僕の恋、兄の愛。3

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市井弟の成功談

爆走、後、発覚。

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もしかして、このヌイグルミ!

そう、そうだよ!
アレ、アレだ!

兄ちゃん、所長さんの秘書に昇進。
   ↓
所長さん、兄ちゃんをお祝いしたい。
   ↓
そんな時に兄ちゃんが所長さんにプロポーズの相談。
告白プロポーズのリサーチをする。
   ↓
プロポーズ相手、僕。
   ↓
所長さん、気を利かせて、僕らに“夫婦のヌイグルミウェルカムベア”プレゼント。
   ↓
所長さん、結婚祝いを昇進祝いにカモフラージュする大人の対応。

コレ!
コレだ!
きっとそうだ!

「“ユウくんとケンちゃん”、玄関に飾ろうよ~♪
マジ可愛い!
やっほ~♪」

「ソレは・・・いいアイディアだね。」

所長さん、ありがとう♪
兄ちゃんは、まだ不思議な表情でこのヌイグルミを見ている。

・・・そうか!
僕分かっちゃったよ!
これは兄ちゃん想定外の所長さんからのサプライズお祝いなんだ!

「可愛く飾れたよ!
兄ちゃん見て見て~♪」

「・・・どうしてこんな事に・・・。
あぁいや、可愛いね、健ありがとう。
玄関が不思・・・ゆかいな空間になったね。」

「えへへ~♪」

兄ちゃん照れてる♪

コレはもう・・・♪

アニプロ作戦成功の日が近いんだ♪

ヤッホ~♪









◆◆ ◆その数日後◆ ◆◆




・・・皆、気付いてる?
僕が“アニプロ作戦”を皆に熱く語ってから、数日経ったね。
いくら待っても兄ちゃんからのプロポーズが全然無いの。

それドコロか、兄ちゃんからサプライズイベントの気配が全く感じられなくなっちゃったんだ。
・・・何でだろ?

皆も不思議だよね。
僕にプロポーズするのに、何か問題でも起きたのかな?

え?

注文した指輪が来ないとかじゃないかって?
ああ、兄ちゃんがデザインやメーカーに拘ってるなら有り得るかも。

それなら待った方がいいかな?
うん、そうだよね。

急いては事をし損じる、ってコンシェルジュの戒川のおじちゃんも言ってたし。
ちょっと様子を見よう。

大切だもんね!指輪!!









◆◆ ◆更に数日後◆ ◆◆




待ってみよう。

・・・そう思っていた時期もありました。

でも、兄ちゃんのパソコンのネットの検索履歴も“高校生の告白事情”を僕にリサーチした日から更新されてない。
・・・あれ?

大丈夫、大丈夫。
だって兄ちゃん、僕の結婚情報誌〇クシィ手に取って見てたじゃん。
でも・・・。

そうだ、それに僕がオススメした乙女ゲームのパッケージじっと見てたもん。
だけど・・・。

それに所長さんがペアのヌイグルミお祝いに送ってくれたし。
でも、もしかして。

もしかして・・・。
もしかして、全部僕の勘違い?











※1番の問題は、『ペアの指輪欲しい。』→『プロポーズして欲しい。』→『兄プロ作戦だ!』→『兄ちゃんがプロポーズしてくれるに違いない!』とこのお話が始まる前の段階で大脱線していた事だと思う。
    
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