僕の恋、兄の愛。4

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水曜日。深夜から朝

市井兄と勉強開始?

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◆◆ ◆火曜日、23時すぎ◆ ◆◆




健介と2人でベッドに入って、存分にイチャイチャして過ごす。
そうして、健介がぐっすり寝入ってから一緒に使っているベッドを抜け出した。

仕事中のアイシングのお陰で、終業時間までにタンコブの腫れは引いており、さっきも上向きで寝て、健介に腕枕しても後頭部は痛くなかった。
自分の回復力に驚いたが、有難い。

布団の中で腕枕をはずした時に、健介の可愛い眉間にしわが寄る。
でも起きない。

健介が、夜寝たら朝まで起きない子で良かった。
可愛い健介の寝顔を眺めながら、俺の恋人になるより前、オモチャ大人の玩具を使って弟に色々していた頃を懐かしく思い出す。

恋人関係になるまで、毎週金曜夜は催眠効果もある睡眠薬を健介に使って、色々していたな。

エロい子に育ってくれて兄ちゃん嬉しいよ。
あ~可愛い。
健介可愛い。







◆◆ ◆水曜日 0時すぎ◆ ◆◆




健介を眺めながら、ふと時計を見ると、0時を過ぎていた。

アレ?
ベッドから起き出したのは23時過ぎだと思ったが?

隣で寝ている健介を再び覗き込む。
天使の寝顔だ。
健介が尊い。

・・・

・・・これは駄目だ、このままでは朝まで健介の寝顔を眺めて過ごしてしまう。
ホテルでのディナーは、もう今日の予定だぞ。
色々ヤバい。

健介がぐっすり眠っている事をもう一度確認しキスしてから、書斎と言う名の“健介メモリールーム”に移動する。
唐所長からのお題は『ディナーには、王子様で挑め』みたいな感じだったな。

・・・。

・・・王子様って何ぞ?

俺の“王子”のイメージは“皇族”、つまり前の皇太子(現在の天皇)と秋篠宮殿下と悠仁親王だ。
・・・いかん。
イメージがみやびすぎる。
仕草なんぞ思い付かん、と言うか知らん。
強いて言えば・・・金屏風の前で背広着て椅子に腰掛け、標準語でユックリ喋る?

・・・それは王子のイメージじゃ無くて皇室会見イメージだ、絶対違う。
でもチャールズ皇太子だってスーツ着てたぞ。

・・・何素直に王子様に挑んでんだろう俺。

いや、ソコは置いておこう。

よし、取り合えず出張用のスーツは止めて高級スーツにしよう。

・・・持ってないな・・・。

そういや唐所長の“亮太くん案件“で、会社からお礼に貰ったのがあったか。
それでいいか。

さて、後はどうしよう。

仕草か?
気品??
高貴な振る舞い??

手本もないのに出来るか!
気品って何だ!

そう言えばアレがあるな、とカバンを探る。
持ち帰った資料を手元に引っ張り出した。



◆回想 火曜日17時半頃◆

退勤前、帰ろうとする俺を、いい笑顔の唐所長が引き留めた。

笑顔を見て固まった俺に、所長は資料を差し出す。

「市井くん、この資料持って帰るといいよ。
多分必要になるだろうから。」

「資料・・・ですか?」

知らない方がいい気配を感じる資料に『何の?』との言葉が続かない。

「参考にするといいよ。」

「はい。」

受け取ってパラパラと目を通し、すぐに閉じた。
概要としては、乙女ゲームに関する随分とお花畑な内容だ。

家路を急ぐ今、読み込む資料じゃ無い。と言うことだけ分かった。

「乙女ゲーム関連の資料ですか?
・・・ありがとうございます。」

何でこんな事に、と思いながらも資料をカバンにしまう。
今までの研究や論文で唐所長がくれた参考文献にハズレは無い。

唐所長に返すと言う選択肢は怖くて選べなかった。

◆回想終了◆



コレ・・・あの時のお花畑のヤツだよなぁ。
読むのか?俺が?

・・・。

腹をくくれ俺!
健介のためだ!

そう自分を説得して、唐所長に頂いた資料に目を通し始めた。









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