上 下
14 / 28

12月23日(金)工事中の美術館と飛ぶバス

しおりを挟む
幼なじみ(実在)と電車で小さな町に来た。ここには何があるのだろうとコンクリートの建物の裏に回ると、見上げるほど高い鋼板の囲いがあり、工事中の美術館だとわかる。残念だね、しかしどんなに立派なのが建つのかね、と言い合う。
「川も近いし、ランチしてもいいよ」
と彼女が言う。交差点には車も少なく、曇りの日で、川は寒いだろうと思う。
「ここから川そんなに近い?地理がわからん」「近いはず」

帰るためにバスに乗ったら、空を飛ぶ。高度は100メートルもないだろうか、町並みがくっきり見えて、古いビルの屋上に作られた家や、後から継ぎ足して作ったような高いビルを上から見下ろす。
人が生活している様子も見える。
窓に張り付いて、一生懸命見る。このあたりには来たことがなかった。
こんな建築が残っていると知っていたらもっと前に見に来たのに、と歯噛みする。

バスが終点の大きな駅に着くと、すぐ後ろに座った女性が「なんだ、西口に着くの?つかえねえー」と文句を言いながら下りていく。
広大な駅なので、どちら側に到着するかで次の予定が変わってくるからね。

余談:
私は今、屋上にある建物が出てくる小説を書いているのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

天空からのメッセージ vol.96 ~魂の旅路~

天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある

混迷日記【電子書籍作家の日々徒然】

その子四十路
エッセイ・ノンフィクション
高齢の母と二人暮らし。 電子書籍作家『その子四十路』のぜんぜん丁寧じゃない、混迷に満ちた日々の暮らしの記録。 2024年10月〜 ※他サイトでも公開しています。

天空からのメッセージ vol.52 ~魂の旅路~

天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある

オリジナルエロ小説でお金を稼ぐ忘備録

どん丸
エッセイ・ノンフィクション
ノクターンノベルズに始まりpixiv、fantia、FANBOX、DLsite、FANZA、そしてアルファポリスでオリジナルエロ小説を書いて儲けはどんな感じかの忘備録。あくまでも忘備録でこうするといいよ!みたいな話ではありません。書いているのがエロ小説という都合上ちらっとエロ用語が入るのでR15にしています。月の売り上げが出るタイミングで更新します。

処理中です...