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第十一章 客来の予兆
第二百九話 客来の予兆(6)
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エリッツは今日も不機嫌だった。
執務室に入るとすぐに視界に入る応接にすでにあの男がいる。さらにそれを監視(一応「案内役」と呼ばれている)しているらしき男が部屋の隅に直立不動でこちらを見ていた。怖い。
シェイルを襲ったあの男の名はシュクロというらしい。監視、いや案内役のことは気にならないのか、お茶を飲みながら城内の情報共有用の定期刊行誌をめくっている。「花壇を踏むな」とか、「修繕中の設備に近づくな」というような記事しか載ってないので、これは別にいいだろう。
「遅いじゃあないか、坊や。仕事は朝が肝心だぞ」
そんなことを言いながら親指と人差し指、中指をこすり合わせるようにしてこちらに振る。どうやらルグイラでは気の置けない若い仲間同士で交わす挨拶のようなものらしい。「よう、兄弟」くらいの馴れ馴れしさだと聞いた。平静であればエリッツが非常に興味を持つ分野である。――が、そんなことにすらイライラする。そんなに仲良くないからねと、エリッツは心の中で毒づいた。
執務室はシェイルとエリッツだけの空間だったのに毎日毎日邪魔をしにきて許せない。そもそも中の間にもほど近いこの執務室への入室が異国人に許されているなんて、どう考えてもおかしい。
「シュクロさんはどうして毎日ここにいるんですか。他の部屋は確認しなくていいんですか」
「別にいいじゃねぇか。ここに人がいない時には入らない、仕事の邪魔はしない、勝手に書類を見ない、ちゃんと案内を連れていく。他にもいろいろある決まり事は全部守ってるんだから。それに知らないかもしれねぇが、この部屋に入るのに申請書を書いて一日してからやっと許可が出たんだ。他の部屋に入りたいっていったら申請と許可待ちの毎日になっちまう。ついでに視界に入らないとこにめちゃくちゃ人がくっついてて、何も悪いことできねぇよ。あいつらトイレまでついてくるぜ?」
シュクロはシュクロでうんざりしたような口調であるが、それならば自由に行動を許可されている来客用の建物とその庭で過ごせばよいのに、朝からわざわざ大勢人を引き連れて、この部屋にお茶を飲みに来なくてもいいではないか。何かたくらんでいるのではと思われても仕方ないだろう。
「その、今読んでるそれはどこから持ってきたんです?」
どうでもいい情報誌とはいえ、勝手にその辺をあさられては困る。
「坊やの上官が『これでも読んでろ』ってくれた。でもあんまりおもしろくねぇな、これ。春先に城の敷地内で生まれたヤギの赤ちゃんの成長記録だって。なんでこんなとこでヤギ飼ってんだよ」
そんなの知らないし、そもそもヤギがいるなんて初めて知った。
「なぁ、他に何か読むものねぇの?」
シュクロは退屈をアピールするように大きく伸びをする。
「……ヤギの赤ちゃんはどこにいるの?」
「あ?」
「ヤギの赤ちゃん」
シュクロはじっとエリッツを見ている。
「……読めば?」
シュクロは情報誌をポイっと応接のテーブルに放る。読んで知ってるなら教えてくれてもいいのに。エリッツはそれをさっと小脇にはさんでから視線をあげた。シェイルの部屋の扉は開いている。中にいるようだ。
「そんなに暇なら自分の仕事をしたらいいんじゃないですか」
何をしにはるばるレジスまでやってきたのか。見ている限り何ひとつ「安全性の確認」らしき動きをしていない。やはり国をあげて何らかの嫌がらせをするつもりなのだろうか。
「仕事? それはまだ早すぎる。今、夏だぞ?」
勝手に早く来ておいて――。シェイルと二人きりになる機会が減り、ただでさえストレスがたまるのに、シュクロと話していると頭がおかしくなりそうだ。
エリッツはシュクロとの会話を断ち切り、シェイルに挨拶をしてから、自分の仕事部屋に入った。シェイルはエリッツがイライラしているのを見て少し困ったような顔をしたが、結局放っておいてくれた。もしシェイルがエリッツの不機嫌をなだめるようなことをいったら、おそらくエリッツは自己嫌悪でつぶれてしまうだろう。何とか自分の力で持ち直さなくては。
気分が滅入って集中できないので、簡単な作業からはじめることにする。昨日確認した書類の端に事務官が中身を確認したという意味の小さな印をぽんぽんと押していくだけの作業だ。何も考えなくていい。少し重要な書類には小さくエリッツの署名も添える。気分は最悪だが、最近任される仕事の幅が広がってきたという事実は励みになる。以前は誤字脱字、署名漏れがないか程度の簡単な書類チェックをするだけで印や署名はしてなかったが、最近はちゃんと内容の精査、つまり他の書類との齟齬がないかを見たり、ときには資料を当たって正確な内容なのか確認したりもする。そして「確認済み」の印を押すので、間違いが分かれはエリッツの責任になる。プレッシャーはあるが、大事な仕事を任されている感じがして張り合いがでるのだ。少しずつ仕事に頭が切り替わっていった。
途中、あまりに静かなので気になって応接をのぞくと、シュクロは応接の椅子の背にだらんと上体をもたせかけて眠っていた。本当に毎日休日みたいな暮らしをしている。エリッツだって朝から寝たい。
再びくさくさしていると、開けたままの部屋のドアを叩く音がする。
「エリッツ、会議ですよ」
「あっ」
忘れていた。
エリッツはあわてて積んである書類から資料を抜き取ろうとして、せっかく印を押した書類の山を崩してしまう。
「わ、わ!」
しかも大事な資料が紙の山に埋もれてしまった。
「そんなに急がなくても大丈夫です」
シェイルはくすくすと笑いながら資料を探すのを手伝ってくれた。最近では数少ないふれあいの時間だ。
何とか資料を救い出し、会議へ向かった。執務室は無人になるので、ここでようやくシュクロを追い出すことができる。だが、どういうわけか案内人を従えて後ろからついて来た。エリッツはまたイライラし始める。
「なんでついてくるんでしょうか」
「なんででしょうね。他の場所の入室許可はないようなので、その内どこかでいなくなるでしょう」
シェイルもこころよくは思ってはいないようだが、エリッツよりははるかに「諦め」の空気を漂わせている。何年も陛下にいびられて、こういった理不尽にある程度耐性ができてしまったのかもしれない。
「――そういえば、ヤギの赤ちゃんがいるって知ってましたか?」
エリッツはシュクロに聞こえないようにことさら小さな声でシェイルに話しかけた。
「ヤギの赤ちゃん?」
しかしシェイルが普通に声を出してしまうので、後ろから「ははっ。ヤギの赤ちゃん」と、小馬鹿にしたような声が聞こえた。いちいち腹立たしい。
「そういえば、聞いたことがあるような」
シェイルは思い出そうとしているのか、少し上向き加減で黙りこむ。
「確かオズバル様が――」
「オズバル様?」
意外な人の名前出てきた。
「そういや、あんたとカウラニー家はどういう関係なんだ?」
突然後ろからシュクロの声がする。すでに引退したオズバル様のことをなぜ知っているんだろう。まさかシェイルのことを調べているのだろうか。考えてみれば、シュクロがレジスに着いて真っ先にシェイルを襲ったのは不思議な話だ。一体、何をどこまで知っているのか。ただのロイの人間だと思っていれば、わざわざ襲おうとするのは変である。
エリッツの胸にざわざわと黒いものが広がった。
「ああ、そういえば、ヤギに庭園の草を食べさせるみたいなことをやり始めたみたいですね」
エリッツの動揺を払拭するかのように、シェイルはのんびりとした声を出す。シュクロのことはさらりと無視した。
「草? ですか?」
「ええ。城内の限られた区域だけで試験的にヤギを放っているらしいです。庭木の生育を阻害する草を食べてくれるのだとか。それに草をはむ姿がかわいくて癒されるし、街中なのに片田舎のような雰囲気が出て面白いとか、ちょっと庭師さんの考えることはよくわかりませんね」
最後は冗談のように言ってほほ笑む。
城の敷地は小さな町くらいの規模なので限られた場所だけでの試みであれば、エリッツが気づかなかったのも無理はない。
「そのヤギが赤ちゃんを産んだんでしょうか」
「そうかもしれません。生まれるとしたら春頃ですから、もうだいぶ大きくなっているとは思いますが。見たいんですか?」
「見たいです」
「――では、会議が終わったら休憩ついでに探しに行きましょう」
エリッツは久しぶりに気分が高揚する。シェイルとヤギの赤ちゃんを見れたら絶対に楽しい。
「ヤギの赤ちゃん!」
後ろからシュクロの笑い声が聞こえて、エリッツはまたいら立ちを募らせた。
執務室に入るとすぐに視界に入る応接にすでにあの男がいる。さらにそれを監視(一応「案内役」と呼ばれている)しているらしき男が部屋の隅に直立不動でこちらを見ていた。怖い。
シェイルを襲ったあの男の名はシュクロというらしい。監視、いや案内役のことは気にならないのか、お茶を飲みながら城内の情報共有用の定期刊行誌をめくっている。「花壇を踏むな」とか、「修繕中の設備に近づくな」というような記事しか載ってないので、これは別にいいだろう。
「遅いじゃあないか、坊や。仕事は朝が肝心だぞ」
そんなことを言いながら親指と人差し指、中指をこすり合わせるようにしてこちらに振る。どうやらルグイラでは気の置けない若い仲間同士で交わす挨拶のようなものらしい。「よう、兄弟」くらいの馴れ馴れしさだと聞いた。平静であればエリッツが非常に興味を持つ分野である。――が、そんなことにすらイライラする。そんなに仲良くないからねと、エリッツは心の中で毒づいた。
執務室はシェイルとエリッツだけの空間だったのに毎日毎日邪魔をしにきて許せない。そもそも中の間にもほど近いこの執務室への入室が異国人に許されているなんて、どう考えてもおかしい。
「シュクロさんはどうして毎日ここにいるんですか。他の部屋は確認しなくていいんですか」
「別にいいじゃねぇか。ここに人がいない時には入らない、仕事の邪魔はしない、勝手に書類を見ない、ちゃんと案内を連れていく。他にもいろいろある決まり事は全部守ってるんだから。それに知らないかもしれねぇが、この部屋に入るのに申請書を書いて一日してからやっと許可が出たんだ。他の部屋に入りたいっていったら申請と許可待ちの毎日になっちまう。ついでに視界に入らないとこにめちゃくちゃ人がくっついてて、何も悪いことできねぇよ。あいつらトイレまでついてくるぜ?」
シュクロはシュクロでうんざりしたような口調であるが、それならば自由に行動を許可されている来客用の建物とその庭で過ごせばよいのに、朝からわざわざ大勢人を引き連れて、この部屋にお茶を飲みに来なくてもいいではないか。何かたくらんでいるのではと思われても仕方ないだろう。
「その、今読んでるそれはどこから持ってきたんです?」
どうでもいい情報誌とはいえ、勝手にその辺をあさられては困る。
「坊やの上官が『これでも読んでろ』ってくれた。でもあんまりおもしろくねぇな、これ。春先に城の敷地内で生まれたヤギの赤ちゃんの成長記録だって。なんでこんなとこでヤギ飼ってんだよ」
そんなの知らないし、そもそもヤギがいるなんて初めて知った。
「なぁ、他に何か読むものねぇの?」
シュクロは退屈をアピールするように大きく伸びをする。
「……ヤギの赤ちゃんはどこにいるの?」
「あ?」
「ヤギの赤ちゃん」
シュクロはじっとエリッツを見ている。
「……読めば?」
シュクロは情報誌をポイっと応接のテーブルに放る。読んで知ってるなら教えてくれてもいいのに。エリッツはそれをさっと小脇にはさんでから視線をあげた。シェイルの部屋の扉は開いている。中にいるようだ。
「そんなに暇なら自分の仕事をしたらいいんじゃないですか」
何をしにはるばるレジスまでやってきたのか。見ている限り何ひとつ「安全性の確認」らしき動きをしていない。やはり国をあげて何らかの嫌がらせをするつもりなのだろうか。
「仕事? それはまだ早すぎる。今、夏だぞ?」
勝手に早く来ておいて――。シェイルと二人きりになる機会が減り、ただでさえストレスがたまるのに、シュクロと話していると頭がおかしくなりそうだ。
エリッツはシュクロとの会話を断ち切り、シェイルに挨拶をしてから、自分の仕事部屋に入った。シェイルはエリッツがイライラしているのを見て少し困ったような顔をしたが、結局放っておいてくれた。もしシェイルがエリッツの不機嫌をなだめるようなことをいったら、おそらくエリッツは自己嫌悪でつぶれてしまうだろう。何とか自分の力で持ち直さなくては。
気分が滅入って集中できないので、簡単な作業からはじめることにする。昨日確認した書類の端に事務官が中身を確認したという意味の小さな印をぽんぽんと押していくだけの作業だ。何も考えなくていい。少し重要な書類には小さくエリッツの署名も添える。気分は最悪だが、最近任される仕事の幅が広がってきたという事実は励みになる。以前は誤字脱字、署名漏れがないか程度の簡単な書類チェックをするだけで印や署名はしてなかったが、最近はちゃんと内容の精査、つまり他の書類との齟齬がないかを見たり、ときには資料を当たって正確な内容なのか確認したりもする。そして「確認済み」の印を押すので、間違いが分かれはエリッツの責任になる。プレッシャーはあるが、大事な仕事を任されている感じがして張り合いがでるのだ。少しずつ仕事に頭が切り替わっていった。
途中、あまりに静かなので気になって応接をのぞくと、シュクロは応接の椅子の背にだらんと上体をもたせかけて眠っていた。本当に毎日休日みたいな暮らしをしている。エリッツだって朝から寝たい。
再びくさくさしていると、開けたままの部屋のドアを叩く音がする。
「エリッツ、会議ですよ」
「あっ」
忘れていた。
エリッツはあわてて積んである書類から資料を抜き取ろうとして、せっかく印を押した書類の山を崩してしまう。
「わ、わ!」
しかも大事な資料が紙の山に埋もれてしまった。
「そんなに急がなくても大丈夫です」
シェイルはくすくすと笑いながら資料を探すのを手伝ってくれた。最近では数少ないふれあいの時間だ。
何とか資料を救い出し、会議へ向かった。執務室は無人になるので、ここでようやくシュクロを追い出すことができる。だが、どういうわけか案内人を従えて後ろからついて来た。エリッツはまたイライラし始める。
「なんでついてくるんでしょうか」
「なんででしょうね。他の場所の入室許可はないようなので、その内どこかでいなくなるでしょう」
シェイルもこころよくは思ってはいないようだが、エリッツよりははるかに「諦め」の空気を漂わせている。何年も陛下にいびられて、こういった理不尽にある程度耐性ができてしまったのかもしれない。
「――そういえば、ヤギの赤ちゃんがいるって知ってましたか?」
エリッツはシュクロに聞こえないようにことさら小さな声でシェイルに話しかけた。
「ヤギの赤ちゃん?」
しかしシェイルが普通に声を出してしまうので、後ろから「ははっ。ヤギの赤ちゃん」と、小馬鹿にしたような声が聞こえた。いちいち腹立たしい。
「そういえば、聞いたことがあるような」
シェイルは思い出そうとしているのか、少し上向き加減で黙りこむ。
「確かオズバル様が――」
「オズバル様?」
意外な人の名前出てきた。
「そういや、あんたとカウラニー家はどういう関係なんだ?」
突然後ろからシュクロの声がする。すでに引退したオズバル様のことをなぜ知っているんだろう。まさかシェイルのことを調べているのだろうか。考えてみれば、シュクロがレジスに着いて真っ先にシェイルを襲ったのは不思議な話だ。一体、何をどこまで知っているのか。ただのロイの人間だと思っていれば、わざわざ襲おうとするのは変である。
エリッツの胸にざわざわと黒いものが広がった。
「ああ、そういえば、ヤギに庭園の草を食べさせるみたいなことをやり始めたみたいですね」
エリッツの動揺を払拭するかのように、シェイルはのんびりとした声を出す。シュクロのことはさらりと無視した。
「草? ですか?」
「ええ。城内の限られた区域だけで試験的にヤギを放っているらしいです。庭木の生育を阻害する草を食べてくれるのだとか。それに草をはむ姿がかわいくて癒されるし、街中なのに片田舎のような雰囲気が出て面白いとか、ちょっと庭師さんの考えることはよくわかりませんね」
最後は冗談のように言ってほほ笑む。
城の敷地は小さな町くらいの規模なので限られた場所だけでの試みであれば、エリッツが気づかなかったのも無理はない。
「そのヤギが赤ちゃんを産んだんでしょうか」
「そうかもしれません。生まれるとしたら春頃ですから、もうだいぶ大きくなっているとは思いますが。見たいんですか?」
「見たいです」
「――では、会議が終わったら休憩ついでに探しに行きましょう」
エリッツは久しぶりに気分が高揚する。シェイルとヤギの赤ちゃんを見れたら絶対に楽しい。
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