達に「割が合わない」と思わせることだ。
僕を仕留めるために出る被害が看過できないほど大きなものになれば、計算高い宰相達は僕を殺すことを諦めるだろう。
だから、ただ逃げるだけではだめだ。追手に被害を与えなければ。
「こちらから打って出ようと思う。今回の追手は、宰相達に雇われたならず者達だろう。やつらがアジトにしている場所は見当がついているんだ。そこをこちらから襲って全滅させれば、宰相達も諦めるかもしれない」
「わかりました。協力いたします」
テラが言う。
正直、もうテラに協力してもらう筋合いはあまりないのだが、テラは即答した。
しかも驚いた事に、相変わらずの無表情な顔の中に、ごくわずかだがどことなく嬉しそうな感情のようなものが垣間見える。
「ありがとう。とても助かるよ。でもどうしたんだい?なんだか、ちょっと嬉しそうに見えるが」
そう言うと、テラは口の端を上げて、明確な笑顔を作ってみせた。
「はい。実に久々に、私とシステムの性能を発揮できそうですから」
「性能?」
「はい。ずっと使用しなければ、優れた性能も錆びついてしまいます」
「まあ、言わんとすることはわかるが……」
「それでは、支障なければ早速ですがその一端をお見せしたいと思います」
テラはそう言いながら、コントロールルーム兼工房へと僕を促して移動した。
さっき口の端を上げてからまた無表情に戻ってしまったのだが、その足取りにはどこかしらウキウキした雰囲気が感じられる。
コントロールルーム兼工房に入ると、壁際にある板のような機械の上に乗るように言われた。
「まずはヘンリー様の現在の状態を詳細にスキャンします。雪山で倒れていたのを運び込んだ時に、一応のバイタルチェックはしましたが、詳細なスキャンはまだですので」
説明しながらも、テラは机の上にある何かしらの機械を操作している。
僕の乗った板が淡く光り、板の両端からアームのようなものが伸びてきた。
「そ、そうか……。お手柔らかにたのむよ」
アームの先が、青白く光っている。
その光が僕をゆっくりと照らしていく。
頭頂部から、足元まで。そしてまた足元から頭頂部へと。
「なんだか、変な感じだな……」
こんな経験は初めてだ。
魔法使いの使う「鑑定」の呪文の光にも似ているが、なんとも無機質な感じがする。
そもそも「鑑定」はアイテムにかけるものであって、人間にかけるなど聞いたことがない。
3往復ほど僕を照らして、アームはまた板の中に引っ込んでいった。
そうすると今度は、目の前の何もない宙空に画面が映し出されて、そこに何行もの文字列が映し出された。
その文字は見たことのないものだったが、なぜかスムーズに読むことができた。
ステータス
名前 ヘンリー・レン
性別 男
年齢 38
体力 107/107
魔力 18/18
筋力 12
知恵 89
状態 呪い
僕のステータスが表示されていた。
こうして数字にして示されると、なんだか妙な気持ちになる。
比較対象がないのでこの数値がどの程度のものなのかわからないが、バランスとしてはだいたい自分の思っている通りのステータスだった。筋力の値が異様に低いので、おそらく義手を含めずに隻腕の状態を計測しているのだろうと思う。
この、状態異常の「呪い」というのは、王都で刺客にかけられたものだろう。
「残念ながら、現状ではこの呪いを解く方法はありません」
テラが言う。
この施設とテラも、何でもできるわけではなく、得手不得手があるらしい。
何故か少し安心してしまった。
「ですので、短所を克服するよりも長所を伸ばす方針を提案します。具体的には、呪いはそのままにして、戦闘経験則の脳内インストール、銃火器の知識と取り扱い技術の脳内インストール、肉体のクリーンアップが適当かと考えます。肉体のハード面も改良できれば良いのですが、時間がかかりすぎます」
「つまり、僕が寝ている間に単語辞書を脳内にインストールしたように、戦闘の経験値や武器の取り扱い知識等がインストールできるということかな?」
「はい。その通りです。ただし、経験則は実際に動作としてある程度なじませなければならないので、数日の習熟期間は必要になります」
「素晴らしい。わかった。ぜひお願いするよ。よろしく頼む」
「かしこまりました」
無表情だったテラが、嬉しそうに微笑んだ。
・
数日後。
僕は小屋の外でコンディションの最終チェックをしていた。
珍しく、空は晴れ渡っている。白い雪原が眩しい。
体が軽い。
まるで子供の頃に戻ったかのようだ。
瞬発力もスタミナも、最高の出来だ。
義手意外は、これで肉体的には何も手を加えていないというのだから驚きだ。
体調が万全になるというだけで、ここまで違うものかと思う。
戦闘経験値のインストールというのも素晴らしい。
普通なら何十、何百という危険な戦いを経て身に付くはずの動きが、まるで息をするかのようにできてしまう。
長年の鍛錬が必要なテクニックも、ベテランの勘も、自然に使うことができた。
戦闘を意識して体を動かしながら、僕は驚嘆していた。
複数の敵を想定して動きながら、そのイメージ上の相手を次々と屠っていく。
素晴らしい力だ。
「よし」
型稽古とイメージトレーニングを終え、装備をチェックする。
銃の扱いにも慣れた。弾丸が貴重なのであまり無駄撃ちは出来ないが、引き金を引くことに躊躇いはない。
剣と銃、そして義手。
これだけあれば、負けることはないだろう。
今回の事で、僕の考えも少し変化した。
これまではただ自分の身を守る事に精一杯だったが、やはりこのままではどうしようもない。
追手はまた来るだろう。
どれだけ逃げ続けたとしても、現状ではおそらく諦めることはないだろう。
たとえどこかに身を隠したとしても、犯罪者として指名手配されている限り、堂々と道を歩くこともできない。
また、今回のように正面から襲ってくる刺客ばかりではない。
その気になれば毒殺でもなんでも、やりようはあるのだ。
僕は、怯えながらコソコソ生きるのは嫌だ。
少なくとも、僕を狙っている宰相達には、僕のことを諦めてもらう。
そのためには、宰相達に「割が合わない」と思わせることだ。
僕を仕留めるために出る被害が看過できないほど大きなものになれば、計算高い宰相達は僕を殺すことを諦めるだろう。
だから、ただ逃げるだけではだめだ。追手に被害を与えなければ。
「こちらから打って出ようと思う。今回の追手は、宰相達に雇われたならず者達だろう。やつらがアジトにしている場所は見当がついているんだ。そこをこちらから襲って全滅させれば、宰相達も諦めるかもしれない」
「わかりました。協力いたします」
テラが言う。
正直、もうテラに協力してもらう筋合いはあまりないのだが、テラは即答した。
しかも驚いた事に、相変わらずの無表情な顔の中に、ごくわずかだがどことなく嬉しそうな感情のようなものが垣間見える。
「ありがとう。とても助かるよ。でもどうしたんだい?なんだか、ちょっと嬉しそうに見えるが」
そう言うと、テラは口の端を上げて、明確な笑顔を作ってみせた。
「はい。実に久々に、私とシステムの性能を発揮できそうですから」
「性能?」
「はい。ずっと使用しなければ、優れた性能も錆びついてしまいます」
「まあ、言わんとすることはわかるが……」
「それでは、支障なければ早速ですがその一端をお見せしたいと思います」
テラはそう言いながら、コントロールルーム兼工房へと僕を促して移動した。
さっき口の端を上げてからまた無表情に戻ってしまったのだが、その足取りにはどこかしらウキウキした雰囲気が感じられる。
コントロールルーム兼工房に入ると、壁際にある板のような機械の上に乗るように言われた。
「まずはヘンリー様の現在の状態を詳細にスキャンします。雪山で倒れていたのを運び込んだ時に、一応のバイタルチェックはしましたが、詳細なスキャンはまだですので」
説明しながらも、テラは机の上にある何かしらの機械を操作している。
僕の乗った板が淡く光り、板の両端からアームのようなものが伸びてきた。
「そ、そうか……。お手柔らかにたのむよ」
アームの先が、青白く光っている。
その光が僕をゆっくりと照らしていく。
頭頂部から、足元まで。そしてまた足元から頭頂部へと。
「なんだか、変な感じだな……」
こんな経験は初めてだ。
魔法使いの使う「鑑定」の呪文の光にも似ているが、なんとも無機質な感じがする。
そもそも「鑑定」はアイテムにかけるものであって、人間にかけるなど聞いたことがない。
3往復ほど僕を照らして、アームはまた板の中に引っ込んでいった。
そうすると今度は、目の前の何もない宙空に画面が映し出されて、そこに何行もの文字列が映し出された。
その文字は見たことのないものだったが、なぜかスムーズに読むことができた。
ステータス
名前 ヘンリー・レン
性別 男
年齢 38
体力 107/107
魔力 18/18
筋力 12
知恵 89
状態 呪い
僕のステータスが表示されていた。
こうして数字にして示されると、なんだか妙な気持ちになる。
比較対象がないのでこの数値がどの程度のものなのかわからないが、バランスとしてはだいたい自分の思っている通りのステータスだった。筋力の値が異様に低いので、おそらく義手を含めずに隻腕の状態を計測しているのだろうと思う。
この、状態異常の「呪い」というのは、王都で刺客にかけられたものだろう。
「残念ながら、現状ではこの呪いを解く方法はありません」
テラが言う。
この施設とテラも、何でもできるわけではなく、得手不得手があるらしい。
何故か少し安心してしまった。
「ですので、短所を克服するよりも長所を伸ばす方針を提案します。具体的には、呪いはそのままにして、戦闘経験則の脳内インストール、銃火器の知識と取り扱い技術の脳内インストール、肉体のクリーンアップが適当かと考えます。肉体のハード面も改良できれば良いのですが、時間がかかりすぎます」
「つまり、僕が寝ている間に単語辞書を脳内にインストールしたように、戦闘の経験値や武器の取り扱い知識等がインストールできるということかな?」
「はい。その通りです。ただし、経験則は実際に動作としてある程度なじませなければならないので、数日の習熟期間は必要になります」
「素晴らしい。わかった。ぜひお願いするよ。よろしく頼む」
「かしこまりました」
無表情だったテラが、嬉しそうに微笑んだ。
・
数日後。
僕は小屋の外でコンディションの最終チェックをしていた。
珍しく、空は晴れ渡っている。白い雪原が眩しい。
体が軽い。
まるで子供の頃に戻ったかのようだ。
瞬発力もスタミナも、最高の出来だ。
義手意外は、これで肉体的には何も手を加えていないというのだから驚きだ。
体調が万全になるというだけで、ここまで違うものかと思う。
戦闘経験値のインストールというのも素晴らしい。
普通なら何十、何百という危険な戦いを経て身に付くはずの動きが、まるで息をするかのようにできてしまう。
長年の鍛錬が必要なテクニックも、ベテランの勘も、自然に使うことができた。
戦闘を意識して体を動かしながら、僕は驚嘆していた。
複数の敵を想定して動きながら、そのイメージ上の相手を次々と屠っていく。
素晴らしい力だ。
「よし」
型稽古とイメージトレーニングを終え、装備をチェックする。
銃の扱いにも慣れた。弾丸が貴重なのであまり無駄撃ちは出来ないが、引き金を引くことに躊躇いはない。
剣と銃、そして義手。
これだけあれば、負けることはないだろう。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
冷たい舌
菱沼あゆ
キャラ文芸
青龍神社の娘、透子は、生まれ落ちたその瞬間から、『龍神の巫女』と定められた娘。
だが、龍神など信じない母、潤子の陰謀で見合いをする羽目になる。
潤子が、働きもせず、愛車のランボルギーニ カウンタックを乗り回す娘に不安を覚えていたからだ。
その見合いを、透子の幼なじみの龍造寺の双子、和尚と忠尚が妨害しようとするが。
透子には見合いよりも気にかかっていることがあった。
それは、何処までも自分を追いかけてくる、あの紅い月――。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい
香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」
王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。
リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。
『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』
そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。
真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。
——私はこの二人を利用する。
ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。
——それこそが真実の愛の証明になるから。
これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。
※6/15 20:37に一部改稿しました。
婚約破棄とのことですが、後悔しないでくださいね?
マルローネ
恋愛
「エリザ、お前は私の家宝を壊した。その罰として婚約破棄をしてもらう」
「えっ?」
伯爵令嬢のエリザは婚約者のニック侯爵令息によって無実の罪で婚約破棄されてしまう。
しかし、ニックは気付いていなかった。この選択が後悔に繋がることを……。
虐め? そんな面倒なことしませんよ?
真理亜
恋愛
卒業パーティーで謂われなき罪の元、婚約破棄を告げられた公爵令嬢は「虐め? そんな面倒なことしませんよ?」と冤罪を主張する。なぜなら「私がその女を目障りだと感じたら、我が公爵家の力を以てして髪の毛一本残さずさっさと始末してますよ? その女が五体満足でこの場に居ることこそ、私が虐めなどしていない証拠です」と、そう言い切ったのだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
聖女の代役の私がなぜか追放宣言されました。今まで全部私に仕事を任せていたけど大丈夫なんですか?
水垣するめ
恋愛
伯爵家のオリヴィア・エバンスは『聖女』の代理をしてきた。
理由は本物の聖女であるセレナ・デブリーズ公爵令嬢が聖女の仕事を面倒臭がったためだ。
本物と言っても、家の権力をたてにして無理やり押し通した聖女だが。
無理やりセレナが押し込まれる前は、本来ならオリヴィアが聖女に選ばれるはずだった。
そういうこともあって、オリヴィアが聖女の代理として選ばれた。
セレナは最初は公務などにはきちんと出ていたが、次第に私に全て任せるようになった。
幸い、オリヴィアとセレナはそこそこ似ていたので、聖女のベールを被ってしまえば顔はあまり確認できず、バレる心配は無かった。
こうしてセレナは名誉と富だけを取り、オリヴィアには働かさせて自分は毎晩パーティーへ出席していた。
そして、ある日突然セレナからこう言われた。
「あー、あんた、もうクビにするから」
「え?」
「それと教会から追放するわ。理由はもう分かってるでしょ?」
「いえ、全くわかりませんけど……」
「私に成り代わって聖女になろうとしたでしょ?」
「いえ、してないんですけど……」
「馬鹿ねぇ。理由なんてどうでもいいのよ。私がそういう気分だからそうするのよ。私の偽物で伯爵家のあんたは大人しく聞いとけばいいの」
「……わかりました」
オリヴィアは一礼して部屋を出ようとする。
その時後ろから馬鹿にしたような笑い声が聞こえた。
「あはは! 本当に無様ね! ここまで頑張って成果も何もかも奪われるなんて! けど伯爵家のあんたは何の仕返しも出来ないのよ!」
セレナがオリヴィアを馬鹿にしている。
しかしオリヴィアは特に気にすることなく部屋出た。
(馬鹿ね、今まで聖女の仕事をしていたのは私なのよ? 後悔するのはどちらなんでしょうね?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる