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懐かしい場所

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『支度が出来たら呼んでくれ。』
「はいはーい。」
来てもらいところがあるって何だろ?それにウィーネがあんなに強制するように言うのは珍し…くもないな。出会ってすぐに思い出せだもん。
でもまぁいーやー。ずっと暇だったし。最近暇って言ったらすぐに家庭教師達が授業時間増やそうとしてくるんだよねー。
私は暇だったら遊びたいの!勉強したくないの!
というわけで私にとっても好都合だった。
「できたよーん」
『そうか。では行くぞ!』
「行くってどこ』
に、を言う前に目的地?に着いていた。うわ、何ここ遺跡?
『何か思い出したか?』
え、やっぱりその話かい!!むー、しつこすぎ!やっぱりゴリ押しでもいいから王子に渡せばよかった~。
「思い出せない。」
『そうか…』
あれ、でもなにか既視感がある…気のせいか。

『次はここだ。何か思い出したK』
「思い出してない。」
『人の話を遮るな。』
べっべのべーい。そもそも人じゃないんだけど。
『次はここだ。』
『その次はここだ。』
『その次は…』
「次は…』

「もういい加減にして!!なんでこんな変な遺跡巡りしてるの!?」
もう七箇所目なんだけども。流石に彫刻だらけの遺跡を見まくってたら飽きるわい。
『頼む…あと一つだけ…最後に来て欲しいところがあるんだ…頼む…』
うう、そんな頼み方しても…私は屈しな…屈し‥
「あと一つだけだよ?それが終わったら帰してよね!
『ありがたい…」

最後に着いたところは他の遺跡とは少し違うような感じがした。
「ここは…?」
『再来の地。人が死ぬと、ここから天界に向かうのだ。』
「へぇ…」
あれ、なんだか鼻がつんとする。目の周りも痒くて…目元に水…私泣いてる?
なんだか懐かしくて、怖い感じがする。焦げ臭くて、人の声が聞こえて…痛くて、悲しくて…
そして私はあまりの情報の多さに気絶してしまった。
この時の私は、ここでどんな出来事があったか、どんな気持ちでウィーネが私をここに連れてきたのか、知らなかった。
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