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告白と懺悔
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「おじさん……悟志おじさん……」
優心は悟志に駆け寄った。その瞳から涙がこぼれる。
「どうして……優心ちゃんは泣いているんだい? そんな顔をして美人が台無しだ」
こんな時でも悟志はうっすら笑っていた。
「だって……おじさんが死んじゃう」
悟志の鬼の身体が崩れ、元の人間だった時の姿に戻る。腹部には深い傷ができていた。
さっきまでの戦闘の轟音が嘘のように郷土資料館は静まり返っていた。
星河は倒れている知恵と玲子の様子を確認した、息はあったし見たところ大きな傷はなかった。
「仮にミサイルを受けたとしても、瞬く間に傷が再生するんだけど、屍鬼切りから受けた傷は治らないんだよ」
「どうして……おじさんがこんな目に」
「自業自得というやつだよ」
目をつむりつぶやくように悟志はそう言った。
「悟志さん、貴方はあの一瞬やっぱり優心を殺せなかったんじゃないですか?」
「想像にお任せするよ。ただ優心ちゃんは良い娘だ……誰しもがその強さと美しさに惹かれる。俺もそうだった」
「おじさん……やっぱり死んじゃ嫌だよ」
「もう……どうしようもないんだ……心に邪心があるとね鬼になってしまうんだよ。あの水を飲んだ時、俺はひたすら死ぬのが怖かった」
悟志の口の端から血が零れる。切られた腹部からも止めどなく出血していた。
「誰だって、死ぬのは怖いよ」
優心の声は微かに震えていた。
「あの時、邦夫の後を付けて行って俺は洞窟を見つけた。邦夫は俺が水をさらに飲もうとするのを止めた。これ以上水を飲んだら鬼になってしまうとね、その時奴の言い分を聞いておけば良かった。でも俺はそうしなかった。屍鬼切りを持っていなかった邦夫を殺すのは簡単なことだった。その時、すでに俺は半人半鬼だったからね」
「友達……だったんですよね?」
星河がそう尋ねる。首を少し起こして悟志は答えた。
「そうだ……掛け替えのない友人だった。奴を殺した時に俺は本当に鬼になったんだ。そうして洞窟の奥へ行き川の水を飲んだ、それもしこたま、するともうどんな鎮痛剤も効かなかった癌の痛みがみるみるうちに消えた。でも本当の地獄はそこからだった」
――人肉食に対する衝動を抑えていたんでありんすね。あんたさんからは血の臭いがあまりしない。
「屍鬼切りちゃん、それって?」
涙に赤くなった瞳で優心は悟志を見た。
「五年耐えた。でもあの高校生達からリンチを受けた時、耐えられなかった。俺の中の鬼が完全に目覚めてしまった。そうして一度血を飲んだらもう乾きに抗えなくなっていた」
「おじさん、よく頑張ったね」
「よく……頑張った?」
悟志はキョトンとした顔をした。
「ちょっと負けちゃったけど、ずっと我慢してたんだよね。鬼になってからずっと、殺された人は……たぶんおじさんを許してはくれないだろうけど、あたしはおじさんが頑張ったんだって思ってる」
「そんな風に……考えたこと……なかったなぁ、ずっと後悔ばっかりだったからね」
悟志は目を閉じひとつ大きなため息をついた。
「おじさん、あたしたちその洞窟に行って不死の水を取りに行かなきゃいけないの、おじさんは洞窟への行き方を知っているんでしょ?」
「知っているよ……けどあの水は決して良い物じゃない、その水を飲む優心ちゃんの友達に邪心は無いんだね?」
「そんなものは無いわ、それだけは自信を持って言える、彼女……活美はあたしの半身だから」
うん、うんと言いながら悟志はゆっくりと頷いた。
「これを持っていきなさい」
悟志が取り出したのはゴルフボールくらいの大きさの石だった、石の様にも見えて宝石の様に光が揺らぐ見たことの無い質感のその石には見慣れぬマークが刻まれている。
「石に刻んであるのは無貌の邪神の印だ、かの神の力で幻夢境にある三途の川を召喚するんだ。この石を山の方の夜見山神社の社の中に置いて、日付が変わる頃、社の裏の入らずの森へ行きなさい」
「そうすれば洞窟へ行けるの?」
悟志はゆっくりと首肯する。
「ただ、下流の水はほとんど枯れてしまった。上流へ行けばまだ少し残っているかもしれない。屍鬼切りを忘れずに持っていくんだ。危険な生物から君たちを守ってくれる」
また悟志がため息をつく、そのたびに命が零れ落ちているように感じた。
「知恵ちゃんと玲子刑事の二人は急所を外してある。そのうち目を覚ますだろう……そうしたら特に知恵ちゃんに俺が謝っていたと伝えておいてくれ、彼女は邦夫を本当に尊敬していたから」
「うん、うん」
優心の目からもまた涙がこぼれた。彼女が泣くのを見て悟志は少しだけ優しい笑みを浮かべた。まだ自分のために泣いてくれる人がいることに悟志は驚きだったのだろう。
「あんなに死ぬのが怖かったのに、いざ実際に死ぬときはこんなにも穏やかな気持ちになるんだな」
「あたし、おじさんの事忘れない、ずっと……覚えておく」
「ありがとう優心ちゃん、君は本当に優しい娘だ。星河君、優心ちゃん俺を止めてくれて本当にありがとう、最後の瞬間、君たちに見送られて本望だった」
悟志の目からも溢れ出す涙が零れ落ちた。
「ああ……見えてきた……これが……死か、そうか……そうだったんだ」
悟志の輪郭が一瞬ぼやける。すると身体の末端から塵のように崩れ出した。
風が吹くとそれに乗って身体が塵になり霧散していく、最後に塵の一山を残して全て消えてしまった。その塵の山もどんどん小さくなっていく。
「おじさん……ばいばい……」
優心がつぶやき星河も手を合わせて悟志の冥福を祈った。
「終わったんですね」
気が付けば知恵と玲子が二人のそばに立っていた。
「大したものね、あの食屍鬼を本当に討伐するなんて」
「屍鬼切りがあったからですよ。あと知恵さんからもらった銀の弾丸、あれを優心が使ったから何とか勝てたんです」
「そう……」
知恵と玲子が消えていく塵の山を一瞥する。ついで優心を見て少しやるせない表情をうかべた。
「洞窟への道は開けましたか?」
「うん……おじさんがこれを」
優心がご神体の石を見せる。
「間違えないです。これは例の洞窟へのキーとなる石ですね。もし水を持ち帰ってこれたら、これはわたくしが預かります。それまでは屍鬼切りと共に星河君と優心ちゃんが持っていてください」
「良いんですか? また新たな鬼を作ってしまうかもしれないのに」
「貴方達を見ていればわかります。貴方達の親友に邪心があるとは思えません」
「ありがとうございます」
優心がペコリと頭を下げる。星河も深々と頭を下げ感謝の意を表した。
「悟志氏から川の様子は聞きましたか?」
「ええ……下流の水はほとんど枯れてしまったと言っていました」
「やっぱり……五年ほど前に書かれた邦夫さんの日記にすでに下流の水が無くなってきていると書いてありましたから、今はどうなっているか」
知恵はあごに手をやって少し眉根を寄せ、難しい顔をしたあと続けた。
「上流を目指す際はくれぐれも注意をしてください、かの洞窟の中はすでにこの世ではありません、危険なクリーチャーや邪な神の落し子と稀に遭遇することがあるようです。屍鬼切りも折れて万全ではないですから、その力を過信しない様に」
「そうだ……刀を折ってしまって、本当にすみませんでした。屍鬼切りちゃんにも謝らなきゃ」
――気にしないでようござんすよ。折れた刀身と一緒に鞘へ入れておけば、そのうちくっ付くでありんす。
「えっ! そうなの?」
「ええ、刀の形をしていますが屍鬼切り自体が最高クラスの不死の王なのです。折れたり欠けたりしても鞘に納めておけばそのうち治ります」
「ふえ~屍鬼切りちゃんって凄い奴なんだ」
――もっと尊敬してもようござんすよ。優心ちゃん殿はちょっと頭が高いですが、先ほどの活躍に免じて無礼講をゆるしてあげるでありんす。
「ふ……ふふふふふ」
まず優心が笑って、それから皆で笑った。
「もうすぐに洞窟を目指すんですよね?」
「ええ……活美の容態は予断を許さないですから」
「上手くいくことを心から願っております」
と知恵が言い。
「行って、貴方達の親友を助けてあげなさい、後の処理はお姉さんに任せなさい」
「ありがとう玲子さん、じゃああたし達行くね」
立ち去る二人に知恵と玲子はいつまでも手を振っていた。
優心は悟志に駆け寄った。その瞳から涙がこぼれる。
「どうして……優心ちゃんは泣いているんだい? そんな顔をして美人が台無しだ」
こんな時でも悟志はうっすら笑っていた。
「だって……おじさんが死んじゃう」
悟志の鬼の身体が崩れ、元の人間だった時の姿に戻る。腹部には深い傷ができていた。
さっきまでの戦闘の轟音が嘘のように郷土資料館は静まり返っていた。
星河は倒れている知恵と玲子の様子を確認した、息はあったし見たところ大きな傷はなかった。
「仮にミサイルを受けたとしても、瞬く間に傷が再生するんだけど、屍鬼切りから受けた傷は治らないんだよ」
「どうして……おじさんがこんな目に」
「自業自得というやつだよ」
目をつむりつぶやくように悟志はそう言った。
「悟志さん、貴方はあの一瞬やっぱり優心を殺せなかったんじゃないですか?」
「想像にお任せするよ。ただ優心ちゃんは良い娘だ……誰しもがその強さと美しさに惹かれる。俺もそうだった」
「おじさん……やっぱり死んじゃ嫌だよ」
「もう……どうしようもないんだ……心に邪心があるとね鬼になってしまうんだよ。あの水を飲んだ時、俺はひたすら死ぬのが怖かった」
悟志の口の端から血が零れる。切られた腹部からも止めどなく出血していた。
「誰だって、死ぬのは怖いよ」
優心の声は微かに震えていた。
「あの時、邦夫の後を付けて行って俺は洞窟を見つけた。邦夫は俺が水をさらに飲もうとするのを止めた。これ以上水を飲んだら鬼になってしまうとね、その時奴の言い分を聞いておけば良かった。でも俺はそうしなかった。屍鬼切りを持っていなかった邦夫を殺すのは簡単なことだった。その時、すでに俺は半人半鬼だったからね」
「友達……だったんですよね?」
星河がそう尋ねる。首を少し起こして悟志は答えた。
「そうだ……掛け替えのない友人だった。奴を殺した時に俺は本当に鬼になったんだ。そうして洞窟の奥へ行き川の水を飲んだ、それもしこたま、するともうどんな鎮痛剤も効かなかった癌の痛みがみるみるうちに消えた。でも本当の地獄はそこからだった」
――人肉食に対する衝動を抑えていたんでありんすね。あんたさんからは血の臭いがあまりしない。
「屍鬼切りちゃん、それって?」
涙に赤くなった瞳で優心は悟志を見た。
「五年耐えた。でもあの高校生達からリンチを受けた時、耐えられなかった。俺の中の鬼が完全に目覚めてしまった。そうして一度血を飲んだらもう乾きに抗えなくなっていた」
「おじさん、よく頑張ったね」
「よく……頑張った?」
悟志はキョトンとした顔をした。
「ちょっと負けちゃったけど、ずっと我慢してたんだよね。鬼になってからずっと、殺された人は……たぶんおじさんを許してはくれないだろうけど、あたしはおじさんが頑張ったんだって思ってる」
「そんな風に……考えたこと……なかったなぁ、ずっと後悔ばっかりだったからね」
悟志は目を閉じひとつ大きなため息をついた。
「おじさん、あたしたちその洞窟に行って不死の水を取りに行かなきゃいけないの、おじさんは洞窟への行き方を知っているんでしょ?」
「知っているよ……けどあの水は決して良い物じゃない、その水を飲む優心ちゃんの友達に邪心は無いんだね?」
「そんなものは無いわ、それだけは自信を持って言える、彼女……活美はあたしの半身だから」
うん、うんと言いながら悟志はゆっくりと頷いた。
「これを持っていきなさい」
悟志が取り出したのはゴルフボールくらいの大きさの石だった、石の様にも見えて宝石の様に光が揺らぐ見たことの無い質感のその石には見慣れぬマークが刻まれている。
「石に刻んであるのは無貌の邪神の印だ、かの神の力で幻夢境にある三途の川を召喚するんだ。この石を山の方の夜見山神社の社の中に置いて、日付が変わる頃、社の裏の入らずの森へ行きなさい」
「そうすれば洞窟へ行けるの?」
悟志はゆっくりと首肯する。
「ただ、下流の水はほとんど枯れてしまった。上流へ行けばまだ少し残っているかもしれない。屍鬼切りを忘れずに持っていくんだ。危険な生物から君たちを守ってくれる」
また悟志がため息をつく、そのたびに命が零れ落ちているように感じた。
「知恵ちゃんと玲子刑事の二人は急所を外してある。そのうち目を覚ますだろう……そうしたら特に知恵ちゃんに俺が謝っていたと伝えておいてくれ、彼女は邦夫を本当に尊敬していたから」
「うん、うん」
優心の目からもまた涙がこぼれた。彼女が泣くのを見て悟志は少しだけ優しい笑みを浮かべた。まだ自分のために泣いてくれる人がいることに悟志は驚きだったのだろう。
「あんなに死ぬのが怖かったのに、いざ実際に死ぬときはこんなにも穏やかな気持ちになるんだな」
「あたし、おじさんの事忘れない、ずっと……覚えておく」
「ありがとう優心ちゃん、君は本当に優しい娘だ。星河君、優心ちゃん俺を止めてくれて本当にありがとう、最後の瞬間、君たちに見送られて本望だった」
悟志の目からも溢れ出す涙が零れ落ちた。
「ああ……見えてきた……これが……死か、そうか……そうだったんだ」
悟志の輪郭が一瞬ぼやける。すると身体の末端から塵のように崩れ出した。
風が吹くとそれに乗って身体が塵になり霧散していく、最後に塵の一山を残して全て消えてしまった。その塵の山もどんどん小さくなっていく。
「おじさん……ばいばい……」
優心がつぶやき星河も手を合わせて悟志の冥福を祈った。
「終わったんですね」
気が付けば知恵と玲子が二人のそばに立っていた。
「大したものね、あの食屍鬼を本当に討伐するなんて」
「屍鬼切りがあったからですよ。あと知恵さんからもらった銀の弾丸、あれを優心が使ったから何とか勝てたんです」
「そう……」
知恵と玲子が消えていく塵の山を一瞥する。ついで優心を見て少しやるせない表情をうかべた。
「洞窟への道は開けましたか?」
「うん……おじさんがこれを」
優心がご神体の石を見せる。
「間違えないです。これは例の洞窟へのキーとなる石ですね。もし水を持ち帰ってこれたら、これはわたくしが預かります。それまでは屍鬼切りと共に星河君と優心ちゃんが持っていてください」
「良いんですか? また新たな鬼を作ってしまうかもしれないのに」
「貴方達を見ていればわかります。貴方達の親友に邪心があるとは思えません」
「ありがとうございます」
優心がペコリと頭を下げる。星河も深々と頭を下げ感謝の意を表した。
「悟志氏から川の様子は聞きましたか?」
「ええ……下流の水はほとんど枯れてしまったと言っていました」
「やっぱり……五年ほど前に書かれた邦夫さんの日記にすでに下流の水が無くなってきていると書いてありましたから、今はどうなっているか」
知恵はあごに手をやって少し眉根を寄せ、難しい顔をしたあと続けた。
「上流を目指す際はくれぐれも注意をしてください、かの洞窟の中はすでにこの世ではありません、危険なクリーチャーや邪な神の落し子と稀に遭遇することがあるようです。屍鬼切りも折れて万全ではないですから、その力を過信しない様に」
「そうだ……刀を折ってしまって、本当にすみませんでした。屍鬼切りちゃんにも謝らなきゃ」
――気にしないでようござんすよ。折れた刀身と一緒に鞘へ入れておけば、そのうちくっ付くでありんす。
「えっ! そうなの?」
「ええ、刀の形をしていますが屍鬼切り自体が最高クラスの不死の王なのです。折れたり欠けたりしても鞘に納めておけばそのうち治ります」
「ふえ~屍鬼切りちゃんって凄い奴なんだ」
――もっと尊敬してもようござんすよ。優心ちゃん殿はちょっと頭が高いですが、先ほどの活躍に免じて無礼講をゆるしてあげるでありんす。
「ふ……ふふふふふ」
まず優心が笑って、それから皆で笑った。
「もうすぐに洞窟を目指すんですよね?」
「ええ……活美の容態は予断を許さないですから」
「上手くいくことを心から願っております」
と知恵が言い。
「行って、貴方達の親友を助けてあげなさい、後の処理はお姉さんに任せなさい」
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