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本編
甘いものは世界を救う
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ずっとケーキを見ているだけで一向に食べようとしない俺に彼はしびれを切らしたのか口を開いた。
「ほら。見てるだけじゃなくて食べなよ」
「すいません。はしたなくて、、、でも食べるのがもったいなくて。」
彼は何か考える素振りを見せた。そして、彼はスプーンを持ちケーキに手をかけた。
「あーんして」
目の前にいるイケメン宰相様は何を思ったのか生クリームとイチゴがのったスプーンをこちらに向けてきた。
しっかり会って話すのはこれで2回目だが、この男の性格は理解している。彼は人を従わせる力を持っている。だから、宰相と地位までのぼれたのであろう。
よって、俺はこの状況を避けることができないのである。
しかも、相手はあの宰相様である。世の女性を虜にしているイケメン。また、俺にだけ普段見せない表情を見せてくれるのである。
俺はなぜか心臓が締め付けられた気がした。
しかし、まだそれには気づきたくない。。。気づいたらダメだ。。。始まりが来れば終わりが来るのだから。
俺は渋々口を開けた。
「うまい」と一言つぶやいた後、黙々とスイーツを食べすすめた。
俺の顔はきっと食べたイチゴより赤いだろう。
俺が食べている間、彼はスイーツに手を付けず静かにコーヒーを飲みながら俺を見ているだけだった。沈黙が流れている。しかし、気まずくはなかった。
それどころか、この静かな時間もわるくないなと思ったのであった。
お店を出ると外は赤く染まっていた。宰相様は『最後に連れていきたい所がある』と言って俺の手を握った。歩きながら俺たちはたくさんのことを話した。好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味、誕生日。
意外なことに、彼は甘いものは苦手なそうだ。それなのに、俺のために嫌な顔もせずにあの店に連れて行ってくれた。俺はまた胸を締め付けられた気がした。
俺たちは話し続けた。今までの時を埋めるかのように。
彼が『連れていきたい所』は、宝石屋でも服屋でも花屋でもなかった。ただただ王都で一番高いであろう丘の上であった。空気が澄み、緑に包まれ、鳥たちのさえずりが聞こえる。
「景色綺麗でしょ。ここからは城だけじゃなくて、王都のすべてが見えるんだよ。」
「本当ですね。俺たちがこの王都を支配しているみたいですね。」
「、、、、まあ、宰相は実際に絶対的な権力をもっていますけどね。」
「、、、、宰相だからと言って手に入らないものもあるんだけどね」
俺はハッとした。気を許しすぎた。
俺はそっと彼の顔を見ると、今日一度も見たことがない顔をしていた。
辛そうに、、、悲しそうに、、、、
静かな時間が流れる。
言わなきゃよかった。俺は一人反省した。
俺の中の宰相説明書に新しいことが書かれた。
『宰相に権力の話するべからず』
しばらく時間がたった後、彼は口を開いた。
「それより、『宰相』ってどうなの?」
「宰相??」
「呼び方だよ。君会った時から、僕のこと『宰相』ってよんでいるでしょう?仕事中だったらわかるけど、今はプライベートだよ。わかるよね?」
どうやら宰相様は名前で読んで欲しいみたいだ。
意外に可愛らしい所もあるんだと思い、俺はクスクス笑った。彼はそんな俺をみて不満そうだ。
さて、なんと呼べばいいのだろう。名前で呼ぶのはハードルが高すぎる。ここは家名で呼ぶのが無難だろう。。
「ス、、スベリア様?」
「ノアール」
名前で呼べってことか?!
もう俺は彼の手中にあるのだろう。あの目、口は俺を夢中にさせる。あの手で撫でられると、俺は自然に素直になれる。手を握られると、俺の芯まで温められる。
「うぅ、、、ノアール様!これでいいですか!!」
「、、、よくできました。」
彼は少し驚いた顔をした後、その金色の髪のように輝いた笑顔を見せた。
「ほら。見てるだけじゃなくて食べなよ」
「すいません。はしたなくて、、、でも食べるのがもったいなくて。」
彼は何か考える素振りを見せた。そして、彼はスプーンを持ちケーキに手をかけた。
「あーんして」
目の前にいるイケメン宰相様は何を思ったのか生クリームとイチゴがのったスプーンをこちらに向けてきた。
しっかり会って話すのはこれで2回目だが、この男の性格は理解している。彼は人を従わせる力を持っている。だから、宰相と地位までのぼれたのであろう。
よって、俺はこの状況を避けることができないのである。
しかも、相手はあの宰相様である。世の女性を虜にしているイケメン。また、俺にだけ普段見せない表情を見せてくれるのである。
俺はなぜか心臓が締め付けられた気がした。
しかし、まだそれには気づきたくない。。。気づいたらダメだ。。。始まりが来れば終わりが来るのだから。
俺は渋々口を開けた。
「うまい」と一言つぶやいた後、黙々とスイーツを食べすすめた。
俺の顔はきっと食べたイチゴより赤いだろう。
俺が食べている間、彼はスイーツに手を付けず静かにコーヒーを飲みながら俺を見ているだけだった。沈黙が流れている。しかし、気まずくはなかった。
それどころか、この静かな時間もわるくないなと思ったのであった。
お店を出ると外は赤く染まっていた。宰相様は『最後に連れていきたい所がある』と言って俺の手を握った。歩きながら俺たちはたくさんのことを話した。好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味、誕生日。
意外なことに、彼は甘いものは苦手なそうだ。それなのに、俺のために嫌な顔もせずにあの店に連れて行ってくれた。俺はまた胸を締め付けられた気がした。
俺たちは話し続けた。今までの時を埋めるかのように。
彼が『連れていきたい所』は、宝石屋でも服屋でも花屋でもなかった。ただただ王都で一番高いであろう丘の上であった。空気が澄み、緑に包まれ、鳥たちのさえずりが聞こえる。
「景色綺麗でしょ。ここからは城だけじゃなくて、王都のすべてが見えるんだよ。」
「本当ですね。俺たちがこの王都を支配しているみたいですね。」
「、、、、まあ、宰相は実際に絶対的な権力をもっていますけどね。」
「、、、、宰相だからと言って手に入らないものもあるんだけどね」
俺はハッとした。気を許しすぎた。
俺はそっと彼の顔を見ると、今日一度も見たことがない顔をしていた。
辛そうに、、、悲しそうに、、、、
静かな時間が流れる。
言わなきゃよかった。俺は一人反省した。
俺の中の宰相説明書に新しいことが書かれた。
『宰相に権力の話するべからず』
しばらく時間がたった後、彼は口を開いた。
「それより、『宰相』ってどうなの?」
「宰相??」
「呼び方だよ。君会った時から、僕のこと『宰相』ってよんでいるでしょう?仕事中だったらわかるけど、今はプライベートだよ。わかるよね?」
どうやら宰相様は名前で読んで欲しいみたいだ。
意外に可愛らしい所もあるんだと思い、俺はクスクス笑った。彼はそんな俺をみて不満そうだ。
さて、なんと呼べばいいのだろう。名前で呼ぶのはハードルが高すぎる。ここは家名で呼ぶのが無難だろう。。
「ス、、スベリア様?」
「ノアール」
名前で呼べってことか?!
もう俺は彼の手中にあるのだろう。あの目、口は俺を夢中にさせる。あの手で撫でられると、俺は自然に素直になれる。手を握られると、俺の芯まで温められる。
「うぅ、、、ノアール様!これでいいですか!!」
「、、、よくできました。」
彼は少し驚いた顔をした後、その金色の髪のように輝いた笑顔を見せた。
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