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2020年03月
「なろう」垢を削除した言い訳
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今まで、自分のサイトを持っていた。その他にネットの閉鎖した空間で一部の人しか読めない状態のブログを書いてそれで長い間、満足していた。
その閉じたネット空間で創作文のサークルに数年加わっている。毎月「お題」が出て、お題に沿った短編を仕上げる。無論、強制ではないが、作文が好きだったので、年に数本の短編をサークル用にブログにして書いた。
サークルを主催している人が「小説家になろう」にサークルの作品としてとりまとめて載せてくれていた。
その当時、サークルのメンバーに読まれるだけで、満足していた。
「小説家になろう」に転載してもらったのを、たまに読みにいくこともあったけれど、読まれている感触もなく何の感情も「なろう」にはなかったな。
この文章を書いている現在、「なろう」が日本で最大の小説投稿サイトになっているが、当時はそこまで巨大サイトになるとも思っていなかったし、「なろう」に対して「無関心」だったというのが正直な感覚だった。
サークル活動からしばらく遠ざかって、ネット記事の下書きを始めた。二年間やって内容のないゴミのような記事を書き続けることから足を洗った時、強烈に思ったのは「自分の文を書きたい」ということだった。
それは焦燥感を伴っていた。文字が書きたい、自分の文を打ち込みたい。
小説投稿サイトにその想いをぶちまけるため「アルファポリス」を選んだのは、インセンティブの制度があったからだ。
ゴミ記事といえど、時給五十円といえど。文章を「売った」経験をした後、何の報酬もない「小説家になろう」に投稿する気持ちは起きなかった。
ぶっちゃけていえば、「ただで書籍化のチャンスもらえる場所なんだから、感謝して使え」とかなりでかい態度で居座ってる印象にいい感情はなかった。
サークル活動を通じて「小説家になろう」にささやかに関わっていたが、数年で随分威張ったサイトになったもんだなと思った。
日本でも有数のPVを誇るサイトになっているんだから、まぁそうなるわな。
小説を投稿する人が「読まれたくて」こぞって投稿するし、書籍の編集者も目を光らせている。お金はやらんが、チャンスは与えられる場所と言っていい。
そりゃ「読まれたい」し、「あわよくば書籍化」したい。ネットに文章を公開してその欲がないとは、自分には言い切れるわけがない。
しかし「なろう信者」に迎合できる素直な性格でなかった。そういうわけで、アルファポリスに閉鎖したジオシティーズから文章を転載することから始めた。
限定した人しか読めない空間で記録を兼ねたエッセイを書いていたそれをアルファポリスで公開した。
アルファポリスは読まれている実感の乏しいサイトだ。それでもちょびっとは読まれて、一日に数円のwインセンティブも入ってくる。
書きたい衝動をブログから加筆修正してアップすると下手くそながら「自分の作品」となった。
文章を投稿して公開する楽しさに目覚めた。
私は長編といわれる話を書くのが苦手だ。プロットなるものを組み立てたこともない。頭の中でうごめく展開を文章に出来る目処がたてば、一気に書いてしまう。
一気に書くと言ったが、他の物書きさんが平然と一万文字をサラサラ書くらしいのと比較すればショボい。頭の中でまとまるのは千文字から三千文字ほど。それぐらいあれば、短編の起承転結ができるかな。
おそらく、エッセイの方が向いているのかもしれない。そういう自分の文章の癖を踏まえて、短文をつなぐ形で中編ぐらいの話を二~三本書いた。
それも、閉じたブログに書いてあったので、「作品」としてアップした。
さてそのブログの中に、数年前にプロットになりそうなメモを残してあった。プロットは組めないが、そのメモから妄想が頭の中で広がった。
全体の流れも頭の中でなんとなく出来てきた。
数年ぶりに、中編になりそうな新作のお話を書き始めた。更新している間、脳内物質が出ている感じだった。あの高揚感は何だろね?
何せプロットなんて頭の中にしかない。スタートしたからにはゴールしたかった。途中で書くのをやめてしまうのは避けたくて、早く早く、頭から逃げないうちにアウトプット、アウトプット。見えない何かに追いまくられているような感覚で書いていた。
そんでもって、「終わり」までたどりついて。完結すると、少し読まれるという現象がある。「完結ブースト」っていうんだって。
そのブーストも終わった時、むくむくと「もっと読まれたい欲求」が湧いてきた。
それで、あんなに嫌がっていた「なろう」に載せてみようと思ったわけだ。
R18なので「なろう」の子サイトで連載を始めたのだが、アカウント自体は本サイトと共通だった。読んだ作品に評価やポイントも付けることができる。
で、「なろうの子サイト」で連載始めたら、噂通り、読んでくれる人が多いのには驚いた。なろうへのアクセスが半端ないというのは体感した。無名の話にも宣伝なくても、ちょくちょく読まれるのだから。
私はどうも頭の回転が鈍いところがある。しばらくして、ふと気が付いた。サークル用に出した作品は、サークル主催者の垢で出しているから、評価しようとすれば評価できてしまう状態じゃね?
これって複垢状態なのだろうか? 最初、その考えが心に浮かんだ時、あまり重大なこととは考えていなかった。しかし、複垢で垢バンされるケースを見聞きするごとに、自分のアカウントとサークルのアカウントのことが徐々に大きく心の中を占めていった。
サークルはすでに長い期間稼働している。その垢がペナルティがいかない保証はない。私は「なろう」の運営方針がかなり厳しいものであると認識しつつあったので、不安が加速度をつけて増していった。
自分が作ったアカウントはたかだか三か月弱、公開した作品も子サイトに一つのみ。やはり、自分が退会するのがいいと思った。なろうに作品を投稿して、読んでもらえたことは嬉しかった。
しかし、サークルを運営するアカウントに、別名義で自分の作品が掲載されている状態は、やはり解消すべきだ。そういうわけで、なろうを一旦退会した。
再登録する日は来るのかな?ちょっとわからないなぁ。
それにつけても、人間、言い訳は長くなるようだ。いつもなら二千字も書けば息切れするけれど、長くなっているなぁ(自分にしては、だけど)
その閉じたネット空間で創作文のサークルに数年加わっている。毎月「お題」が出て、お題に沿った短編を仕上げる。無論、強制ではないが、作文が好きだったので、年に数本の短編をサークル用にブログにして書いた。
サークルを主催している人が「小説家になろう」にサークルの作品としてとりまとめて載せてくれていた。
その当時、サークルのメンバーに読まれるだけで、満足していた。
「小説家になろう」に転載してもらったのを、たまに読みにいくこともあったけれど、読まれている感触もなく何の感情も「なろう」にはなかったな。
この文章を書いている現在、「なろう」が日本で最大の小説投稿サイトになっているが、当時はそこまで巨大サイトになるとも思っていなかったし、「なろう」に対して「無関心」だったというのが正直な感覚だった。
サークル活動からしばらく遠ざかって、ネット記事の下書きを始めた。二年間やって内容のないゴミのような記事を書き続けることから足を洗った時、強烈に思ったのは「自分の文を書きたい」ということだった。
それは焦燥感を伴っていた。文字が書きたい、自分の文を打ち込みたい。
小説投稿サイトにその想いをぶちまけるため「アルファポリス」を選んだのは、インセンティブの制度があったからだ。
ゴミ記事といえど、時給五十円といえど。文章を「売った」経験をした後、何の報酬もない「小説家になろう」に投稿する気持ちは起きなかった。
ぶっちゃけていえば、「ただで書籍化のチャンスもらえる場所なんだから、感謝して使え」とかなりでかい態度で居座ってる印象にいい感情はなかった。
サークル活動を通じて「小説家になろう」にささやかに関わっていたが、数年で随分威張ったサイトになったもんだなと思った。
日本でも有数のPVを誇るサイトになっているんだから、まぁそうなるわな。
小説を投稿する人が「読まれたくて」こぞって投稿するし、書籍の編集者も目を光らせている。お金はやらんが、チャンスは与えられる場所と言っていい。
そりゃ「読まれたい」し、「あわよくば書籍化」したい。ネットに文章を公開してその欲がないとは、自分には言い切れるわけがない。
しかし「なろう信者」に迎合できる素直な性格でなかった。そういうわけで、アルファポリスに閉鎖したジオシティーズから文章を転載することから始めた。
限定した人しか読めない空間で記録を兼ねたエッセイを書いていたそれをアルファポリスで公開した。
アルファポリスは読まれている実感の乏しいサイトだ。それでもちょびっとは読まれて、一日に数円のwインセンティブも入ってくる。
書きたい衝動をブログから加筆修正してアップすると下手くそながら「自分の作品」となった。
文章を投稿して公開する楽しさに目覚めた。
私は長編といわれる話を書くのが苦手だ。プロットなるものを組み立てたこともない。頭の中でうごめく展開を文章に出来る目処がたてば、一気に書いてしまう。
一気に書くと言ったが、他の物書きさんが平然と一万文字をサラサラ書くらしいのと比較すればショボい。頭の中でまとまるのは千文字から三千文字ほど。それぐらいあれば、短編の起承転結ができるかな。
おそらく、エッセイの方が向いているのかもしれない。そういう自分の文章の癖を踏まえて、短文をつなぐ形で中編ぐらいの話を二~三本書いた。
それも、閉じたブログに書いてあったので、「作品」としてアップした。
さてそのブログの中に、数年前にプロットになりそうなメモを残してあった。プロットは組めないが、そのメモから妄想が頭の中で広がった。
全体の流れも頭の中でなんとなく出来てきた。
数年ぶりに、中編になりそうな新作のお話を書き始めた。更新している間、脳内物質が出ている感じだった。あの高揚感は何だろね?
何せプロットなんて頭の中にしかない。スタートしたからにはゴールしたかった。途中で書くのをやめてしまうのは避けたくて、早く早く、頭から逃げないうちにアウトプット、アウトプット。見えない何かに追いまくられているような感覚で書いていた。
そんでもって、「終わり」までたどりついて。完結すると、少し読まれるという現象がある。「完結ブースト」っていうんだって。
そのブーストも終わった時、むくむくと「もっと読まれたい欲求」が湧いてきた。
それで、あんなに嫌がっていた「なろう」に載せてみようと思ったわけだ。
R18なので「なろう」の子サイトで連載を始めたのだが、アカウント自体は本サイトと共通だった。読んだ作品に評価やポイントも付けることができる。
で、「なろうの子サイト」で連載始めたら、噂通り、読んでくれる人が多いのには驚いた。なろうへのアクセスが半端ないというのは体感した。無名の話にも宣伝なくても、ちょくちょく読まれるのだから。
私はどうも頭の回転が鈍いところがある。しばらくして、ふと気が付いた。サークル用に出した作品は、サークル主催者の垢で出しているから、評価しようとすれば評価できてしまう状態じゃね?
これって複垢状態なのだろうか? 最初、その考えが心に浮かんだ時、あまり重大なこととは考えていなかった。しかし、複垢で垢バンされるケースを見聞きするごとに、自分のアカウントとサークルのアカウントのことが徐々に大きく心の中を占めていった。
サークルはすでに長い期間稼働している。その垢がペナルティがいかない保証はない。私は「なろう」の運営方針がかなり厳しいものであると認識しつつあったので、不安が加速度をつけて増していった。
自分が作ったアカウントはたかだか三か月弱、公開した作品も子サイトに一つのみ。やはり、自分が退会するのがいいと思った。なろうに作品を投稿して、読んでもらえたことは嬉しかった。
しかし、サークルを運営するアカウントに、別名義で自分の作品が掲載されている状態は、やはり解消すべきだ。そういうわけで、なろうを一旦退会した。
再登録する日は来るのかな?ちょっとわからないなぁ。
それにつけても、人間、言い訳は長くなるようだ。いつもなら二千字も書けば息切れするけれど、長くなっているなぁ(自分にしては、だけど)
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