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プロローグ
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『なぜ世界はあるのだろうか?』
という質問にあなたはなんと答える。
世の中にある疑問の中で最も難しい問題に違いない。
哲学の中で議論されるもまだ明確な答えは見つかっていない。
ある日のことだ、この質問に対しどこかの誰かがこう言った。
『自分達が存在しているから』と。
この解答はある意味間違いではないと思う。
なぜなら、無いモノを説明することは不可能だから。
つまり、自分達が認識出来るものを初めて人はそれを存在として認める。
ならば、世界という概念があるからこそ、この解答は生まれるのだ。
だが、この解も多くある正解の中の一つに過ぎない。 だからこの解答が全て正しいというわけではない。
人は常に世界を創っている。
そもそも、人が誕生しなければ世界という存在はなかったことになる。
誰かが計画を立て意図的に創ったわけではなく、人間が創ってきたものの中でも珍しく世界は完成形が見えないものだ。
その理由として世界は常に変化しているからである。
人類の誕生とともに生まれ、文明の発達によりそうあるべき姿に変わっていく。
時には平和の世の中になるも、逆に無慈悲で理不尽な世界になることもある。
人の願いによって世界は今尚変化し続ける。
——なら
しるしのない世界をもし君が中心となり創っていくとなればどうする。
難しく考える必要はない、ここからは一種のゲームの話だ。
どんな世界にしたい?
ハーレムの世界、学校も仕事もない自由な世界、魔法が使える世界か……夢のようで馬鹿らしいと思うだろうが不可能ではない。
なにせ、世界の中心は自分なのだ。
自分がその気になり、対応した行動をすれば願望は現実になる。
例えば——縄文時代の人々のいったい誰が数千年後の今の世の中を想像したのか
『すごい』と彼らは間違いなく言うだろう。
なぜって彼らの住む世界は今はもうないのだから。
消滅したわけではなく、上書きされたというのが正しいか。
その世界を創った本人が居なくなれば世界は色を失い空白になる。
そうしてまた誰かが中心となり自分達の世界を描いていく。
話を戻そう。 とりあえずこのゲームは自分の国を創ろうというわけだ。
最初は何の建物もない土地から始まり、最低限の生活の為に周りに草木や水はある。
食料……自己確保
建築……自己建築
資金……なし
しかし、自分で集めたモノは何でも使って良いことにしよう。
一人でやるには困難な為数人の小人が命令に従いサポートするという設定。
他にも明かさないが色々と設定を追加しておいた。
ほら、簡単だろ。 新しい世界の誕生だ。
シミュレーションゲーム、育成ゲームの類、唯一違うところは自分が行動しなければならないだけだ。
十人十色、三十人いれば三十通りのノートがあると言うように今までの歴史の中で創られてきた世界とは違う自分だけの世界、そして国が出来るはずだ。
——だからといって一人だけ招待するわけにはいかない
なぜなら世界は常に争いの中で生まれてきたものだ。
人それぞれ考えも、性格も、好みも違う。
則ち、タイプが違えば世界の色も変化を見せる。
その中でも一際輝く世界を見つけるには、やはり争わせ潰し合うのが最適なのだ。
幾つも混じり合えば黒になる、それはどうしようもない、しょうもない世界だ。
ひとつでいい、それがこの世のあり方だ。
——そしてタイプの違う少年少女が集められた
それぞれ才能も性格も人間性も違う。
『天才』や『特殊』がいれば『熱血』、『やんちゃ』もいる。
天才などなら面白くはないがバランスの良い理想の世界を創るだろうし、熱血とかならばどこか飛び抜けた部分がある世界が出来上がると大抵は予想がつく。
こうして新たな世界は彼らの色に染まる。
だからダークホースを用意した。
『ダメ人間』だ。
どうしようもない人間はどうしようもない世界しか出来ないかと聞かれれば否だ。
なぜなら分からないから。
どんな特徴があり、何が見えるのか予想がつかない。 世界に対応出来ずにもがいてきた人間の創る世界は実に興味深い。
だから彼への期待も大きい、そのぶん失望させられるとこちらも責任は負えない。
だからこの先のゲームを見るかは自己判断になる。
神の遊戯——それは不可能を可能にする妄想
おっと全員集まったようだ。
では、全員が今の状況に慣れて行動するのをしばらく見守ろう。
あとはそうだな。 彼を中心に見ていこう。 訪れるとは思えない予想外の出来事に期待しすぎずのんびりと。
————『無印クエスト』の始まりだ
という質問にあなたはなんと答える。
世の中にある疑問の中で最も難しい問題に違いない。
哲学の中で議論されるもまだ明確な答えは見つかっていない。
ある日のことだ、この質問に対しどこかの誰かがこう言った。
『自分達が存在しているから』と。
この解答はある意味間違いではないと思う。
なぜなら、無いモノを説明することは不可能だから。
つまり、自分達が認識出来るものを初めて人はそれを存在として認める。
ならば、世界という概念があるからこそ、この解答は生まれるのだ。
だが、この解も多くある正解の中の一つに過ぎない。 だからこの解答が全て正しいというわけではない。
人は常に世界を創っている。
そもそも、人が誕生しなければ世界という存在はなかったことになる。
誰かが計画を立て意図的に創ったわけではなく、人間が創ってきたものの中でも珍しく世界は完成形が見えないものだ。
その理由として世界は常に変化しているからである。
人類の誕生とともに生まれ、文明の発達によりそうあるべき姿に変わっていく。
時には平和の世の中になるも、逆に無慈悲で理不尽な世界になることもある。
人の願いによって世界は今尚変化し続ける。
——なら
しるしのない世界をもし君が中心となり創っていくとなればどうする。
難しく考える必要はない、ここからは一種のゲームの話だ。
どんな世界にしたい?
ハーレムの世界、学校も仕事もない自由な世界、魔法が使える世界か……夢のようで馬鹿らしいと思うだろうが不可能ではない。
なにせ、世界の中心は自分なのだ。
自分がその気になり、対応した行動をすれば願望は現実になる。
例えば——縄文時代の人々のいったい誰が数千年後の今の世の中を想像したのか
『すごい』と彼らは間違いなく言うだろう。
なぜって彼らの住む世界は今はもうないのだから。
消滅したわけではなく、上書きされたというのが正しいか。
その世界を創った本人が居なくなれば世界は色を失い空白になる。
そうしてまた誰かが中心となり自分達の世界を描いていく。
話を戻そう。 とりあえずこのゲームは自分の国を創ろうというわけだ。
最初は何の建物もない土地から始まり、最低限の生活の為に周りに草木や水はある。
食料……自己確保
建築……自己建築
資金……なし
しかし、自分で集めたモノは何でも使って良いことにしよう。
一人でやるには困難な為数人の小人が命令に従いサポートするという設定。
他にも明かさないが色々と設定を追加しておいた。
ほら、簡単だろ。 新しい世界の誕生だ。
シミュレーションゲーム、育成ゲームの類、唯一違うところは自分が行動しなければならないだけだ。
十人十色、三十人いれば三十通りのノートがあると言うように今までの歴史の中で創られてきた世界とは違う自分だけの世界、そして国が出来るはずだ。
——だからといって一人だけ招待するわけにはいかない
なぜなら世界は常に争いの中で生まれてきたものだ。
人それぞれ考えも、性格も、好みも違う。
則ち、タイプが違えば世界の色も変化を見せる。
その中でも一際輝く世界を見つけるには、やはり争わせ潰し合うのが最適なのだ。
幾つも混じり合えば黒になる、それはどうしようもない、しょうもない世界だ。
ひとつでいい、それがこの世のあり方だ。
——そしてタイプの違う少年少女が集められた
それぞれ才能も性格も人間性も違う。
『天才』や『特殊』がいれば『熱血』、『やんちゃ』もいる。
天才などなら面白くはないがバランスの良い理想の世界を創るだろうし、熱血とかならばどこか飛び抜けた部分がある世界が出来上がると大抵は予想がつく。
こうして新たな世界は彼らの色に染まる。
だからダークホースを用意した。
『ダメ人間』だ。
どうしようもない人間はどうしようもない世界しか出来ないかと聞かれれば否だ。
なぜなら分からないから。
どんな特徴があり、何が見えるのか予想がつかない。 世界に対応出来ずにもがいてきた人間の創る世界は実に興味深い。
だから彼への期待も大きい、そのぶん失望させられるとこちらも責任は負えない。
だからこの先のゲームを見るかは自己判断になる。
神の遊戯——それは不可能を可能にする妄想
おっと全員集まったようだ。
では、全員が今の状況に慣れて行動するのをしばらく見守ろう。
あとはそうだな。 彼を中心に見ていこう。 訪れるとは思えない予想外の出来事に期待しすぎずのんびりと。
————『無印クエスト』の始まりだ
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