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第3話

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僕が目を覚ました部屋から出ると、広い廊下があった。

その片側の突き当たりに上り階段がある。
自分の剣を身に着けながら、テラの後についてその階段を登る。
何度か折り返して、金属製の扉を開けると、ようやく目的の場所に出たようだった。

どうやら、先ほどまで僕がいた部屋は地下室だったらしい。
天井の照明が非常に明るかったため、わからなかった。

地上に出るための階段がかなり長かったので、それだけ深い場所にある地下室だったということになる。
そこまで掘るのにどれだけの労力が必要か考えると、気が遠くなるほどだ。

不思議なことに、扉の向こうにあったのはごく普通のボロい山小屋の内部だった。
金属製の扉も、山小屋の内部から見える面には木材を貼り付けてあり、ただの引き戸に見えるようにカムフラージュしてある。
木製の壁には外につながるドアと窓があるが、ドアは薄い板で頼りなく、また窓にはガラスがなく蓋が嵌まっていた。

もしかして、吹雪の中をさ迷っている時に見えた山小屋が、ここなのだろうか。

その時、テラが口元に指を当て、小さな声で言った。

「どうやら、かなり近くまで来ているようです」

僕は足音を消し、できるだけ静かにドアのところまで近寄っていった。

確かに、すぐ外に人の気配がする。
一、ニ、……三人のようだ。

「侵入者を敵性ビジターと認定します。これより、排除行動に移ります」

テラがつぶやくのが聞こえる。

「待ってくれ」

僕は小声でテラを制止した。

「相手は武装した、戦闘に慣れた奴らだ。それに、奴らがこの場所に侵入してきたのは僕のせいだ。おそらく僕にかけられた呪いのせいで、僕の場所が奴らにばれたのだろう。ここで静かに暮らしていた君にこれ以上の迷惑はかけたくない。ここは僕にまかせてくれ」

「いいえ。あなたを保護したのは私の判断です。あなたを助ける責任も、この場所を守る責任も私にあると考えます。むしろ、あなたの現在の状態では、敵性ビジターを単独で撃退するのは困難であると考えます」

テラは相変わらず無表情だ。
そのせいか説得の余地がなさそうに見える。

「わかった。では君はサポートに回ってくれ。僕が前に出る。これは譲れない」

「リスクはあると考えますが、……良いでしょう」

テラが同意する。

テラは僕を心配しているようだが、介抱されたおかげで僕の体力は回復している。
気配から察するに、敵の中にはそれほどの手練れはいないようだ。
相手が三人ならば勝てるだろう。

壁にぴったりと張り付いて外の様子を伺う。
敵はこの小屋の中に入ってくる気はないらしい。
袋の鼠とでも思っているのだろう。
僕が出てくるのを待ち伏せているのか、あるいは援軍を待っているのか。

追手が三人のみということはありえないので、どのみち時間が経過すれば敵は増える。
できれば、その前に各個撃破したいところだ。
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