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中庭に作った秘密基地
しおりを挟むウィーネと契約してから、なんとなく兄様の様子がちょっと変。
一見いつもと同じように見えるけど、なんとなくなにかが違う。
あーもう!気になるよ!!こういうのは聞いてみなくちゃね!
「兄様、何かあったの?なんか最近の兄様変だよ?」
「……今日、父様と母様がいない時に、中庭に来て。」
という感じに、若干会話が噛み合ってない気もするが、秘密の約束を取り付けられた。
兄様の指定した場所は中庭の奥の、庭師しか通らないような場所。
昔私たちはここを秘密基地と言って遊んでいた。
でも最近色々ありすぎて行かなくなったなぁ。いつぶりだっけ?
「あ、兄様!」
「ここ、入ってみて。」
「え?でもここ草むら…」
「いいから」
草むら…バッタみたいなのが飛び交ってる…ドレスで…ここに……
と思ったらいきなり穴が空いた。
「はーい。ってえええ!?」
なにこれ!吸い込まれるぅぅぅぅ!?
「ようこそ。」
「なにこれ!?お家?」
木のテーブルに肌触りの良い木の椅子や食器などもあり、全てが可愛い。
水道も流れてるみたいだし、これでテレビがあったら前世の高級マンションみたい!
「ああ、暮らすのに必要なものは全部揃ってる。」
「すごーい!ここで暮らしてみたいなー。」
アロマかな?いい匂いもする!なんだかリラックスしてふわふわだよ~。
「じゃあこれ、預かって。」
「…鍵?」
その鍵は兄様の宝石でちりばめられていた。これってまさか…
「兄様これ全部ほんむぐっ」
「秘密だ。何かあったらこれ使って。」
確か兄様の宝石は『自分の知っているものを創る』だった。これが1.2.3.4...7個もあるんだけど!
「兄様血使いすぎ!だからフラフラだったの?」
「…気のせい。」
むううう…というかこの部屋も…
「何か飲み物いる?お菓子あるよ。」
「いる!っじゃなくて、兄様座ってて!私が準備するから!」
兄様には休んで貰わないと!だって宝石作ったら結構疲れるし、眠くなるし、フラフラするし
あ、これが紅茶かな?となると戸棚の上は…ビンゴ!お菓子発見!
「新婚生活みたいだな。」
「何が?」
「今」
新婚?まあ確かにテレビで見た新婚さんみたい。
「じゃあ兄様のお嫁さんが来る予行演習だねー!」
正確にはファールだけど~。ファールが義姉になるのか~、結婚しても構ってくれるかな?
「ユークのばーか。」
「なんで急に悪口!?」
むう、私なんにも悪いことしてないのにー!
「何となく。」
「じゃあ兄様もばーか。」
あれ?兄様寝ちゃった。しばらく無言だったのは寝てたからか~。
でも兄様が寝てるソファーふわふわだなー。それに広い。
「私も入れるよね?」
大丈夫、そこまで太ってないだろうし…ギシッて言いませんように!
「よしっと…」
危ない、起こさないようにそーっと、静かに…ふわぁ~、想像以上のふかふか加減…本当に眠くなりそう…
「ユーク?」
「眠い…って兄様!?起きてたの?」
「今起きた…それより、なんで俺の横で寝ようとしてるの?」
「そこにふかふかがあったから。」
ふかふかのソファーの誘惑には勝てないよ~。
「紅茶飲む?」
「…いや、このまま寝る。ユークも。」
「やった~…おやすみ…」
もう眠い…眠いから兄様にくっついて寝ようっと。
ふぁー、あったかい…おやすみなさーい……
そう思いながら私と兄様は一緒に眠った。
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