僕の恋、兄の愛。

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side 健介

今日は僕の誕生日。

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「健介。誕生日おめでとう。」

夕方、リビングから呼ばれて自室を出て行くと満面の笑みの兄が居た。

あ、そういえば僕、今日誕生日だった。

昨日まではソロプレイの事で頭がいっぱいだったし、今日は朝から心臓に悪いことがあったから完全に頭から消え去ってた。

「すっかり忘れてたって顔だね。」

ふふふ。と兄が微笑む。

あ~。兄さんかっこいい。

「ありがとう、兄さん、随分豪勢な夕飯だね。」

「今日はお祝いだからね。」

「そんな、17才になってまで恥ずかしいよ。」

「今日から健介は、18才だよ。」

「あ、そうか。いただきます♪」

「召し上がれ。」

兄さん今日上機嫌だなぁ。



「・・・それはそうと、昨日は俺の部屋でナニしてたの?」

一口目のお茶を吹き出した。

「ブフッ。エホッ。ううんんん??兄さんの部屋のシーツはぐったのは今朝だよ?」

いい笑顔の兄さんが逆に怖い。

「そうだね。昨日は俺のベッド、健介が寝てたもんね。」

心臓が痛くなる。

何で知ってるの?
朝帰って来たときに見られた・・・?

「ごめんなさい。勝手に兄さんのベッドで寝て。僕のベッド硬くて。
肩が凝るから、兄さんの出張の時だけコッソリ借りてたんだ。」

大丈夫。大丈夫。言い訳は抜かりなし。大丈夫だ。

冷や汗が背中をつたうのが分かる。

「そうだったんだ。気付かないでごめんね。じゃあ誕生日だし、新しいベッド新調しようか。」

「大丈夫。僕のベッド兄さんが就職するまで使ってたヤツじゃないか。僕だって自分で働いて自分のベッド買うのを目標にしてるんだよ。たまの贅沢に、兄さんの出張の時だけ貸してよ。今まで黙って借りててごめ・・『だっ・・・だってぇ・・・っはっ・・・ぁ・・・ウシロまでしたら感じ過ぎちゃう・・・』

『あぁ・・僕・・・頑張れるよ・・っ・・ん・・』

『あああああっ!兄さ・・激しっっ!』

『いい!イきたい!兄さん、イきたい!イかせて!!』

『いいっ。いいよう。兄さん好き。好きだよ。好っあぁっ。』


兄さんのスマホから僕の声が聞こえる。

怖くて兄さんの顔が見えない。

「健介は、」

何で知ってるの?
いつから家に居たの?
どうして気付いたの?
どうして今朝は普通だったの?

「健介は、俺の事が好きなの?」

僕のこと、気持ち悪いって嫌いになった?

頭が真っ白になった。




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