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2020年02月
私は本を読んできたのか? 読んでいないのか? を検証してみる
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子供の時、図書館によく連れていってもらって、いわゆるアンデルセン系の童話を読み漁っていた。
今考えると「テンプレ」といわれるものだ。ほとんどが不遇なヒロインが王子様と結ばれて、幸せになったという話。そればっか読んでいたような気がしていたのだけれど。
中学生になって読書禁止令が出てw、小説の類から離れたところで生活していたと思っていたのだけれど。ブログで読んだ本の話取り上げてみたら、思っていた以上に読んでいるのだろうか?という疑問が持ち上がってきたのだ。
村上春樹さんは苦手だったはずなのに「1Q84」は読んでいて。
渡辺淳一さんも読んでいる。三浦綾子さんも読んでいる。赤川次郎さんは、お話の内容全く記憶に残らないスピードで読んでいる。
アガサクリスティの推理物はほぼ全部持っていて、インコに本がかじられたことも大きいが、擦り切れてボロボロになったので捨てるまで何十回も読んだ。
あるぇ? 私って、まったく読んでないわけでもないのかな?とややびっくりしているのだ。
最近、妙に気にかかっていたのは、小学生の頃、アンデルセン童話系以外で読んだ話。いきなり、思い出したのだが(笑)。
タイトルがでてこなくて、ツイッターできいてしまったが、さすがに若い世代が多く、わからない。ちょうど母親に電話したら、下村湖人の「次郎物語」でないか? という。あっ、それだと思った。
一番印象に残っていたシーンは青空文庫に収録されていた。今の世代には理解できないようなエピソードかもしれない。
思わせぶりなのも何なので、紹介すると、教育に厳しい母ちゃんが長男と次男を生んだ。「跡取り」の長男は、まだ可愛がられたが、次男の次郎(名前からしてテキトーw 昔は子供が多かったのでけっこういいかげんな名前が実際付けられることが多かった)は母ちゃんと全く相性が悪かった。でも次郎は内心母ちゃんの愛に餓えていた。
その母ちゃんが結核病になった。当時は伝染性がある不治の病と言われていた。その母ちゃんを元気付けたくて次郎は小遣いを握りしめて当時珍しかった「牛肉」を買いに行った。牛肉を買うのも恥ずかしいし、小遣いで買える肉を天秤から除かれて、買えたのはほんのちょっぴり。みそぼらしいほどちょびっとになった牛肉を竹の皮に包んでもらって、懐に大事にかかえて遠い道のりを帰宅した。
病床の母ちゃんに、ほんのちょっぴりの牛肉を差し出した時、母ちゃんは次郎の気持ちを心から喜んで、牛肉を受け取った。
次郎と母ちゃんの気持が、通じたシーンだった。
実の親子で愛情がすれ違うのが悲しくて、牛肉のシーンだけ何度も読んだものだ。
その後、母ちゃんは死んでしまうのだが、死ぬ前に次郎も愛せるようになったのが、私にはとても印象的だった。
他に「路傍の石」。この内容はまったく思い出せないが、とにかくタイトルがショッキングなやつだ。「道端に転がっている石」のような人生って、むなしい。それがタイトルなんだから、むなしすぎるとしか言いようがない。
山崎豊子さんも二冊ほど読んでいるはず。遠藤周作さんのエッセイは好き。星新一さんの短編集も読んでいる。
それでも、本好きといわれる人の読書量からみたら、まったく少ないのは確かなのだ。すごい読書量の人間、身近で知っているものだから。
妹だ。いっしょに子供の時、図書館に通っていた。二人とも本が好きだったが、妹は小学生のうちに児童書コーナーを離れ、本を読み漁っていた。
当時、お姫様と王子様の安定のテンプレ童話ばかり読んでいた私は、妹が小難しい本選びがさっぱり理解できなかった。
そんな本好きだけど、本好きの質が違う二人に中学生になって読書禁止令がくだった。
そこから私と妹は、更に違っていった。私は親の言いつけを守った。教科書、参考書以外の本を高校時代までほぼ読まなくなった。
一方、妹は読み続けた。本好きな父が山ほど本を購入して本棚は溢れかえっていたので、そこから一冊拝借したところで親は気が付かない。その本を学習机の下に横に広い引き出しに入れて、妹は素知らぬ顔で読んでいた。
親が勉強しているか覗く時にさっと引き出しを閉めていたのだ。同じ部屋にいたけれど、しばらく妹がそんなことやっているのも気が付かなかった。知った時は、正直、驚いた。
親に言いつけたかもしれない、妹とその後かなり険悪な雰囲気になった記憶があるから、たぶん、私は親に言いつけたのだと思う。
しかし、妹は読書をやめなかった。
今思うのは、妹こそ本好きだということだ。圧倒的な読書量だったのは間違いない。
そんなほんとの本好きを知っているから、私の読書量が足りないことを知っている。でも、上を見ればきりがない。自分も読んでいないという認識は変わりないけれど、全然読んでいないわけではないのだな、と今更感じている。
私の読み方は話の展開を追うすごく雑、かつ読み終わるまで寝食を無視する破滅的なスタイルだ。ほんとにやっかいな読み方の人間である。
ちなみに書く時に大きく影響していると感じる。書く文章が雑なのだ。展開で楽しませたいタイプの書き方なのだ。表現で深く悩まない。それより次の展開を書きたい。結末は自分の中にあっても、結末まで書いている間、展開をどうするか。展開させるための文章の構築を頭の中でこねている時間が苦しくて楽しい。
読書のスタイルに影響をもろ受けていると言わざるを得ない。
ちなみに、本好きの妹は図書館司書とかいう資格を持っているはず。本も相変わらず好きなようだ。ただし、創作をしているという話はきかない。秘密でやっているかどうかは知らない(笑)
今考えると「テンプレ」といわれるものだ。ほとんどが不遇なヒロインが王子様と結ばれて、幸せになったという話。そればっか読んでいたような気がしていたのだけれど。
中学生になって読書禁止令が出てw、小説の類から離れたところで生活していたと思っていたのだけれど。ブログで読んだ本の話取り上げてみたら、思っていた以上に読んでいるのだろうか?という疑問が持ち上がってきたのだ。
村上春樹さんは苦手だったはずなのに「1Q84」は読んでいて。
渡辺淳一さんも読んでいる。三浦綾子さんも読んでいる。赤川次郎さんは、お話の内容全く記憶に残らないスピードで読んでいる。
アガサクリスティの推理物はほぼ全部持っていて、インコに本がかじられたことも大きいが、擦り切れてボロボロになったので捨てるまで何十回も読んだ。
あるぇ? 私って、まったく読んでないわけでもないのかな?とややびっくりしているのだ。
最近、妙に気にかかっていたのは、小学生の頃、アンデルセン童話系以外で読んだ話。いきなり、思い出したのだが(笑)。
タイトルがでてこなくて、ツイッターできいてしまったが、さすがに若い世代が多く、わからない。ちょうど母親に電話したら、下村湖人の「次郎物語」でないか? という。あっ、それだと思った。
一番印象に残っていたシーンは青空文庫に収録されていた。今の世代には理解できないようなエピソードかもしれない。
思わせぶりなのも何なので、紹介すると、教育に厳しい母ちゃんが長男と次男を生んだ。「跡取り」の長男は、まだ可愛がられたが、次男の次郎(名前からしてテキトーw 昔は子供が多かったのでけっこういいかげんな名前が実際付けられることが多かった)は母ちゃんと全く相性が悪かった。でも次郎は内心母ちゃんの愛に餓えていた。
その母ちゃんが結核病になった。当時は伝染性がある不治の病と言われていた。その母ちゃんを元気付けたくて次郎は小遣いを握りしめて当時珍しかった「牛肉」を買いに行った。牛肉を買うのも恥ずかしいし、小遣いで買える肉を天秤から除かれて、買えたのはほんのちょっぴり。みそぼらしいほどちょびっとになった牛肉を竹の皮に包んでもらって、懐に大事にかかえて遠い道のりを帰宅した。
病床の母ちゃんに、ほんのちょっぴりの牛肉を差し出した時、母ちゃんは次郎の気持ちを心から喜んで、牛肉を受け取った。
次郎と母ちゃんの気持が、通じたシーンだった。
実の親子で愛情がすれ違うのが悲しくて、牛肉のシーンだけ何度も読んだものだ。
その後、母ちゃんは死んでしまうのだが、死ぬ前に次郎も愛せるようになったのが、私にはとても印象的だった。
他に「路傍の石」。この内容はまったく思い出せないが、とにかくタイトルがショッキングなやつだ。「道端に転がっている石」のような人生って、むなしい。それがタイトルなんだから、むなしすぎるとしか言いようがない。
山崎豊子さんも二冊ほど読んでいるはず。遠藤周作さんのエッセイは好き。星新一さんの短編集も読んでいる。
それでも、本好きといわれる人の読書量からみたら、まったく少ないのは確かなのだ。すごい読書量の人間、身近で知っているものだから。
妹だ。いっしょに子供の時、図書館に通っていた。二人とも本が好きだったが、妹は小学生のうちに児童書コーナーを離れ、本を読み漁っていた。
当時、お姫様と王子様の安定のテンプレ童話ばかり読んでいた私は、妹が小難しい本選びがさっぱり理解できなかった。
そんな本好きだけど、本好きの質が違う二人に中学生になって読書禁止令がくだった。
そこから私と妹は、更に違っていった。私は親の言いつけを守った。教科書、参考書以外の本を高校時代までほぼ読まなくなった。
一方、妹は読み続けた。本好きな父が山ほど本を購入して本棚は溢れかえっていたので、そこから一冊拝借したところで親は気が付かない。その本を学習机の下に横に広い引き出しに入れて、妹は素知らぬ顔で読んでいた。
親が勉強しているか覗く時にさっと引き出しを閉めていたのだ。同じ部屋にいたけれど、しばらく妹がそんなことやっているのも気が付かなかった。知った時は、正直、驚いた。
親に言いつけたかもしれない、妹とその後かなり険悪な雰囲気になった記憶があるから、たぶん、私は親に言いつけたのだと思う。
しかし、妹は読書をやめなかった。
今思うのは、妹こそ本好きだということだ。圧倒的な読書量だったのは間違いない。
そんなほんとの本好きを知っているから、私の読書量が足りないことを知っている。でも、上を見ればきりがない。自分も読んでいないという認識は変わりないけれど、全然読んでいないわけではないのだな、と今更感じている。
私の読み方は話の展開を追うすごく雑、かつ読み終わるまで寝食を無視する破滅的なスタイルだ。ほんとにやっかいな読み方の人間である。
ちなみに書く時に大きく影響していると感じる。書く文章が雑なのだ。展開で楽しませたいタイプの書き方なのだ。表現で深く悩まない。それより次の展開を書きたい。結末は自分の中にあっても、結末まで書いている間、展開をどうするか。展開させるための文章の構築を頭の中でこねている時間が苦しくて楽しい。
読書のスタイルに影響をもろ受けていると言わざるを得ない。
ちなみに、本好きの妹は図書館司書とかいう資格を持っているはず。本も相変わらず好きなようだ。ただし、創作をしているという話はきかない。秘密でやっているかどうかは知らない(笑)
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