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私だけのお城(晴香SIDE)

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「…はぁっ」

一人暮らしの部屋に帰ってからようやく、私は溜め込んでいたものを吐き出すように溜め息を吐く。
…溜め息、と呼ぶにはけっこう荒っぽい息遣いになってしまったけど。

非常勤ではあるが『WS』開発メンバーになってから、私にはお給料が支払われている。
それもけっこうな金額で、お金を稼ぐのがこんなに簡単でいいのかと思えるほどだ。
定期的なものと言うより、デザイン料やモデル料といったものだから、一度の支払いが多く月々の収入が均等という訳ではない。

でも、一人暮らしを始めるにあたっては十分過ぎるくらいに私の銀行口座には残高が貯まっていた。

部屋を借りる時、家賃はあまり気にしなかった。
パソコンなどの機材は大がかりな方だし、資料としている本の所蔵も多い。
それに何より、一人暮らしを始める最大の目的である所の「自撮りスタジオ」スペースを確保したいから、普通の女の子が一人暮らしで借りるよりも明らかに広く部屋数も多い物件を選んだ。

…どうせ、お金が足りなくなるかして独り暮らしを継続できなければ実家に帰れば良いだけの事と思い、私は2DKの部屋を借りた。

こだわったのは、リビングダイニングの広さはそうでもなくて良いから、独立した残りの2部屋が少なくとも8畳以上でそれぞれに大きな収納が必要、という事。

本当は思い切ってクイーンサイズのベッドでも買おうかと思ったけど、あまり広いと寂しくなるかなと思って、控えめにダブルベッド購入に留めておいた。

デザインを仕事にしてお給料までもらっているのだから、自分自身もっとあれこれインテリアをこだわるのかと想像していたのに、いざとなるとけっこうどうでも良くて、大物家具以外は適当に選んだふしもある。
「そのうち帰るかもしれないし」という思いが、そうさせたのかもしれなかった。

…それでも、この部屋に招くかもしれない人、招きたい人の事を考えて私は一人暮らしのイメージを膨らませていた。
勿論、冴子さんを招いたらという想像は何回もしている。
実際にそんな機会があるかどうかは別として、そうなった時に恥ずかしくないようにしておこうとだけは考えていた。

お姉ちゃんや家族をこの部屋に入れるつもりはない。
自分の好きな物を満載にして、この部屋で暮らす事こそが目的だからだ。

…結局、独立した部屋の一つをパソコンと資料の部屋に、もう一つを寝室に、そしてリビングダイニングは極力物を減らしてその一角は自撮りスペースにもできるようにした。
背景側の壁一面は既存のものの上から黒い壁紙を貼り、窓にも真っ黒な遮光カーテンを吊るしてある。
一見すると異様な感じがするけど、見慣れてくるとこれはこれで面白い。

冴子さんに送ったオナニー動画も、この場所で撮ったものが多い。
ここと、ベッドルームで撮ったものも送っていた。

一人暮らしを始めて何が変わったかと言えば、いつでも好きな時に一人エッチができる事、それにその姿を気兼ねなく撮影できる事がとにかく楽しくて仕方ない。

黒い壁紙の自撮りスペースで写真の写りを確認するために、いつぞやかに景品でもらった本格的な感じのメイド服を着て全身像を取った事がある。
立ち姿の他に面白半分でちょっと挑発的なショットも取ってみようかと思い、崩した横ズ割のような態勢で身体を斜めに倒した恰好で一枚取ってみた…というのが、エスカレートして最終的に自撮りオナニー動画にまで発展したのだけど。

フローリングが映り込むといかにも住宅、マンションという感じがして生活感が出てしまうから、真っ黒な壁紙の前にはちょっと高級な、毛足の長いラグを敷いてある。
これはぱっと見ムートン調と言うか、まるでミンクの毛皮のラグのように見えるけれど、実際はフェイクファーのような素材で汚れても案外簡単に手入れができる。

長い毛足の色は光沢のあるグレーなのだけど、ちょっと私の髪の色に似ているなと思ってこれも面白半分に購入したのだが、結局このラグの上で何度いやらしい遊びをしたか、数知れない。
もはや、このラグの上に座っただけで条件反射的にオナニーしたくなる始末である。

「……」

私はずっと、次に冴子さんとの逢瀬があるとすればそれはこの部屋での事になるだろうとばかり思っていた。
ところがそうではなく、まさか冴子さんの恋人の、あの人の部屋で、しかもその人の目の前で冴子さんと交わる事になるとは思いもよらなかった。

つい数時間前の出来事である。
この部屋に帰ってきて以降は、あれが現実のものだったかどうかさえ怪しく思えてくるほどの衝撃だった。

他の人に比べれば、オナニーを自撮りするぐらいだから「見られる」事への抵抗は少ない方だしむしろ好きなのかもしれないと思う。
ただ、見ている人物が私と同じかそれ以上に冴子さんを好きな人物となれば話は違った。

オナニー動画を送る際にそれが冴子さん以外の誰かに見られてしまう事を想定していなかったと言えば嘘になる。
ほんの少し、その可能性は考えていたしあえて煽ってやろうかという気持ちもないわけじゃなかった。

でもまだ性的に未熟な私の自慰が、他の女性をどの程度煽る事ができるのか、正直良くわからない。
冴子さんは私から見ても明らかにストライクゾーンが広そうだし、あらゆる材料を「そういう」方向に転換して興奮できるタイプの人だと思う。
容姿に関して私は絶対の自信を持っているけど、エッチな妄想を掻き立てる行為となればほとんど自信はなかった。
オナニー動画を送っていたのも、冴子さんを興奮させたいと言うよりかは自分が興奮したかったからという理由が圧倒的に勝っている。

「はぁ」

もう一度大きく息を吐き出しつつ、荷物はその辺に放り投げて私は自撮りラグの上に膝をついた。
そのまま両掌をラグの上についてうなだれる。

「……」

感情と思考が入り乱れてうまく整理できない。
わかっているのは、今なお身体が疼いて仕方ないという事だけだ。

私は凄い場面に遭遇した。
世の中にあるエッチな動画も見た事はたくさんある。
でもそんなのは、作られた商品でありリアリティは感じられない。

「冴子さんとあの人に謝らなければならない」とはずっと思っていた。
冴子さんから最低限の知らせを受けて、私は酷く後悔していた。
二人の仲を引き裂くつもりなんてさらさらなかった。
私はそれに値しない程度の誘惑しかできないと思っていたから、必死になってもそんな事あり得ないと思っていたのだ。

ところが私のオナニー動画は意図せずその人の動揺を誘ってしまった。
…ガキの遊び、ただの戯れだと一蹴されるはずだったのに。
だって私はいつも、『WS』開発チームのボスである光江や、メンバーのみんなからガキっぽいといじられからかわれていて、エッチな事だって彼女たちに比べれば全然、「潔癖」とばかにされる有様なのだ。

私はよく知らないけど、メンバーはそれぞれ女性との出会いの経験も、逢瀬の経験もそこそこあって、時には私にも聞こえるような場でそれらしい会話に花を咲かせていたりもする。

『WS』は女性同士のマッチングアプリだから、開発メンバーもほぼ…いや多分全員が女性に対する興味や好意を強く持つ事のできる人たちだ。
この前恋人(の女性)とどこへ行ったとか、こんな所でキスしちゃったとか、あのホテル良かったよとか、そんな話題は枚挙にいとまがない。

彼女たちからしたら、冴子さん一筋の私はカタブツで真面目でつまらない、性を楽しみきれていない勿体ない女の子、という認定になっている。
悔しさ半分で毎日のように冴子さんを思ってオナニーはしてるけど、実際の所冴子さん以外の人や映像をネタにしてオナニーしたいとは思えず、結局思いをただ募らせているだけのようでもあった。

ともかく結果論としてあの動画によって冴子さんたちに迷惑をかけたという事なら、罰は受けよう。
全力で誘惑しておいて変な話だけど、こっそりと冴子さんと身体を重ねた件についてもどこかわだかまりが残っている気がして、それも含めて一度精算した方が、私の気も楽になるのではないかと思った。

「他人の恋人を寝取ったら、どういう罰を受けるのか」という事は開発メンバーで比較的話せる人に質問したりした。
平手打ちをくらうかもとか、土下座させられるかもとか、変な誓約書を書かされるかもとか、二度と近づくなと約束させられるとか、色々な話を聞いた。

その中で光江だけはしばらく思案した上で「何もないかもよ」と言ってきた。
…光江は冴子さんの恋人たるあの人と、どうやら顔見知りのような感じである。

「何もなくないんです、現に二人がギクシャクしちゃってるんですから」
「それだって一方的な思い込みとかなんじゃないの?…」

彼女に限ってそんな子供じみた反発などあり得ないと言う。

「でも、だとしてもこのまま放っておくのはどうも気持ち的にしんどいです」
「まあ貴女の気が済むためって事なら謝る事自体は止めないけど、そうするとかえって妙な思い付きとかが誘発されてどうにかなるかもしれないわよ」
「何言ってるんだか意味がさっぱりわかりません」

「妙」とか「どうにか」とか、言葉が抽象的過ぎて理解できない。
その「妙」「どうにか」の中身を、私は知りたいのだ。

「あんたさぁ、自分で思うより多分、その動画エロかったんじゃないの?」
「……知りませんよ、そんなの見た人が決める事でしょ」
「うーん」
「……」

とは言え動画の現物を光江に見せるのはためらわれた。
光江もさすがに、無理に見せろとは言ってこない。

「少なくともその人がぱっと見て、心穏やかではいられなくなるレベルでエロかったんでしょ」
「はぁ…」
「現にそれを意図してモデル写真撮られてるんだからわかるだろうけど、実物以上に制作物が良く見えるなんて事はあるわけで」
「……だから、そうだとしてどんな罰が想定されるか、ヒントを教えて欲しいんだけど」
「そうねぇ」

平場であまり「エロい」という言葉を連発しないで欲しい。
この人はその辺りが全然平気なんだろうけど、私はそこが苦手だ。
だからこそこちらがカタブツ呼ばわりされてしまうのかもしれないが。

「全然違うかもしれないし、場の状況によるとは思うけど…一つの可能性として、貴女にとって一番キツイのを想像すると」
「うん」
「…二人が致してる所を見せられる、それも目の前で、ってのはやられるかもしんない」
「…嘘でしょ、そんな事……」

確かに罰として相当キツそうだけど。そんなの見てしまったら泣いてしまうかもしれない。

「もしくは貴女と彼女がどんな風にやったのか、細かい描写含めて喋らされるか今再現しろとか言われる可能性もある」
「どんだけ悪趣味なんですか」
「…そう?案外平和的解決法としてあり得ると思ったんだけど」
「それのどこが平和的なのか、さっぱりわかりません」
「いや、平和的に展開する場合があるのよ、わかんない人にはわかんないだろうけど」

わかる訳がない。

「…説明が難しいんだよな、それにそうならない可能性もあるだけにあまりこればかり深堀できないんだよね」
「……」
「まあ部分的に説明しちゃったけど、要は『三人でやる』事になるかもと思っていればいい」
「真面目に言ってんですかそれ」
「割と真面目だよ?」
「……」

混乱が進むばかりの私に、光江は時間をかけて説明してくれた。

「三人でやるって言っても、一対一の端っこが繋がってるだけの事なんだ」
「…はぁ」

顔見知りらしいその人を思い出して光江が考察するには、そういう展開になる可能性は多くて半分ぐらいだろうとの事。
ただ、もしそうなるようなら迷わず乗った方が私自身が幸せになれると言う。
泣いて逃げるような真似だけは絶対にするなと釘を刺された。
とにかく、意地を張ってでも参加してみれば後でわかると言われた。

それから、「見せる」事に関しては人より慣れているはずだから、むしろ積極的にやる方が楽だとも言う。
例えばオナニーして見せろとか、冴子さんにしたようにまたやって見せろというようなオーダーがあったら抵抗せず素直に応じるべきだと言われた。

「面倒臭いからいちいち理由は説明しないけど」との事だが、光江は私を貶めるつもりではないとわかる。

「シンプルに考えてみてよ、あんた…大好きな彼女に、どういう形であれエロい所見られたいって思ったんでしょ?どういう形であれ彼女とやりたいって思ってるんでしょ?」
「…うん」

言葉のチョイスが相変わらず下品な感じもするが、そこは言うまい。

「なら、他の事は気にせず、彼女をものにできるチャンスが含まれているなら行くべきね」
「……」
「あんたより彼女の方がそういうの慣れてるだろうし、何なら奪う勢いでやってしまえば良い」
「うん…」

周囲の状況にこだわるなという事なら理解できる。
冴子さんに触れて良いチャンスは逃すなという事なら、間違いなくそれはできると思った。

そういう訓示を受けた上で、今日私は冴子さんとあの人を待ち伏せしたのだった。

*-*-*-*-*-

「…やば、何か変……」

ラグの上に這っているような態勢なのに、身体が震えてくる。
三人での逢瀬は間違いなく、私にとって罰でもあり快楽ももたらす結果となった。

…あの人の前で冴子さんを激しく貫く事になるなんて、考えもしなかった。
万一そうなれば必ずやれと光江に言われていたから、どうにか対応できたけど。
しかもそれが、倒錯した高揚をもたらし恐ろしい力が出てしまって、性欲もろとも冴子さんに全てをぶつけてしまった。

「奪うつもりで行け」と言われた事も、最中に何度も思い出された。
性的な技術や手数で私が争えるわけもなく、戦える武器があるとすれば冴子さんによって引き出されたSっ気や、元々あるビジュアルぐらいのものである。

途中からはもはやヤケクソ気味になっていて、もう全部見て判断してくれという気になっていた。
私のやっている事が本当に、大人の女性の嫉妬を買うほどいやらしいものかどうか、という事を。
冴子さんの好意的なリアクションはともかくとして、こんなの嫉妬に値しないと言うならそれはそれである意味平和的解決となる。

あの人が許さない事はするつもりがなかったけど、いいと言う事は全部やってやろうと思った。
途中までは、自分だけが未熟なはずに違いなくて、それこそ罰を受けるようにその場にいたけれど、ある所からは気がつくと、隙があれば先に冴子さんをイかせてやるぞとあの人を脅すように動いていた。

冷静になれば絶対勝ち目がないはずなのに、「貴女が手を抜けば私がいるのだとわかっておけ」とでも言うような不遜な態度を取っていた。
勝ち目がないのは、実際にあの人の愛撫を直接自分の身体で受け止めたので十分わかっている。
…多分、軽く触った程度なのだろうけど、冴子さんの秘部を舐めている最中にいきなりお尻の側から割れ目と、花弁の間を舐められた。

普段は一人でしているから、他者に施される事に不慣れであるのは事実だけど、それにしてもものすごく気持ち良かった。
冴子さんが毎日のように、この程度は序の口としてもっともっと深い、しかも自分の身体を知り尽くした状態のこの人に愛撫を施されているのだとしたらと思うと、それはもう本当に逃げ出したくなる気持ちになった。
でも、問答無用で与えられるあの人の滑らかな舌の動きによって、私の身体はまるで鉛の塊でも担いでいるかのように動けなくなった。
…あの時が、もしかすると一番泣きそうだったかもしれない。

…そうだ、その時も今みたいに床に這いながら冴子さんの秘部に顔を埋めていた。
冴子さんのおまんこは熱くてとろとろの蜜でいっぱいに濡れていて、美味しかった。
泡立つぐらいにまで自分の唾液と冴子さんの蜜をぐちゃぐちゃに混ぜて、それを冴子さんの可愛らしいクリトリスになすり付けてはまた舐め取るのを繰り返した。

延々とそうしていたかったのに、いきなり後ろからあの人に割れ目を舐められたから、行為は継続できなくなってしまった。
私が冴子さんに施していた口淫も、自分としてはめいっぱいいやらしくしていたつもりだけど、それをあざ笑うかのように鮮やかに、一瞬にして私の全神経はその人の舌が振れている場所に集中してしまった。

…あれ、何だったんだろう。
間違いなくあれは人の唇と舌のはずなんだけど。
あの人の唇と舌に関して言えば、どちらもものすごくツルツルしていて、一切ざらつきがなかった。
それが無機物に触れられているかのような感触で、私は過剰に反応してしまったのだ。
私はむしろ、そんな無機物との接触で得る快感に慣れているから。

「あっ……ぁ」

思い出しただけでも股間が湿ってくる。
あれをされた時と同じような態勢でいるから良くないのだろうか。
でももう今更気を散らせない。

やる気で行った割には替えのショーツを持っていなくて、私はしぶしぶスカートの中には何も履かずに帰宅している。
だから今も勿論ノーパンだ。

「……ぁ…んっ」

何の前触れもなく、内腿をつたい落ちる液体の感触があった。
ねばついてはいない、さらりとした淫液である。
焦ったけど、ラグの手入れはすぐにできると思うと、どうでも良くなった。

どうでも良くなると、タガが外れたように淫液はとめどなく流れ出す。

「…っあん」

膝の前に垂れているスカートの生地を手で押さえつけて、内腿の蜜を食い止める。
布地に蜜が染みる感覚と、わずかに生地の表面が顔を出しかけているクリトリスの頭をかすめて私は身悶えした。

「やっ、あぁ…ん」

信じられない。
私は今、冴子さんではなくあの人の口淫を思い出して、淫液を垂らして興奮している。
こんな事、ものすごくいけない事なのに。
でもそう思えば思うほど、悲しくなるぐらいに身体は燃え上がってしまって収拾がつかない。

まあいい。どうせ一回オナニーしないと収まらないだろう。

「冴子さん…ごめんなさい」

あんな短く手軽な愛撫に、しかも行為そのものではなく記憶をたどっているだけなのに、私は一度達してしまわなければならないぐらいにどうにもならないもどかしさを感じていた。

…どうすれば再現できるんだろう。
スカートを押さえている手を一度離して、今度はゆっくりとスカートの中に手を潜り込ませる。
細くて硬い自分の指先であの感触は再現できそうにないけれど、力加減は同じようにしながら、あの人が舐めたのと同じ場所を上下になぞっていく。

「んくっ…ふ…ぅん……」

だらだらと淫液が垂れ落ちていくが、それを止める術はもうない。
指先を淫液でびちょびちょに濡らしてから、その指でゆっくりとお尻の穴から前へ向かって、そして逆方向へと割れ目を丁寧になぞる。
指先が震えてあの人がしたのとは程遠い、ぎこちない動きだった。

「あんっ、あ…冴子さん…見て」

実際にはカメラを回していないけれど、私がオナニーする時にはいつもこんな事を言っている。
ついでに仮想でカメラの位置をイメージし、そちらに向けて流し目をくれてやった。すぐにその表情は快楽に歪んでしまうけど、そこも含めて余す所なくカメラに見立てた冴子さんの視線を意識しつつ、再び行為にふけっていく。

「んっ、う……あはぁん」

割れ目を前後になぞるだけでは満足できなくなって、私は指先をくぷりと穴の中へと押し込んだ。
その後はもう、ひたすら機械的に指を穴の中へと出し入れし続ける。

「やだ、止まんないよ……」

思わず顔が下を向いてしまう。
指の動きと、穴の内側の感覚以外には集中できなくなった。

「冴子さん、見て…これ…こんな、いやらしいの」

煽るつもりで言っているのではなく、自分自身を高めるために言った。

「冴子さん、冴子さんの事が好きなのに、わたし…っあ…あぁぁっ…」

自分でも凄いと思うぐらい、身体がビクビクと跳ねた。
跳ねながら、糸が切れたかのように絶頂を迎える。

「う……っ」

果てたばかりの身体を、今度は仰向けに倒して脚を大きくM字に開く。
転がしたバッグの中から使い慣れたバイブレータを取り出して右手に握った。
これは「オナニーして見せろ」と言われた場合に使うつもりで、バッグに忍ばせておいたのだ。実際は使う事にならなかったけど。
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