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第14章
世話焼きお節介インコ
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飼い主のマリカさんと彼氏のコウヘイさんは、いつしかこの部屋で同棲を始めていた。私はコウヘイさんとすっかり仲良しになっていた。
初対面で私が彼を怖がらなかったのが、好印象だったのだろうな。マリカさんが外出して暇な時は、コウヘイさんが私を肩にのせて、よく独り言をつぶやいていた。
元人間なので話の内容がわかりだけに、私はマリカさんよりコウヘイさんのことに詳しくなったと思う。この事実に彼が気づいたら、きっと恥ずかしくて家出しちゃうかもしれないねぇ。そういう性格だってことよ(お見通し)、ぬふふふ。
インコ軍団はと言うと、一度巣引きしたグリ子は一皮むけて「やや」丸くなった。ゆえに、全く丸くならない私が実質軍団のリーダー格になっている。
グリ子とハル男夫婦は形式上夫婦の形は保っていたいたが、根が浮気癖のあるハル男が、これまた不倫体質のオカメのグレ子といちゃついて、グリ子がそのたびに激怒していた。
私が思うに、一度巣引きして達成感を味わったセキセイ夫婦は、今や仮面夫婦といっていいだろう。
グリ子とハル男の子供のつぎ男は私の弟子として腰ぎんちゃく状態だ。弟子体質のつぎ男に次世代のリーダーを任せるのはあまりにも心許ない。
私が目を光らせて、狭いとはいえインコ社会の安定と平和と秩序を保つ役目を担っている自負はあった。そしてその自負があったから、自分の後を継ぐリーダーは、いち子だと考えていた。
私もいつまでも若いインコと張り合っていられるわけではない。引き際を見据えて、飼われインコなりにこの小さな空間の中の平和と未来を考えていた。
おそらく、未来を考えるのは元人間の名残かもしれないけれど……。そんなことを考えながら、私は幸せなインコだなと思った。不満ばっかり感じていた人間だった時を思うと、私も随分おとなになったものだ……。
穏やかに日々が過ぎていると思っていたある日。
マリカさんが外出してコウヘイさんが留守番をしていたときのことだ。コウヘイさんが、私をかごから出した。どうしたのかな?と思う。いつものように肩にのせることはしないで、私を乗せた指を、コウヘイさんの顔の正面でとめた。
真正面でコウヘイさんが見つめるので、何事よ? とばかり視線を合わせる。一瞬、コウヘイさんの目が泳いだ。何をしているんだ?
と。いきなり素っ頓狂な声を上げると
「けっ、けっ、けぇ~~~っ ゲヘッゴホッゲヘゴホッ」
激しくコウヘイさんは咳き込んだ。大丈夫? 私はコウヘイさんを凝視した。私の目力が強くなったのを感じたのかどうか知らないが、コウヘイさんの顔がみるみると青くなって、汗がタラタラ流れてきた。
ちょっと! 大丈夫かよ? 私が心配しているというのに、こちらの気遣いに全く気が付かないコウヘイさんは真っ青な顔のまま、再び絶叫し始めた。
「けっ、けっ、けっこん‼」
何? 何だって⁉
「けっこん! けっこん……ゲヘゴホ、して、ゲヘッくださいっ!」
コウヘイさんはさんは、私を凝視したまま一気に声を吐き出した。そして、とたんにガックリ肩を落とし、顔をふせてしまった。
けっこん……もしかしてプロポーズ? いやぁねぇ、私はインコよ、あなたと結婚できるわけないじゃない。道ならぬ道をいく覚悟はあるの?……なんてな、そんなわけないじゃん。
私相手にプロポーズの練習ってわけね。ようやくその気になったのね、つきあいだして長いものね。そうか、遂にね…。おめでとう!
しかしコウヘイさんは、ちっともおめでたそうな表情ではない。私は、コウヘイさんの肩に飛び移った。
「駄目だっ、言えないっ!」
「でも 怖がっていたら 前に進めないだろ……」
コウヘイさんは独り言を言うと、う~~~んとうなって、頭を抱え込んでしまった。
私にも、嫌な考えが頭をもたげてきた。マリカさんとコウヘイさんのカップル、お互いの気持ち確かめるのにも、こちらが呆れるほど時間がかかっていたんだよな。
で。今回のこの状態を照らし合わせると。つまり、実際のプロポーズにたどり着くまで、一体どれだけの時間を費やすことになるんだろう? 考えるだけでめまいがしてきた。
コウヘイさんと肩の上の私のまわりの空気は、おめでたい話とはほど遠くドヨドヨとよどんできた。
案の定、コウヘイさんはプロポーズが出来ないまま、マリカさんの留守中にプロポーズの練習を繰り返す日々が始まった。
練習しては「やっぱり駄目だっ!」と絶望する、繰り返しはいつ果てるともなく続いたのだった。
私は弟子のつぎ男を呼ぶと頭を下げた。
「実は頼みたいことがある。厳しい訓練を積む作戦だが、引き受けて欲しい、頼む」
ボスの私が頭を下げると、つぎ男は興奮してうなづいた。
「勿論! ボスの頼みを断るわけにはいかないよ!」
興奮してつぎ男の頭の毛が逆立っていた。
そこから私とつぎ男のそれはそれは厳しい訓練が始まった。私も頑張ったし、つぎ男もよくついてきたと思う。
マリカさんもコウヘイさんもいない時間、私はいち子とつぎ男のかごに侵入すると、つぎ男にびっちり指導した。
また放鳥時間になると、つぎ男を引きつれてコウヘイさんの肩に二羽でべったりのっかって過ごした。コウヘイさんの肩にいることが、作戦決行のための訓練上必要不可欠だったからだ。
そして、その時はきた。
放鳥時間、私とつぎ男はいつものようにコウヘイさんの肩に陣取った。コウヘイさんがマリカさんに話し掛けた。
「最近、りょうちゃんといっしょにつぎ男も肩にのってくれるようになったんだよな、どうしたのかな?」
「カップルになったのかな? 色恋沙汰がまったくなかったりょうちゃんにも、とうとう春がきたのかな?」
マリカさんが頭をかしげてニコッと微笑んだ。彼女のボケっぷりに脱力しそうになる。
「春……」
ボソリと彼氏さんがつぶやいた、その口調で脱力していた私に一瞬で緊張がはしった。サッと顔を上げると、ちょうど目の前にあったコウヘイさんの喉ぼとけが、ゴクリと鳴った。もしかして、その時が来たということか?
私はつぎ男に視線を送った。(スタンバイして!)(了解!)
「春といえば、さ」
「うん?」
マリカさんがコウヘイさんに顔を向けた。途端にコウヘイさんは視線をそらした。ちっ! やっぱり心配した通りだよ! (作戦決行だよ) (了解!)
「春といえば、花見…花見だ」
「う、うん? それで?」
「それでって……えっと……僕の故郷は、桜の名所なんだ」
「うん、そうだね」
微妙にちぐはぐした空気が二人の間をただよい始めた。私はつぎ男にゴーサインを出した。小さくうなずき一呼吸置いて
「ケッコンシテクレ、シテクレ、ケッコン」
つぎ男はコウヘイさんの声をそっくりまねて、壊れたおもちゃのように繰り返した。つぎ男の突然のおしゃべりに二人はびっくりして、つぎ男を見た。
「プロポーズイツカナ、イツカナ、イツカナ」
畳み掛けるように私はマリカさんにそっくりの声で叫んだ。彼女が、何度何度も口にしていたつぶやきだった。
「え?」
「これって…」
あまりのことに二人は言葉もなく、お互いを見つめた。私とつぎ男は壊れた時計のように、ケッコンとプロポーズを繰り返しわめき続けた。
扉は開けたよ。あとはあなた達が歩きだすだけだ。二人の沈黙がどれくらい続いただろうか。先に口を開いたのはコウヘイさんだった。
「ほんとに?」
「え……?」
「プロ……プロポーズ待っていてくれてたの?」
マリカさんは、顔を真っ赤にして俯いた。
「結婚……してくれる?」
コウヘイさんの声は緊張で上ずっていた。マリカさんが俯いたまま小さく頷いた。
つぎ男は、コウヘイさんの肩からかごの上に飛び移った。私は、飛べないからワシワシと降りていくしかない。するとマリカさんがそっと指を差しだし、私をかごの上に移動させてくれた。
ありがと。マリカさん。あとは二人で勝手に盛り上ってくれ。
「あなた達 わかっていたの?」
マリカさんがつぶやいたが、つぎ男にはこの作戦の意味なんかわかっていなかったし、私も何のことよとばかり猛烈な勢いで頭をカキカキしフケを散らかし、すっとぼけた。
コウヘイさんがマリカさんの肩をそっと抱いた。二人は、夢か幻でも見てるように私達インコを見つめて、いつまでもたたずんでいた。
しばらくして二人の結婚が正式に決まった。
(つづく)
初対面で私が彼を怖がらなかったのが、好印象だったのだろうな。マリカさんが外出して暇な時は、コウヘイさんが私を肩にのせて、よく独り言をつぶやいていた。
元人間なので話の内容がわかりだけに、私はマリカさんよりコウヘイさんのことに詳しくなったと思う。この事実に彼が気づいたら、きっと恥ずかしくて家出しちゃうかもしれないねぇ。そういう性格だってことよ(お見通し)、ぬふふふ。
インコ軍団はと言うと、一度巣引きしたグリ子は一皮むけて「やや」丸くなった。ゆえに、全く丸くならない私が実質軍団のリーダー格になっている。
グリ子とハル男夫婦は形式上夫婦の形は保っていたいたが、根が浮気癖のあるハル男が、これまた不倫体質のオカメのグレ子といちゃついて、グリ子がそのたびに激怒していた。
私が思うに、一度巣引きして達成感を味わったセキセイ夫婦は、今や仮面夫婦といっていいだろう。
グリ子とハル男の子供のつぎ男は私の弟子として腰ぎんちゃく状態だ。弟子体質のつぎ男に次世代のリーダーを任せるのはあまりにも心許ない。
私が目を光らせて、狭いとはいえインコ社会の安定と平和と秩序を保つ役目を担っている自負はあった。そしてその自負があったから、自分の後を継ぐリーダーは、いち子だと考えていた。
私もいつまでも若いインコと張り合っていられるわけではない。引き際を見据えて、飼われインコなりにこの小さな空間の中の平和と未来を考えていた。
おそらく、未来を考えるのは元人間の名残かもしれないけれど……。そんなことを考えながら、私は幸せなインコだなと思った。不満ばっかり感じていた人間だった時を思うと、私も随分おとなになったものだ……。
穏やかに日々が過ぎていると思っていたある日。
マリカさんが外出してコウヘイさんが留守番をしていたときのことだ。コウヘイさんが、私をかごから出した。どうしたのかな?と思う。いつものように肩にのせることはしないで、私を乗せた指を、コウヘイさんの顔の正面でとめた。
真正面でコウヘイさんが見つめるので、何事よ? とばかり視線を合わせる。一瞬、コウヘイさんの目が泳いだ。何をしているんだ?
と。いきなり素っ頓狂な声を上げると
「けっ、けっ、けぇ~~~っ ゲヘッゴホッゲヘゴホッ」
激しくコウヘイさんは咳き込んだ。大丈夫? 私はコウヘイさんを凝視した。私の目力が強くなったのを感じたのかどうか知らないが、コウヘイさんの顔がみるみると青くなって、汗がタラタラ流れてきた。
ちょっと! 大丈夫かよ? 私が心配しているというのに、こちらの気遣いに全く気が付かないコウヘイさんは真っ青な顔のまま、再び絶叫し始めた。
「けっ、けっ、けっこん‼」
何? 何だって⁉
「けっこん! けっこん……ゲヘゴホ、して、ゲヘッくださいっ!」
コウヘイさんはさんは、私を凝視したまま一気に声を吐き出した。そして、とたんにガックリ肩を落とし、顔をふせてしまった。
けっこん……もしかしてプロポーズ? いやぁねぇ、私はインコよ、あなたと結婚できるわけないじゃない。道ならぬ道をいく覚悟はあるの?……なんてな、そんなわけないじゃん。
私相手にプロポーズの練習ってわけね。ようやくその気になったのね、つきあいだして長いものね。そうか、遂にね…。おめでとう!
しかしコウヘイさんは、ちっともおめでたそうな表情ではない。私は、コウヘイさんの肩に飛び移った。
「駄目だっ、言えないっ!」
「でも 怖がっていたら 前に進めないだろ……」
コウヘイさんは独り言を言うと、う~~~んとうなって、頭を抱え込んでしまった。
私にも、嫌な考えが頭をもたげてきた。マリカさんとコウヘイさんのカップル、お互いの気持ち確かめるのにも、こちらが呆れるほど時間がかかっていたんだよな。
で。今回のこの状態を照らし合わせると。つまり、実際のプロポーズにたどり着くまで、一体どれだけの時間を費やすことになるんだろう? 考えるだけでめまいがしてきた。
コウヘイさんと肩の上の私のまわりの空気は、おめでたい話とはほど遠くドヨドヨとよどんできた。
案の定、コウヘイさんはプロポーズが出来ないまま、マリカさんの留守中にプロポーズの練習を繰り返す日々が始まった。
練習しては「やっぱり駄目だっ!」と絶望する、繰り返しはいつ果てるともなく続いたのだった。
私は弟子のつぎ男を呼ぶと頭を下げた。
「実は頼みたいことがある。厳しい訓練を積む作戦だが、引き受けて欲しい、頼む」
ボスの私が頭を下げると、つぎ男は興奮してうなづいた。
「勿論! ボスの頼みを断るわけにはいかないよ!」
興奮してつぎ男の頭の毛が逆立っていた。
そこから私とつぎ男のそれはそれは厳しい訓練が始まった。私も頑張ったし、つぎ男もよくついてきたと思う。
マリカさんもコウヘイさんもいない時間、私はいち子とつぎ男のかごに侵入すると、つぎ男にびっちり指導した。
また放鳥時間になると、つぎ男を引きつれてコウヘイさんの肩に二羽でべったりのっかって過ごした。コウヘイさんの肩にいることが、作戦決行のための訓練上必要不可欠だったからだ。
そして、その時はきた。
放鳥時間、私とつぎ男はいつものようにコウヘイさんの肩に陣取った。コウヘイさんがマリカさんに話し掛けた。
「最近、りょうちゃんといっしょにつぎ男も肩にのってくれるようになったんだよな、どうしたのかな?」
「カップルになったのかな? 色恋沙汰がまったくなかったりょうちゃんにも、とうとう春がきたのかな?」
マリカさんが頭をかしげてニコッと微笑んだ。彼女のボケっぷりに脱力しそうになる。
「春……」
ボソリと彼氏さんがつぶやいた、その口調で脱力していた私に一瞬で緊張がはしった。サッと顔を上げると、ちょうど目の前にあったコウヘイさんの喉ぼとけが、ゴクリと鳴った。もしかして、その時が来たということか?
私はつぎ男に視線を送った。(スタンバイして!)(了解!)
「春といえば、さ」
「うん?」
マリカさんがコウヘイさんに顔を向けた。途端にコウヘイさんは視線をそらした。ちっ! やっぱり心配した通りだよ! (作戦決行だよ) (了解!)
「春といえば、花見…花見だ」
「う、うん? それで?」
「それでって……えっと……僕の故郷は、桜の名所なんだ」
「うん、そうだね」
微妙にちぐはぐした空気が二人の間をただよい始めた。私はつぎ男にゴーサインを出した。小さくうなずき一呼吸置いて
「ケッコンシテクレ、シテクレ、ケッコン」
つぎ男はコウヘイさんの声をそっくりまねて、壊れたおもちゃのように繰り返した。つぎ男の突然のおしゃべりに二人はびっくりして、つぎ男を見た。
「プロポーズイツカナ、イツカナ、イツカナ」
畳み掛けるように私はマリカさんにそっくりの声で叫んだ。彼女が、何度何度も口にしていたつぶやきだった。
「え?」
「これって…」
あまりのことに二人は言葉もなく、お互いを見つめた。私とつぎ男は壊れた時計のように、ケッコンとプロポーズを繰り返しわめき続けた。
扉は開けたよ。あとはあなた達が歩きだすだけだ。二人の沈黙がどれくらい続いただろうか。先に口を開いたのはコウヘイさんだった。
「ほんとに?」
「え……?」
「プロ……プロポーズ待っていてくれてたの?」
マリカさんは、顔を真っ赤にして俯いた。
「結婚……してくれる?」
コウヘイさんの声は緊張で上ずっていた。マリカさんが俯いたまま小さく頷いた。
つぎ男は、コウヘイさんの肩からかごの上に飛び移った。私は、飛べないからワシワシと降りていくしかない。するとマリカさんがそっと指を差しだし、私をかごの上に移動させてくれた。
ありがと。マリカさん。あとは二人で勝手に盛り上ってくれ。
「あなた達 わかっていたの?」
マリカさんがつぶやいたが、つぎ男にはこの作戦の意味なんかわかっていなかったし、私も何のことよとばかり猛烈な勢いで頭をカキカキしフケを散らかし、すっとぼけた。
コウヘイさんがマリカさんの肩をそっと抱いた。二人は、夢か幻でも見てるように私達インコを見つめて、いつまでもたたずんでいた。
しばらくして二人の結婚が正式に決まった。
(つづく)
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