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練習の成果(容子SIDE)
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20歳になったばかりの梨々香と、それより一つ年上の愛美。
養子として引き取った二人の娘は、自発的にこの屋敷のメイドとして働くようになり、命の恩人である私に尽くしたがっている。
私だって十分過ぎるほど変態だから、義理の娘とは言え誘惑されて引き下がるほど小心者ではないし、何より二人のいやらしい場面を、見てみたくて仕方ないほど好奇心が刺激されていた。
どうせ私のそういう場面は、見ようと思えばいくらでも覗く事はできたろうからこちらについて知られている件はどうでも良い。
だが梨々香と愛美がどんな顔で、どんな声を出して官能を味わうのか、それは全く未知のものだった。
私にとっては娘のような存在とは言え、彼女らも立派に第二次成長も始まりそれなりに身体だって本能を感じる事だろう。
親子だからとそれに目を向けようとしないのは、むしろ不自然な事のような気さえしてくる。
私は思いつくまま二人に命じた。
まずは「練習した」というその行為を私に見せて欲しい、と。
私はあえて二人が実際にそれを行っていたであろう、梨々香のベッドルームに赴き二人の睦み合いを観察させてもらう事にした。
「……」
裸の身体に真っ白なシルクのキャミソールとショーツを身に着けた姿で二人が現れる。
毎日お揃いの下着を着けている訳ではないのだろうが、あるいは…私の好みに準じた恰好なのかもしれないな、と思ったりする。
何も言わず二人が手を握り合って身体を寄せ合い、啄むようなキスを交わし始めた。
その行為自体は、私を満足させる為と言うよりも、一般的にそうやってセックスを始めるんだという知識に基づき、それを忠実になぞるような行為に思われ、二人の初々しさばかりが際立って見えた。
「……ふぅ…ん」
キスの合間に漏れる梨々香の喘ぎ声が格段に艶めかしいものへと変わり、私は一気に余裕を失くした。
かたや金髪に翡翠色の瞳を持つ美少女と、涼やかな瞳を持つ純日本人の美少女が、チュクチュクという密やかな音を立てながら唇を重ねている訳で、その光景自体は滅多に見られる代物ではない。
キスの深度自体は控え目だが、それでも二人は互いを求め合うように身体を擦り合わせてその感触を愉しんでいるようだった。
「梨々香のおっぱい、柔らかい」
「あんっ…あ…ぁ…っ」
啄むようなキスは継続しながら、愛美がキャミソール越しに梨々香の胸を両手で揉み始めた。
梨々香は「あんっ」と時折明らかな良がり声を上げて身体をびくつかせて見せる。
始めたばかりの時には、その身にまとう純白のキャミソールとほとんど変わらないほど白い肌を見せていた梨々香の身体は、もはやピンクに近い色に染まっていた。
「気持ちいい…あんっ」
「梨々香、もっと」
「うん」
私に性のテクニックを確認させる行為のはずだが、何だか二人は行為そのものに没頭しているのではないか、とだんだん心配になってきた。
しかしそれは私の取り越し苦労なのだとすぐに判明する。
「よ、容子様に見られてると…ドキドキするね」
愛美が囁くように梨々香に語り掛けた。
その声はほんの少し震えているようでもある。
「うん、でも…頑張らなきゃ」
さっきまでは危ういほど妖艶な睦み合いが見られていたのに、急に真面目な調子で励まし合う二人に思わず拍子抜けしてしまう。
…大丈夫なんだろうか、もしかして私に合わせる為に無理してこういう事にチャレンジしているのではないか、と不安を覚える。
そんな事を考えていると、愛美がこちらに向き直りこう告げてきた。
「容子様、その…そんな気にはなれないかもしれませんが、もしもそんな気分になられた際には、梨々香でも、私でも、その両方でも…お好きに触れてください、お願いします」
「はぁ…わかったわ」
そんな断りはどうでも良いので早くモードを戻せと言いたかったが、あまりに真剣な様子にそんな指摘をするのも憚られた。
梨々香が「大丈夫かな…容子様、認めてくれるかしら」などと小声で愛美にこぼしている。
「わからないけど、とりあえず見ていただきましょう、梨々香」
「うん」
二人はまた笑顔を取り戻して、それからまた熱っぽい視線を絡ませ見つめ合った。
…いや、この切り替えの早さって。何?
私は困惑する。
セクシャルな雰囲気とは、どこかただれたような、後ろめたいような、隠したい部分や気持ちとリンクするのが一般的だ。
勿論愛情を伴う行為においてはそればかりではない事もあるだろうが、少なからずその行為には、慣れるまでの間に痛みも伴うし、ある意味相手に対して物理的に踏み込む行為なのであって。
セックスを「犯す」と言うがそれは「侵す」という意味でもあるのだ。
けれどもこの二人にとってこの行為は、日常や、相手を思う優しさのような心と地続きの、気持ちに根差した行為なのかもしれない。
「あ……はぁんっ」
二人はもつれ合うようにしてベッドに転がり、再び夢中でキスを交わしている。
今度は大人が前戯として行うような、舌を深く絡めるキスだった。
ベッドサイドの一人掛けソファで様子を観察している私からすると、二人の絡み合いを真正面の高さで目撃する事となる。
「んっんん…んふぅ…ん」
丁寧に、でも激しさを失わずに二人は互いの口内を貪るようにしながら唇を張り付かせている。
感じとしては愛美が攻め、梨々香が受けのようではあるがそれも微妙なものですぐにでも入れ替わる事ができそうだ。
…これは練習と言う事だったから、つまり二人は技術を学んで互いの身体でそれを実践し確かめているのだろうけれど。
それを裏付けるかのように、二人は抱き合い唇を重ねながらも、相手の名前と同じぐらいの回数で私の名前を呼んでいた。
つまり、今しているキスは私の唇を想定しながらの事でもあるという共通認識が、二人の間にあるらしい。
「あ、はぁ…はぁ…」
唾液の糸を垂らしながら二人が顔を離す。
二人とも息が粗くなっていて顔も真っ赤だ。
「愛美、いい?…」
「うん、して…梨々香…」
あれよあれよという間に愛美のショーツが引き下ろされ、下半身を剥き出しにした愛美が私に向き合うような態勢でベッドの縁に腰掛けた。
更に梨々香がベッドから滑り降りたかと思うと、愛美の足元に跪く。と言うよりむしろこの態勢は四つん這いに近いだろう。
目前に、梨々香の突き出したお尻があって、その向こうにはM字開脚した愛美がいる光景に、私は本当に混乱しそうになった。
「舐めて、梨々香…」
「うん♪」
梨々香がそこに食らいついているので、私の視界としてはそれに遮られ、愛美の秘部そのものは見ずに済んでいるけれど。
…しかし、愛美の股間に一心不乱にしゃぶりつく梨々香の姿には衝撃を覚えた。
ずるずると音を立てながら、時折「んふ」などと歓喜の吐息を漏らしつつ、波打つ豊かな金髪を揺らして梨々香の顔が愛美の太腿の間に埋まっているのだから。
本人はそれに夢中であまり気付いてないだろうけど、その口淫の動きに合わせて少しずつ揺れる梨々香のお尻が、やたらと煽情的に見えてしまって堪らない。
わざとらしくお尻を振って見せているのではない。あくまでもただ口淫の動きの中でわずかに動くだけの事だと言うのに、どうしてこうも嬉しそうに見えてしまうんだろう。
「あ、あっ…梨々香っ、凄い…気持ちいいよ…っ…」
愛美が目を細めて快感に顔を歪める。
脚を閉じないようにする為か、もしくは無意識的に梨々香の頭を押さえつけてしまわない為か、自身の両手は外側から自分の両膝の下に通して両脚の開きを固定させるようにしている。
その膝から先が、梨々香の口淫の動きに呼応するかのようにぴくぴくと跳ねる様子もかなりいやらしい。
「あはぁ…容子様のも、こんな風に舐めたいっ…」
言いながら、梨々香は愛美のクリトリスを思い切り舌で弾いたようだった。
「ひ、あぁっ…だめぇ…それだめっ」
一際大きく愛美の身体が跳ねあがり、絶頂を知らせてしまう。
梨々香は「ダメ、もっとするの」と甘えた調子で呟いて、また愛美の股間にかぶりつく勢いだ。
それもそうだろう、彼女らが実際に相手にしたいのはこの私なのだから、愛美の絶頂タイミングで行為を止める訳にはいかないのだ。
「ゴメン、梨々香…すぐイっちゃって」
「ホント、愛美敏感過ぎだよ」
言葉にはしなかったが、きっと梨々香は続きに「それじゃ容子様の為の練習にならないよ」とでもこぼすような調子だった。
「ごめんね、梨々香」
詫びながら愛美が梨々香の身体を引き寄せ深いキスを施す。
私の眼前から梨々香のお尻が遠ざかってしまったので、若干寂しい気がしたのだけど、そう思う自分に後から驚いた。
「…じゃあ、梨々香は…もっと頑張れるの?」
「あ、あんっ」
愛美はベッドの上に梨々香を導き、勢いよくショーツを脱がせていく。
梨々香も愛美と同じように下半身を裸にされたが、愛美は梨々香をベッドの上に四つん這いにさせ、お尻側から梨々香の秘部を舐め始めた。
「愛美、それは…弱いのに…あ、あんっ」
愛美の指が、下から梨々香の萌芽を摘まんでいるのだろう。梨々香は髪を振り乱しながら快感の渦に落ちるように叫ぶ。
私は、そんな二人を真横から眺めている。
愛美の指は的確に、そして繊細に動いて処女の梨々香の萌芽を捉えて刺激しているようだった。
同時にアヌス含め梨々香の花弁、膣口を舌で刺激しつつ、こぼす愛蜜を余す事なく吸い込んでいるらしく、その場所から粘液が零れ落ちる事はない。
しかもその合間に愛美は「容子様…」などと呟いて見せるのだ。
その言葉が聞こえているのかいないのか、梨々香はきゃんきゃんと悲鳴を上げながらも快感から逃げ回る事はせず、極力自力で引き受けるように身体を突っ張って堪えている。
既にキャミソールが首のあたりにまでめくれ上がってしまって、梨々香の胸は丸見えになり身体の動きに合わせてぷるんと揺れている。
…これでも本人たちはきっと、私の満足には遠く及ばない、未熟な技術しか持ち合わせていないのだと勘違いしているのだろう。
でもそれは違う。
知識や経験は、セックスにおいての最重要項目ではないのだ。
しかし彼女たちにはその素養が既に備わっていて、そしてそれだけがあれば、ある意味無敵なのである。
それは、相手を気持ち良くしたいと願い、努力する事だ。
だから経験や知識が乏しくても、彼女らはこんなにも深く睦み合う事ができている。
前提としては私を思って、でも行為の中では実際に目の前にしている相手の事も思って、心を尽くし身体を動かす。
そういうシンプルな考えに立てば、いとも簡単にここまでの行為が可能である事を、彼女らは証明しているのだと思った。
私自身、そういう性の本質に近いものを、心のどこかで理解してはいるけれど、それをここまで純粋に、それのみの力を見せつけられる事はなかったから、何故だか感動してしまって泣きそうになった。
「愛美、イくっ、イくっ、イっちゃうぅぅ」
「はふ…んん」
梨々香が一際高く叫んで派手に絶頂して見せる。
愛美はまだ名残惜しそうに、梨々香の秘部をぺちゃぺちゃと舐めていた。
「梨々香だって、人の事言えないじゃないの」
「う~…ゴメン」
「でも、いいよ…気持ち良くなってくれたんだから」
「うん♪」
二人はまたころころと笑いながら身体を寄せ合い軽いキスを交わしていた。
梨々香は「だって、されてる所見えないと…容子様にされてるみたいな想像ができちゃうから」と言い笑っている。
…いやもう、何か完璧過ぎて入り込める気がしないほどの幸せいっぱいのプレイなのに、二人は私との交わりを、それでも渇望していると言うのか。
私など遠く及ばないほどに尊いものを見た気がすると言うのに。
「よ、容子様…?!」
「どうなさいましたか」
私が二人を見つめたまま涙を拭く事もしなかったので、二人は慌てて私に近づき様子を伺ってくる。
「やはり…お見苦しいものを見せてしまったでしょうか」
愛美がすまなそうに頭を下げたけれど、私は手を振って「違う違う」と制した。
「本当ですか?嫌なお気持ちになったのでは」
梨々香まで私につられて涙目になり私の顔を覗き込んできた。
二人がそうなるのも必然である。
何しろ彼女らは、私が満足し楽しむ様子を見る事が至上の喜びであり、自身の存在価値はそのためだけにあると言っても差し支えない。
「いや、とにかく違うのよ」
「……?」
「認めるわ」
「え……」
二人が顔を見合わせる。
「それはその…容子様のお手伝いをしても良いという事でしょうか」
愛美が驚いたように尋ねてくる。
「そうよ、何度も言わせないで」
「でもどうして…泣いていらしたのに…」
梨々香が心配そうに表情を曇らせた。
「貴女達は気づいてないかもしれないけど…誰よりも気持ちいいエッチができるはずだから」
「?」
「だからその気持ち、受け取る事にする」
「…ありがとうございます」
二人が同時に私に抱きついてきた。
こんな風にためらう事なく二人をハグするのはいつ以来だろう。
「だから貴女達の処女も、私がいただく事にするからね」
「はい……」
今度は愛美と梨々香の二人が、涙を流して喜んでいた。
どんなに叶わぬ片思いの相手との恋が実った場合でも、そこまで号泣しないだろうというぐらいに。
だから私は二人の為に自分の身体を捧げるように差し出す事にする。
「さっき二人でしたように、実際にしてみせて」
「…はい」
それから私は、梨々香と愛美とそれぞれの口淫を受け止め、何度も絶頂した。
それでも二人は、嬉しいとか幸せだと言いながら行為を止めようとはせず、案外と私の体力消耗は激しくなった。
「容子様、やっぱりどこまでも綺麗な身体…です…」
この時から私と二人の娘との関係性に、性愛というものがプラスされたけど、本当にそれは、ただプラスされただけの事であって他は何も変わらない。
びっくりするほど、変わらなかった。
養子として引き取った二人の娘は、自発的にこの屋敷のメイドとして働くようになり、命の恩人である私に尽くしたがっている。
私だって十分過ぎるほど変態だから、義理の娘とは言え誘惑されて引き下がるほど小心者ではないし、何より二人のいやらしい場面を、見てみたくて仕方ないほど好奇心が刺激されていた。
どうせ私のそういう場面は、見ようと思えばいくらでも覗く事はできたろうからこちらについて知られている件はどうでも良い。
だが梨々香と愛美がどんな顔で、どんな声を出して官能を味わうのか、それは全く未知のものだった。
私にとっては娘のような存在とは言え、彼女らも立派に第二次成長も始まりそれなりに身体だって本能を感じる事だろう。
親子だからとそれに目を向けようとしないのは、むしろ不自然な事のような気さえしてくる。
私は思いつくまま二人に命じた。
まずは「練習した」というその行為を私に見せて欲しい、と。
私はあえて二人が実際にそれを行っていたであろう、梨々香のベッドルームに赴き二人の睦み合いを観察させてもらう事にした。
「……」
裸の身体に真っ白なシルクのキャミソールとショーツを身に着けた姿で二人が現れる。
毎日お揃いの下着を着けている訳ではないのだろうが、あるいは…私の好みに準じた恰好なのかもしれないな、と思ったりする。
何も言わず二人が手を握り合って身体を寄せ合い、啄むようなキスを交わし始めた。
その行為自体は、私を満足させる為と言うよりも、一般的にそうやってセックスを始めるんだという知識に基づき、それを忠実になぞるような行為に思われ、二人の初々しさばかりが際立って見えた。
「……ふぅ…ん」
キスの合間に漏れる梨々香の喘ぎ声が格段に艶めかしいものへと変わり、私は一気に余裕を失くした。
かたや金髪に翡翠色の瞳を持つ美少女と、涼やかな瞳を持つ純日本人の美少女が、チュクチュクという密やかな音を立てながら唇を重ねている訳で、その光景自体は滅多に見られる代物ではない。
キスの深度自体は控え目だが、それでも二人は互いを求め合うように身体を擦り合わせてその感触を愉しんでいるようだった。
「梨々香のおっぱい、柔らかい」
「あんっ…あ…ぁ…っ」
啄むようなキスは継続しながら、愛美がキャミソール越しに梨々香の胸を両手で揉み始めた。
梨々香は「あんっ」と時折明らかな良がり声を上げて身体をびくつかせて見せる。
始めたばかりの時には、その身にまとう純白のキャミソールとほとんど変わらないほど白い肌を見せていた梨々香の身体は、もはやピンクに近い色に染まっていた。
「気持ちいい…あんっ」
「梨々香、もっと」
「うん」
私に性のテクニックを確認させる行為のはずだが、何だか二人は行為そのものに没頭しているのではないか、とだんだん心配になってきた。
しかしそれは私の取り越し苦労なのだとすぐに判明する。
「よ、容子様に見られてると…ドキドキするね」
愛美が囁くように梨々香に語り掛けた。
その声はほんの少し震えているようでもある。
「うん、でも…頑張らなきゃ」
さっきまでは危ういほど妖艶な睦み合いが見られていたのに、急に真面目な調子で励まし合う二人に思わず拍子抜けしてしまう。
…大丈夫なんだろうか、もしかして私に合わせる為に無理してこういう事にチャレンジしているのではないか、と不安を覚える。
そんな事を考えていると、愛美がこちらに向き直りこう告げてきた。
「容子様、その…そんな気にはなれないかもしれませんが、もしもそんな気分になられた際には、梨々香でも、私でも、その両方でも…お好きに触れてください、お願いします」
「はぁ…わかったわ」
そんな断りはどうでも良いので早くモードを戻せと言いたかったが、あまりに真剣な様子にそんな指摘をするのも憚られた。
梨々香が「大丈夫かな…容子様、認めてくれるかしら」などと小声で愛美にこぼしている。
「わからないけど、とりあえず見ていただきましょう、梨々香」
「うん」
二人はまた笑顔を取り戻して、それからまた熱っぽい視線を絡ませ見つめ合った。
…いや、この切り替えの早さって。何?
私は困惑する。
セクシャルな雰囲気とは、どこかただれたような、後ろめたいような、隠したい部分や気持ちとリンクするのが一般的だ。
勿論愛情を伴う行為においてはそればかりではない事もあるだろうが、少なからずその行為には、慣れるまでの間に痛みも伴うし、ある意味相手に対して物理的に踏み込む行為なのであって。
セックスを「犯す」と言うがそれは「侵す」という意味でもあるのだ。
けれどもこの二人にとってこの行為は、日常や、相手を思う優しさのような心と地続きの、気持ちに根差した行為なのかもしれない。
「あ……はぁんっ」
二人はもつれ合うようにしてベッドに転がり、再び夢中でキスを交わしている。
今度は大人が前戯として行うような、舌を深く絡めるキスだった。
ベッドサイドの一人掛けソファで様子を観察している私からすると、二人の絡み合いを真正面の高さで目撃する事となる。
「んっんん…んふぅ…ん」
丁寧に、でも激しさを失わずに二人は互いの口内を貪るようにしながら唇を張り付かせている。
感じとしては愛美が攻め、梨々香が受けのようではあるがそれも微妙なものですぐにでも入れ替わる事ができそうだ。
…これは練習と言う事だったから、つまり二人は技術を学んで互いの身体でそれを実践し確かめているのだろうけれど。
それを裏付けるかのように、二人は抱き合い唇を重ねながらも、相手の名前と同じぐらいの回数で私の名前を呼んでいた。
つまり、今しているキスは私の唇を想定しながらの事でもあるという共通認識が、二人の間にあるらしい。
「あ、はぁ…はぁ…」
唾液の糸を垂らしながら二人が顔を離す。
二人とも息が粗くなっていて顔も真っ赤だ。
「愛美、いい?…」
「うん、して…梨々香…」
あれよあれよという間に愛美のショーツが引き下ろされ、下半身を剥き出しにした愛美が私に向き合うような態勢でベッドの縁に腰掛けた。
更に梨々香がベッドから滑り降りたかと思うと、愛美の足元に跪く。と言うよりむしろこの態勢は四つん這いに近いだろう。
目前に、梨々香の突き出したお尻があって、その向こうにはM字開脚した愛美がいる光景に、私は本当に混乱しそうになった。
「舐めて、梨々香…」
「うん♪」
梨々香がそこに食らいついているので、私の視界としてはそれに遮られ、愛美の秘部そのものは見ずに済んでいるけれど。
…しかし、愛美の股間に一心不乱にしゃぶりつく梨々香の姿には衝撃を覚えた。
ずるずると音を立てながら、時折「んふ」などと歓喜の吐息を漏らしつつ、波打つ豊かな金髪を揺らして梨々香の顔が愛美の太腿の間に埋まっているのだから。
本人はそれに夢中であまり気付いてないだろうけど、その口淫の動きに合わせて少しずつ揺れる梨々香のお尻が、やたらと煽情的に見えてしまって堪らない。
わざとらしくお尻を振って見せているのではない。あくまでもただ口淫の動きの中でわずかに動くだけの事だと言うのに、どうしてこうも嬉しそうに見えてしまうんだろう。
「あ、あっ…梨々香っ、凄い…気持ちいいよ…っ…」
愛美が目を細めて快感に顔を歪める。
脚を閉じないようにする為か、もしくは無意識的に梨々香の頭を押さえつけてしまわない為か、自身の両手は外側から自分の両膝の下に通して両脚の開きを固定させるようにしている。
その膝から先が、梨々香の口淫の動きに呼応するかのようにぴくぴくと跳ねる様子もかなりいやらしい。
「あはぁ…容子様のも、こんな風に舐めたいっ…」
言いながら、梨々香は愛美のクリトリスを思い切り舌で弾いたようだった。
「ひ、あぁっ…だめぇ…それだめっ」
一際大きく愛美の身体が跳ねあがり、絶頂を知らせてしまう。
梨々香は「ダメ、もっとするの」と甘えた調子で呟いて、また愛美の股間にかぶりつく勢いだ。
それもそうだろう、彼女らが実際に相手にしたいのはこの私なのだから、愛美の絶頂タイミングで行為を止める訳にはいかないのだ。
「ゴメン、梨々香…すぐイっちゃって」
「ホント、愛美敏感過ぎだよ」
言葉にはしなかったが、きっと梨々香は続きに「それじゃ容子様の為の練習にならないよ」とでもこぼすような調子だった。
「ごめんね、梨々香」
詫びながら愛美が梨々香の身体を引き寄せ深いキスを施す。
私の眼前から梨々香のお尻が遠ざかってしまったので、若干寂しい気がしたのだけど、そう思う自分に後から驚いた。
「…じゃあ、梨々香は…もっと頑張れるの?」
「あ、あんっ」
愛美はベッドの上に梨々香を導き、勢いよくショーツを脱がせていく。
梨々香も愛美と同じように下半身を裸にされたが、愛美は梨々香をベッドの上に四つん這いにさせ、お尻側から梨々香の秘部を舐め始めた。
「愛美、それは…弱いのに…あ、あんっ」
愛美の指が、下から梨々香の萌芽を摘まんでいるのだろう。梨々香は髪を振り乱しながら快感の渦に落ちるように叫ぶ。
私は、そんな二人を真横から眺めている。
愛美の指は的確に、そして繊細に動いて処女の梨々香の萌芽を捉えて刺激しているようだった。
同時にアヌス含め梨々香の花弁、膣口を舌で刺激しつつ、こぼす愛蜜を余す事なく吸い込んでいるらしく、その場所から粘液が零れ落ちる事はない。
しかもその合間に愛美は「容子様…」などと呟いて見せるのだ。
その言葉が聞こえているのかいないのか、梨々香はきゃんきゃんと悲鳴を上げながらも快感から逃げ回る事はせず、極力自力で引き受けるように身体を突っ張って堪えている。
既にキャミソールが首のあたりにまでめくれ上がってしまって、梨々香の胸は丸見えになり身体の動きに合わせてぷるんと揺れている。
…これでも本人たちはきっと、私の満足には遠く及ばない、未熟な技術しか持ち合わせていないのだと勘違いしているのだろう。
でもそれは違う。
知識や経験は、セックスにおいての最重要項目ではないのだ。
しかし彼女たちにはその素養が既に備わっていて、そしてそれだけがあれば、ある意味無敵なのである。
それは、相手を気持ち良くしたいと願い、努力する事だ。
だから経験や知識が乏しくても、彼女らはこんなにも深く睦み合う事ができている。
前提としては私を思って、でも行為の中では実際に目の前にしている相手の事も思って、心を尽くし身体を動かす。
そういうシンプルな考えに立てば、いとも簡単にここまでの行為が可能である事を、彼女らは証明しているのだと思った。
私自身、そういう性の本質に近いものを、心のどこかで理解してはいるけれど、それをここまで純粋に、それのみの力を見せつけられる事はなかったから、何故だか感動してしまって泣きそうになった。
「愛美、イくっ、イくっ、イっちゃうぅぅ」
「はふ…んん」
梨々香が一際高く叫んで派手に絶頂して見せる。
愛美はまだ名残惜しそうに、梨々香の秘部をぺちゃぺちゃと舐めていた。
「梨々香だって、人の事言えないじゃないの」
「う~…ゴメン」
「でも、いいよ…気持ち良くなってくれたんだから」
「うん♪」
二人はまたころころと笑いながら身体を寄せ合い軽いキスを交わしていた。
梨々香は「だって、されてる所見えないと…容子様にされてるみたいな想像ができちゃうから」と言い笑っている。
…いやもう、何か完璧過ぎて入り込める気がしないほどの幸せいっぱいのプレイなのに、二人は私との交わりを、それでも渇望していると言うのか。
私など遠く及ばないほどに尊いものを見た気がすると言うのに。
「よ、容子様…?!」
「どうなさいましたか」
私が二人を見つめたまま涙を拭く事もしなかったので、二人は慌てて私に近づき様子を伺ってくる。
「やはり…お見苦しいものを見せてしまったでしょうか」
愛美がすまなそうに頭を下げたけれど、私は手を振って「違う違う」と制した。
「本当ですか?嫌なお気持ちになったのでは」
梨々香まで私につられて涙目になり私の顔を覗き込んできた。
二人がそうなるのも必然である。
何しろ彼女らは、私が満足し楽しむ様子を見る事が至上の喜びであり、自身の存在価値はそのためだけにあると言っても差し支えない。
「いや、とにかく違うのよ」
「……?」
「認めるわ」
「え……」
二人が顔を見合わせる。
「それはその…容子様のお手伝いをしても良いという事でしょうか」
愛美が驚いたように尋ねてくる。
「そうよ、何度も言わせないで」
「でもどうして…泣いていらしたのに…」
梨々香が心配そうに表情を曇らせた。
「貴女達は気づいてないかもしれないけど…誰よりも気持ちいいエッチができるはずだから」
「?」
「だからその気持ち、受け取る事にする」
「…ありがとうございます」
二人が同時に私に抱きついてきた。
こんな風にためらう事なく二人をハグするのはいつ以来だろう。
「だから貴女達の処女も、私がいただく事にするからね」
「はい……」
今度は愛美と梨々香の二人が、涙を流して喜んでいた。
どんなに叶わぬ片思いの相手との恋が実った場合でも、そこまで号泣しないだろうというぐらいに。
だから私は二人の為に自分の身体を捧げるように差し出す事にする。
「さっき二人でしたように、実際にしてみせて」
「…はい」
それから私は、梨々香と愛美とそれぞれの口淫を受け止め、何度も絶頂した。
それでも二人は、嬉しいとか幸せだと言いながら行為を止めようとはせず、案外と私の体力消耗は激しくなった。
「容子様、やっぱりどこまでも綺麗な身体…です…」
この時から私と二人の娘との関係性に、性愛というものがプラスされたけど、本当にそれは、ただプラスされただけの事であって他は何も変わらない。
びっくりするほど、変わらなかった。
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男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
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