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昼メロインコ
昼下がりのお悩み相談室
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昼下がりのお悩み相談室の時間です。
さて、今日の相談者はペンネーム「悩める妊娠オカメ妻さん」3才です。
では、相談をどうぞ。
「こんにちは」
「……こんにちは……」
「今、妊娠中とのことですが?」
「はい。実は、一昨日2個目の卵を出産して、今3個目妊娠中です」
「からだがしんどい時期にお悩みを抱えてるのはつらいですね、どうされましたか?」
「実は……夫が全然育児を手伝ってくれないんですっ‼(号泣)」
「インコって、旦那様は育児の手伝いを普通しないのではありませんか?」
「それ、セキセイの場合でしょ⁉ 私はオカメなんですっ(怒り泣き)‼ オカメインコは共同で抱卵や飼育するのですっ、知らないのですかっ⁉」
「うぬっ(^^;、これは大変失礼致しました。そうそうオカメさんの場合、夫婦で育雛するのですよね(汗)」
「ぐすん、そうなんです。セキセイと違って(やや上から目線)、オカメ旦那は、それなりに手伝ってくれるはずなのに。私の夫はまったく無視なのです」
「無視、ですか? 何かケンカとかされたのですか?」
「思いあたりません……」
「旦那様に協力するように頼んでみましたか?」
「はい、……巣作りからずっと手伝ってって、何回も何回も頼んでいます。でも、顔じゃわかってるみたいなのに フラフラとどこかへ遊びに行くんです(涙)」
「そりゃ、ひどい旦那様だなーー。親になる覚悟ってのもなさそーな……。すっぱり、あきらめて別れたらどうですか?」
「そ、そんな! それにダーリンはひどくなんかないですっ!(きっぱり) だって身よりのない幼かった私を引きとって大事に大事に育ててくれたんですよ⁉ 失礼な事言わないでください!」
「幼子を育てあげて、嫁さんにする……ですか、こりゃまた某源氏物語の某光源氏のような話ですね」
「それの何がいけないんですかっ!(怒) ダーリンは育雛を手伝ってくれないこと以外は、ほんとに優しいのですっ! カキカキもしてくれるし、肩にだって乗せてくれるし。私、ダーリンの背中に貼りつくの大好きなんです~(うっとり)」
「肩に乗せてくれる? 背中に貼りつく?? オカメ妻さんの方がのっかるのですか??……えっと、インコって普通、オスの方メスの上にのっかるのではなかったけ?? あ……」
ここで、相談を受けていた回答者はあることに気が付いた。
「オカメ妻さん、あの質問なんですが。その愛しい旦那様、冠羽ありますか?」
「!(ギクッ) な、なんですか? そんなこと答えなきゃいけませんか?(ビクビク)」
「はは~ん、なるほどね~。じゃ、しっぽはありますかっ⁉」
「‼(ギくギクギクッ)」
「しっぽもない、と。では最後の質問です。旦那様は羽ありませんよねっ⁉ つまり……」
「いやっ! そ、それ以上言わないで!」
「(無視)羽もないんですよね? 冠羽もない、しっぽもない、羽もない……要するに……」
「いやあぁぁぁ~~~~‼ ききたくないっ‼」
通信が突如途絶えた。
回答者はふっとため息をつきながら、話を続けた。
「通信が途切れたみたいですね。しょうがないから、このまま続けてお答えしますね。オカメ妻さん、きいてます
かぁ? あなたがダーリンと思い込もうとしているのは、あなたの飼い主です。飼い主は人間なので、あなたの旦那にはなれません」
回答者は続けて言った。
「認めたくない気持ちは、充分わかりますが、現実を受け入れてください。繰り返します。飼い主はオカメインコの旦那にはなれません。事実を受け入れて乗り越えてください」
ズバリと言い切ったが回答者は、オカメ妻が事実を受け入れることはないだろうと思っていた。しかし、これ以上、回答のしようがないのも事実だった。
「と、いうわけで、今回はここまでです。それではまたお会いしましょう、See you again!」
その後、悩めるオカメ妻が旦那を諦めた、という報告はやはり入らなかった……
さて、今日の相談者はペンネーム「悩める妊娠オカメ妻さん」3才です。
では、相談をどうぞ。
「こんにちは」
「……こんにちは……」
「今、妊娠中とのことですが?」
「はい。実は、一昨日2個目の卵を出産して、今3個目妊娠中です」
「からだがしんどい時期にお悩みを抱えてるのはつらいですね、どうされましたか?」
「実は……夫が全然育児を手伝ってくれないんですっ‼(号泣)」
「インコって、旦那様は育児の手伝いを普通しないのではありませんか?」
「それ、セキセイの場合でしょ⁉ 私はオカメなんですっ(怒り泣き)‼ オカメインコは共同で抱卵や飼育するのですっ、知らないのですかっ⁉」
「うぬっ(^^;、これは大変失礼致しました。そうそうオカメさんの場合、夫婦で育雛するのですよね(汗)」
「ぐすん、そうなんです。セキセイと違って(やや上から目線)、オカメ旦那は、それなりに手伝ってくれるはずなのに。私の夫はまったく無視なのです」
「無視、ですか? 何かケンカとかされたのですか?」
「思いあたりません……」
「旦那様に協力するように頼んでみましたか?」
「はい、……巣作りからずっと手伝ってって、何回も何回も頼んでいます。でも、顔じゃわかってるみたいなのに フラフラとどこかへ遊びに行くんです(涙)」
「そりゃ、ひどい旦那様だなーー。親になる覚悟ってのもなさそーな……。すっぱり、あきらめて別れたらどうですか?」
「そ、そんな! それにダーリンはひどくなんかないですっ!(きっぱり) だって身よりのない幼かった私を引きとって大事に大事に育ててくれたんですよ⁉ 失礼な事言わないでください!」
「幼子を育てあげて、嫁さんにする……ですか、こりゃまた某源氏物語の某光源氏のような話ですね」
「それの何がいけないんですかっ!(怒) ダーリンは育雛を手伝ってくれないこと以外は、ほんとに優しいのですっ! カキカキもしてくれるし、肩にだって乗せてくれるし。私、ダーリンの背中に貼りつくの大好きなんです~(うっとり)」
「肩に乗せてくれる? 背中に貼りつく?? オカメ妻さんの方がのっかるのですか??……えっと、インコって普通、オスの方メスの上にのっかるのではなかったけ?? あ……」
ここで、相談を受けていた回答者はあることに気が付いた。
「オカメ妻さん、あの質問なんですが。その愛しい旦那様、冠羽ありますか?」
「!(ギクッ) な、なんですか? そんなこと答えなきゃいけませんか?(ビクビク)」
「はは~ん、なるほどね~。じゃ、しっぽはありますかっ⁉」
「‼(ギくギクギクッ)」
「しっぽもない、と。では最後の質問です。旦那様は羽ありませんよねっ⁉ つまり……」
「いやっ! そ、それ以上言わないで!」
「(無視)羽もないんですよね? 冠羽もない、しっぽもない、羽もない……要するに……」
「いやあぁぁぁ~~~~‼ ききたくないっ‼」
通信が突如途絶えた。
回答者はふっとため息をつきながら、話を続けた。
「通信が途切れたみたいですね。しょうがないから、このまま続けてお答えしますね。オカメ妻さん、きいてます
かぁ? あなたがダーリンと思い込もうとしているのは、あなたの飼い主です。飼い主は人間なので、あなたの旦那にはなれません」
回答者は続けて言った。
「認めたくない気持ちは、充分わかりますが、現実を受け入れてください。繰り返します。飼い主はオカメインコの旦那にはなれません。事実を受け入れて乗り越えてください」
ズバリと言い切ったが回答者は、オカメ妻が事実を受け入れることはないだろうと思っていた。しかし、これ以上、回答のしようがないのも事実だった。
「と、いうわけで、今回はここまでです。それではまたお会いしましょう、See you again!」
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