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精霊たちとのお茶会
しおりを挟むどうもこんにちは、ユークです。
「ユークちゃん、機嫌直してちょうだいよ~!」
「嫌だ!母様に騙された!」
「こうするしかなかったのよー。それにね、楽しいところよ?」
「怖い!行きたくない!」
母様に、茶会に行きましょうと言われてウキウキ気分で着替えていたのだが…
「精霊達との茶会なんて聞いてないもん!」
「精霊たちが呼んでるみたいなのよー。ね、お願い!後でユークちゃんの好きな物買ってあげるから!」
それでも嫌なものはいや…
待てよ、そういえば結構前にアリュールにリンゴの情報を貰ったよう
な…
東の地域にって言ってた。
ちょうどアップルパイが恋しくなってきたんだよねー!
あ、シナモンもあったら買ってもらおうっと!
「乗った!!絶対買ってね!」
「よかった…。じゃあウィーネ、しゅっぱーつ!」
『分かった。頼む。』
リンゴのために、シナモンのために、アップルパイのために、頑張るぞ、おー!
「はい、到着!」
「うわぁ~、キラキラしてる…」
母様曰く、精霊界では全ての精霊を見ることができるらしい。反対も然り。
『ではサファイアはここで待っていてくれ。』
「え?母様も一緒に行くんじゃないの?」
「ごめんなさいねー、私は入っちゃダメって言われたの。ユークちゃん、頑張ってね!」
くそぅ…パイ生地作り用の強力粉擬きと薄力粉擬きも買って貰わないと割に合わない…。
買ってもらうもん!絶対ー!
『皆、我の…新しい契約者のユークレースだ。』
「こ、こんにちは。」
えっと、あれ?皆さん私をガン見してる…。
しちゃいけないことでもやらかした?
『姫様じゃん!どうしたの?縮んだー?何かの魔法にかかっちゃった?』
『ウィーネ様~、姫様が昔言ってたこと真に受けたんですかー?何だっけ?えいぷりるふーる?』
『姫しゃま!おかしつくって!』
「え、ええ?」
えっと、姫様じゃないよ?まさか母様と勘違いしてる?母様も姫だし。
『皆、集合!』
あ、ウィーネが精霊を集めてる。ごにょごにょ話してからー、またこっちに来た!?
『姫…じゃなくてユーク様、は、初めまして~。(ね、これでいい?)』
『えっと、こんにちは。(多分…やりにくいな。)』
う、うう…やっぱり私歓迎されてない?
来るんじゃなかった…。
「はじめまして。えっと、皆様お菓子はお好きでしょうか?」
『へ!?は、はい!好きです!』
「私が作ったお菓子なのですが…如何でしょうか?」
私が持ってきたのはマカロン。チョコ味と薔薇ジャム味と抹茶?味である。
『マカロン!!もう一度食べることができる日が来るとは!皆、マカロンだぞ!』
『マカロンだって?やっぱり姫様の記憶は…』
『しぃー!ウィーネ様に怒られるぞ!』
どうやら精霊達はマカロンを知っているらしい。
アリュールも知っていたし、精霊は地球のことを何か知ってるのかな…?
『あ、あの、ユーク様…』
「え!?はい、なんでしょう?」
びっくりした…
急に後ろから声をかけられるのは慣れないな…
『まかろん、僕も食べていいですか?僕、生まれたばっかりだから食べたことないんですけど…』
「ど、どうぞ!食べてください!」
ううむ、謎は深まるばかり…
そして、マカロンは一瞬で無くなった。
その後、ウィーネに促され私たちは母様の元に戻った。
『何か思い出したか?』
まだ言ってる。しつこい男は嫌われるよー。
「だから覚えてないってば!ただ…」
『ただ?』
「何となく、懐かしい気持ちにはなった。」
ウィーネの話に合わせるのではなく、本当に感じた。
精霊達にマカロンを渡してる時、ほんのちょっとだけ、泣きそうにもなり、懐かしくなった。
『そうか。』
「でも本当になんなの?教えてよ。」
『まだだ。』
ちぇーだ。まだまだ真実を知ることは先のようです。真実は1つかな?
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