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アホな飼い主とアホなインコのエピソード
オカメインコのどばっちが大人になった時のお話
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我が家で最初に飼ったオスは里親として引き取ったオカメインコだったので、我が家に来た時はすでに成鳥だった。しかも、絶望的な運動音痴だった。バランス感覚がゼロのオカメインコだった。
そのオカメインコが亡くなって二年ほどたって、どばっちが我が家にやってきた。オスのオカメヒナは初めてだった。
蛇足だが、我が家はこだわらないとメスインコが来る確率が高い気がする。
オカメインコの雄雌の判断は、ヒナの時はほぼわからない。生後数か月たってオスだと口笛の真似をしだす。これを始めるとようやくオスだぁとなる。口笛の真似をしないとはっきりしないのもいるから、これは判断が更に遅くなる。
どばっちは、ブリーダーさんとこの両親オカメの遺伝子の関係で、最初からオスが確定していた(そこらへんの詳しいところは、他で調べてけれ。私は知らねw)。
オスと確定しているヒナがいかに成長していくのか、非常に興味深く観察した。
まず、口笛の物まねを特訓させた。めちゃくちゃ上手に鳴いたら、ユーチューバーインコにしようと思った。まぁ、全国的に有名になるのは、厳しい倍率だと思ったので、元から「ご当地アイ鳥」を目指し、訓練した。
ご当地アイ鳥にするためには、ご当地ソングを歌えるようにするべきだと、マネージャーを兼ねた飼い主は考えた。そこで地元スーパーのテーマソングを適当に端折って教え込んだ(長いのはバカなので覚えないと思ったから。そこらへんは飼い主バカにならないのだよ、自分は)。
そこそこ、聞き耳をたてれば聞こえなくもない程度に歌うようになったので、動画を撮って頑張ってユーチューブにアップした。すぐにオファーが来ると信じていたが一向にお声はかからなかった。
あのな、地元スーパーよ、ちゃんとエゴサしているのけ? 地元スーパーの歌を歌うオカメインコは、うちのどばっちだけなんだが? こんなにターゲット絞ってもオファーが来ないほど、うちのどばっちの歌は下手なのか?
一応、動画を同じスーパーが展開しているところに住んでいる親せきに見てもらった。微妙な反応だった。もしかして、飼い主バカをさく裂させていたのか?
家人には「鳩ぽっぽ」を教えないのはおかしいとかなり苦情言われながら、がんばって教えたのだがな(号泣)。
さてオカメインコのオスが口笛の真似をするのは何故か? それは「嫁が欲しいアピール」のためだ。そのためのさえずりを利用して、歌を覚えさせているわけだ。
というわけで、うちのどばっちが歌を覚えたのは嫁探しのためだったので、嫁にアピールするまでは歌っていたが、嫁がどばっちを受け入れそうだと判断してから徐々に歌わなくなった。
目的があるから歌うのであって、目的が達成されたら歌うのはやめるのだ。やっぱ、歌うのは面倒な行動なのかもしれない。そう、人間だけでない、目的もないのにオカメインコも特別な行動なんてしたくないのだ(注;飼い主の独断と偏見である)。
我が家にはメスのオカメインコもいるが、どばっちの嫁ではない。この二羽は相性が合わなかった。オカメインコを増やす目的のない飼い主には喜ばしいことではあったが。
で。どばっちが見つけた嫁って誰かが気になるだろう? 飼い主の足の指なのだ。オカメインコに限らず、飼われインコはインコでなくても惚れてしまうケースが多々ある。鳥でなくてもいいのだから、守備範囲広さは無限大。
そういうわけで、ターゲットが飼い主の足の指になった時、飼い主は受け入れるべきか多少悩んだ。
歩く時、寄ってくると危ないというのもあるし。しかし、どばっちは惚れてしまった。嫁に決めてしまった。飼い主の足指にの愛の歌(スーパーのテーマソング)を捧げ続けるので、飼い主は決めた。どばっちの愛を受け入れることに。
ちなみに、どばっちの嫁は「飼い主の足指」なのであって、飼い主の本体は「嫁」認定されていない。足指との間を邪魔されると、躊躇なく飼い主に攻撃してくる。悲しいが仕方がない。
さて、飼い主の足指が、どばっちを受け入れるのがわかったどばっちは高速きつつき状態になった。この行動の意味は、実はいまだに飼い主はわからない。
とにかく、嫁の足指の近くでトトトトトトトン、トントン、トン、トトトンと嫁にアピールする。
こうして、カップル??になったどばっちはついに! 嫁のための巣作りに着手。家を破壊されたら、飼い主はたまったもんじゃないので、小さな段ボールの箱を与えた。愛のスイートホームである。どばっちは喜々としてダンボるの中に入り、段ボールを中で削り、スイートホームを必死に建築しているつもりで、スイートホームを夢中で破壊していった。
スイートホームで破壊作業しながら、たまに嫁の足指をスイートホームに誘ってくる。残念だが足指はスイートホームの入り口までしか入れない。
ちなみに飼い主の手が見えると容赦なくどばっちは襲ってくる。あくまで、スイートホームに入っていいのは飼い主の足指のみなのだ。
どばっちが建築に勤しんだ結果、スイートホームは今や崩壊寸前である。そろそろ、新しい段ボールを投入せねばなるまい。
ところで、どばっちがスイートホームを建築する目的は、趣味ではない。あくまで嫁との間でフォーリンラブして、ヒナを育てるためである。
というわけで、当然だがどばっちは嫁と有精卵を作成する行動をとり始めた。
非常に興味深かった。足指をさしだした飼い主は、どばっちが足指にのっかって、事を成し遂げようとする行動をじっと観察した。
嫁と数日間格闘したどばっちだが、最初はうまくいかなかった。あまり発情させすぎるのは良くないともきいていたので、一日に一回に制限して、嫁はどばっちを追い払った。
数日かけて、どばっちの腰としっぽの動きが上手になっていった。
そして、ある日、ついにどばっちは腰としっぽをフルフルとさせたあと、背中がのびた。飼い主にはわかった。どばっちが遂に大人になった瞬間だった。
初めてを成し遂げたどばっちは、嫁の足指をしっかり掴みながら、ゆっくり飼い主の顔を見た。
「これ、何が起きたの?」
どばっちは飼い主に訴えてきた。その顔は「間抜け」そのものだった。異次元の階段を上ったどばっちの間抜け面は、飼い主にもインパクトがあった。初めての時ってそんな顔になるんだ。ほほぉ。
ちなみにその間抜け面のどばっちを、参考にしてR18恋愛小説の主人公の初体験の描写に利用したのは、飼い主の私だ。なんか文句あっか?
そのオカメインコが亡くなって二年ほどたって、どばっちが我が家にやってきた。オスのオカメヒナは初めてだった。
蛇足だが、我が家はこだわらないとメスインコが来る確率が高い気がする。
オカメインコの雄雌の判断は、ヒナの時はほぼわからない。生後数か月たってオスだと口笛の真似をしだす。これを始めるとようやくオスだぁとなる。口笛の真似をしないとはっきりしないのもいるから、これは判断が更に遅くなる。
どばっちは、ブリーダーさんとこの両親オカメの遺伝子の関係で、最初からオスが確定していた(そこらへんの詳しいところは、他で調べてけれ。私は知らねw)。
オスと確定しているヒナがいかに成長していくのか、非常に興味深く観察した。
まず、口笛の物まねを特訓させた。めちゃくちゃ上手に鳴いたら、ユーチューバーインコにしようと思った。まぁ、全国的に有名になるのは、厳しい倍率だと思ったので、元から「ご当地アイ鳥」を目指し、訓練した。
ご当地アイ鳥にするためには、ご当地ソングを歌えるようにするべきだと、マネージャーを兼ねた飼い主は考えた。そこで地元スーパーのテーマソングを適当に端折って教え込んだ(長いのはバカなので覚えないと思ったから。そこらへんは飼い主バカにならないのだよ、自分は)。
そこそこ、聞き耳をたてれば聞こえなくもない程度に歌うようになったので、動画を撮って頑張ってユーチューブにアップした。すぐにオファーが来ると信じていたが一向にお声はかからなかった。
あのな、地元スーパーよ、ちゃんとエゴサしているのけ? 地元スーパーの歌を歌うオカメインコは、うちのどばっちだけなんだが? こんなにターゲット絞ってもオファーが来ないほど、うちのどばっちの歌は下手なのか?
一応、動画を同じスーパーが展開しているところに住んでいる親せきに見てもらった。微妙な反応だった。もしかして、飼い主バカをさく裂させていたのか?
家人には「鳩ぽっぽ」を教えないのはおかしいとかなり苦情言われながら、がんばって教えたのだがな(号泣)。
さてオカメインコのオスが口笛の真似をするのは何故か? それは「嫁が欲しいアピール」のためだ。そのためのさえずりを利用して、歌を覚えさせているわけだ。
というわけで、うちのどばっちが歌を覚えたのは嫁探しのためだったので、嫁にアピールするまでは歌っていたが、嫁がどばっちを受け入れそうだと判断してから徐々に歌わなくなった。
目的があるから歌うのであって、目的が達成されたら歌うのはやめるのだ。やっぱ、歌うのは面倒な行動なのかもしれない。そう、人間だけでない、目的もないのにオカメインコも特別な行動なんてしたくないのだ(注;飼い主の独断と偏見である)。
我が家にはメスのオカメインコもいるが、どばっちの嫁ではない。この二羽は相性が合わなかった。オカメインコを増やす目的のない飼い主には喜ばしいことではあったが。
で。どばっちが見つけた嫁って誰かが気になるだろう? 飼い主の足の指なのだ。オカメインコに限らず、飼われインコはインコでなくても惚れてしまうケースが多々ある。鳥でなくてもいいのだから、守備範囲広さは無限大。
そういうわけで、ターゲットが飼い主の足の指になった時、飼い主は受け入れるべきか多少悩んだ。
歩く時、寄ってくると危ないというのもあるし。しかし、どばっちは惚れてしまった。嫁に決めてしまった。飼い主の足指にの愛の歌(スーパーのテーマソング)を捧げ続けるので、飼い主は決めた。どばっちの愛を受け入れることに。
ちなみに、どばっちの嫁は「飼い主の足指」なのであって、飼い主の本体は「嫁」認定されていない。足指との間を邪魔されると、躊躇なく飼い主に攻撃してくる。悲しいが仕方がない。
さて、飼い主の足指が、どばっちを受け入れるのがわかったどばっちは高速きつつき状態になった。この行動の意味は、実はいまだに飼い主はわからない。
とにかく、嫁の足指の近くでトトトトトトトン、トントン、トン、トトトンと嫁にアピールする。
こうして、カップル??になったどばっちはついに! 嫁のための巣作りに着手。家を破壊されたら、飼い主はたまったもんじゃないので、小さな段ボールの箱を与えた。愛のスイートホームである。どばっちは喜々としてダンボるの中に入り、段ボールを中で削り、スイートホームを必死に建築しているつもりで、スイートホームを夢中で破壊していった。
スイートホームで破壊作業しながら、たまに嫁の足指をスイートホームに誘ってくる。残念だが足指はスイートホームの入り口までしか入れない。
ちなみに飼い主の手が見えると容赦なくどばっちは襲ってくる。あくまで、スイートホームに入っていいのは飼い主の足指のみなのだ。
どばっちが建築に勤しんだ結果、スイートホームは今や崩壊寸前である。そろそろ、新しい段ボールを投入せねばなるまい。
ところで、どばっちがスイートホームを建築する目的は、趣味ではない。あくまで嫁との間でフォーリンラブして、ヒナを育てるためである。
というわけで、当然だがどばっちは嫁と有精卵を作成する行動をとり始めた。
非常に興味深かった。足指をさしだした飼い主は、どばっちが足指にのっかって、事を成し遂げようとする行動をじっと観察した。
嫁と数日間格闘したどばっちだが、最初はうまくいかなかった。あまり発情させすぎるのは良くないともきいていたので、一日に一回に制限して、嫁はどばっちを追い払った。
数日かけて、どばっちの腰としっぽの動きが上手になっていった。
そして、ある日、ついにどばっちは腰としっぽをフルフルとさせたあと、背中がのびた。飼い主にはわかった。どばっちが遂に大人になった瞬間だった。
初めてを成し遂げたどばっちは、嫁の足指をしっかり掴みながら、ゆっくり飼い主の顔を見た。
「これ、何が起きたの?」
どばっちは飼い主に訴えてきた。その顔は「間抜け」そのものだった。異次元の階段を上ったどばっちの間抜け面は、飼い主にもインパクトがあった。初めての時ってそんな顔になるんだ。ほほぉ。
ちなみにその間抜け面のどばっちを、参考にしてR18恋愛小説の主人公の初体験の描写に利用したのは、飼い主の私だ。なんか文句あっか?
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