206 / 236
第十一章 客来の予兆
第二百五話 客来の予兆(2)
しおりを挟む
「そもそもですね、必要なのはお菓子だけであるはずがないんです。これからまだいろいろ言いつけられますよ」
諸々の手続きを経て城の外に出るとめずらしくシェイルの方から話しかけてくる。しかもちょっと愚痴っぽい口調なのが、なんとなくうれしい。
城の外に出るための諸々の手続きというのがわりと面倒だった。シェイルの捕虜という立場を痛感する。エリッツなどはちょっとした書類一枚で仕事上必要なところはどこにでも行けるし、急ぎなら事後報告でもさほど問題視されない。休暇中、休憩中の行動にいたっては常識の範囲内で自由と規定には書かれていた。「常識の範囲内」という曖昧な表現はやや引っかかるが、少なくともシェイルよりはずっと自由だといえる。
「それに何を選んでも陛下に変な言いがかりをつけられます。それでも殿下の立場を考えると真面目に探さないわけにはいかないんですよね。――ところで、エリッツはさっきから何をにこにこしてるんですか?」
シェイルとの距離が縮まったようでうれしくて、ついにこにこしてしまった。以前は愚痴っぽいことはあまり言わないように気を遣われていたような気がする。
前からゼインがマリルのことでぶつぶつと文句をいっているのがちょっと羨ましかったのだ。マリルがあれこれとゼインに無茶振りをするのは信頼しているからに違いない。まだまだ時間はかかるかもしれないが、エリッツもシェイルに苦情を申し立てたくなるくらいに頼られたい。これは一歩前進といってもいいのではないか。
「いいえ、何でもないです」
それにはエリッツが実力をつけ、自然に頼られるのを待つべきであって、わざわざ当人にお願いするようなことではない。エリッツは心の中で密かに拳を固める。
「そうですか……」
シェイルはしばらく不思議そうにエリッツを見ていたが、気を取り直したように口を開く。
「外出の手続きが煩雑過ぎて、もうお昼になってしまいますね。少し早いですけど、昼食をとってから行きましょうか」
そんな! 本当にデートみたいな。
エリッツはうれしくて言葉を失ってしまう。昼食を食べてからお菓子を見に行くなんてデートでしかない。息が荒くなり、そわそわとあたりを見渡した。
「――あの、だから何故そんなににこにこしているんです?」
「いいえ、何でもないです」
まじめな顔をつくろうとしても、うれし過ぎて口角がひくひくと動いてしまう。そんなエリッツをシェイルはやはり不思議そうな顔で見ていた。
「何がいいですか? どうせ経費なので何かいいのものを食べに行きましょう」
経費ということはシェイルの少ないお小遣いを減らす心配はないらしい。そういえば、シェイルはいつもどこで昼食をとっているのだろう。食堂などで見かけたことはないので中の間に戻っているのだろうか。
「あまり外食をしたことがないので思いつかないのですが」
以前アルマにイゴルデにつれて行ってもらったことがあったが、他にレジス城下で食事をとったことがあっただろうか。風見舞いのときは騒動に巻き込まれてほとんど食べられなかったし……思い出せない。そういえば、先日の交流会では会食があった。いや、あれは外食とは少し違うか。
「イゴルデが楽でいいのですが、用事のある区画からはだいぶ離れてしまいますね」
シェイルは立ち止まって辺りを見渡す。
城を出てまださほど歩いていない。辺りはいわゆる一等地で道が広くとられた閑静な一角である。確かに王室御用達のお菓子となるとこの辺りに店を構えているような高級店に絞られるだろう。一度アルヴィンと走り回った記憶があるが、どんな店があるかまではわからない。
エリッツもシェイルと一緒に辺りを見渡す。
暦上は夏も終わりに近いはずだが、まだまだ日差しはきつく、人通りもさほど多くなかった。昼食にはまだ少し早い時間であるため店を探している様子の人々も見当たらない。
「暑いので何かさっぱりしたものがいいですね」
「賛成です」
そういえば、シェイルは中の間に閉じ込められていたはずなのにレジス城下には詳しいようだった。ここまでの道のりでもまったく迷いがない。イゴルデの常連でもあったので間違いないだろう。
以前アルヴィンが「警備が厳しくなってロイでも北の王には会えなくなった」と言っていた気がする。つまり前はシェイルもそこまで厳しく監視されていたわけではなかったのだろう。例のローズガーデンのさいにロイの町内会が蜂起して戦場になだれこんでくるという騒動もあった。あれもさらなる締め付けの原因になったのだと思われる。
「エリッツ、こっちですよ」
シェイルがぼんやりしているエリッツの手を引いてくれる。すかさずその手を握りしめた。シェイルは苦笑したが、そこまで嫌そうではない。ここは調子に乗ってよさそうだ。
「また、にこにこしてますね。外出が楽しいんですか?」
「すみません、すごく楽しいです」
シェイルが愚痴を言っていたので、楽しいとは言いにくかったのだが、楽しいものは楽しいので仕方ない。
「そうですか。それなら仕事を受けたかいがありました」
シェイルは一瞬驚いた顔をしたが微笑んでくれる。業務時間にデートできるなんて最高ではないか。
「さて、着きましたよ」
にこにこして歩いている間に目的地に到着していたらしい。見ると随分間口のせまいお店である。何となくロイの保護区の建物を思い出した。煉瓦で赤っぽい印象の建物だが、その赤がやや黒みを帯びていてなんとなく高級感がある。この区画にあるだけあって高そうなお店だ。
「ロイの料理を出してくれる店です」
「この香り、保護区でかいだような気がします」
「エリッツは本当に鼻がいいですね。殿下の嫌いなロイの煮込み料理にたっぷりと入っているハーブの香りです。おいしいんですけどね」
「ロイにもさっぱりした食べ物があるんですか?」
寒い地方なので体を温める料理が多いようなイメージだ。殿下の嫌いなやわらかくなるまでよく煮込んだ肉や野菜の料理は保護区でも出てきた。味はよくわからないが、エリッツは別に嫌いではない。
「ロイにも夏はあります。ここよりもずっと短いんですけどね」
言いながらためらいなく店に入ってゆく。なじみの店なのかもしれない。外食しなれていないエリッツは少し緊張する。
「指揮官殿!」
入ってすぐに店主と思われる男が大声で走り寄ってくる。
「もうずいぶん前から指揮官ではありませんよ」
シェイルは苦笑しながらそばの席につく。エリッツもそれにならった。
「今日はどうされたんです。めずらしいですね」
まるで熊のような男はどこからどうみても生粋のレジス人だ。とび色のちぢれ毛にとび色の大きな目。周りにいる店員らしき人々もみなレジス人のようだ。ロイの料理を出す店と聞いたが……。
「食事をしに来ました」
「そりゃあ、そうですよね」
大声はどうやら地声のようだ。笑い声も店中に響く。それからエリッツの方を見て大きな目をさらに見開らいた。動きがいちいち大袈裟な人だ。何となくだが兄の屋敷の料理人を思い出す。この好奇心の強そうな感じに通じるものがあった。
「部下のエリッツ・グーデンバルドといいます」
視線を受けてエリッツはあわてて立ち上がる。テーブルにひざをぶつけて大きな音を出してしまった。早い時間で他に客がいなくてよかった。
「ずいぶんとお行儀のいい部下ですね」
別に嫌味ではなく本当に感心したようにエリッツを眺めている。
「ええ、とても優秀です。エリッツ、ロイ料理の第一人者、プロイマさんです」
ロイ料理の第一人者がレジス人なのか。エリッツは目をしばたたかせた。
諸々の手続きを経て城の外に出るとめずらしくシェイルの方から話しかけてくる。しかもちょっと愚痴っぽい口調なのが、なんとなくうれしい。
城の外に出るための諸々の手続きというのがわりと面倒だった。シェイルの捕虜という立場を痛感する。エリッツなどはちょっとした書類一枚で仕事上必要なところはどこにでも行けるし、急ぎなら事後報告でもさほど問題視されない。休暇中、休憩中の行動にいたっては常識の範囲内で自由と規定には書かれていた。「常識の範囲内」という曖昧な表現はやや引っかかるが、少なくともシェイルよりはずっと自由だといえる。
「それに何を選んでも陛下に変な言いがかりをつけられます。それでも殿下の立場を考えると真面目に探さないわけにはいかないんですよね。――ところで、エリッツはさっきから何をにこにこしてるんですか?」
シェイルとの距離が縮まったようでうれしくて、ついにこにこしてしまった。以前は愚痴っぽいことはあまり言わないように気を遣われていたような気がする。
前からゼインがマリルのことでぶつぶつと文句をいっているのがちょっと羨ましかったのだ。マリルがあれこれとゼインに無茶振りをするのは信頼しているからに違いない。まだまだ時間はかかるかもしれないが、エリッツもシェイルに苦情を申し立てたくなるくらいに頼られたい。これは一歩前進といってもいいのではないか。
「いいえ、何でもないです」
それにはエリッツが実力をつけ、自然に頼られるのを待つべきであって、わざわざ当人にお願いするようなことではない。エリッツは心の中で密かに拳を固める。
「そうですか……」
シェイルはしばらく不思議そうにエリッツを見ていたが、気を取り直したように口を開く。
「外出の手続きが煩雑過ぎて、もうお昼になってしまいますね。少し早いですけど、昼食をとってから行きましょうか」
そんな! 本当にデートみたいな。
エリッツはうれしくて言葉を失ってしまう。昼食を食べてからお菓子を見に行くなんてデートでしかない。息が荒くなり、そわそわとあたりを見渡した。
「――あの、だから何故そんなににこにこしているんです?」
「いいえ、何でもないです」
まじめな顔をつくろうとしても、うれし過ぎて口角がひくひくと動いてしまう。そんなエリッツをシェイルはやはり不思議そうな顔で見ていた。
「何がいいですか? どうせ経費なので何かいいのものを食べに行きましょう」
経費ということはシェイルの少ないお小遣いを減らす心配はないらしい。そういえば、シェイルはいつもどこで昼食をとっているのだろう。食堂などで見かけたことはないので中の間に戻っているのだろうか。
「あまり外食をしたことがないので思いつかないのですが」
以前アルマにイゴルデにつれて行ってもらったことがあったが、他にレジス城下で食事をとったことがあっただろうか。風見舞いのときは騒動に巻き込まれてほとんど食べられなかったし……思い出せない。そういえば、先日の交流会では会食があった。いや、あれは外食とは少し違うか。
「イゴルデが楽でいいのですが、用事のある区画からはだいぶ離れてしまいますね」
シェイルは立ち止まって辺りを見渡す。
城を出てまださほど歩いていない。辺りはいわゆる一等地で道が広くとられた閑静な一角である。確かに王室御用達のお菓子となるとこの辺りに店を構えているような高級店に絞られるだろう。一度アルヴィンと走り回った記憶があるが、どんな店があるかまではわからない。
エリッツもシェイルと一緒に辺りを見渡す。
暦上は夏も終わりに近いはずだが、まだまだ日差しはきつく、人通りもさほど多くなかった。昼食にはまだ少し早い時間であるため店を探している様子の人々も見当たらない。
「暑いので何かさっぱりしたものがいいですね」
「賛成です」
そういえば、シェイルは中の間に閉じ込められていたはずなのにレジス城下には詳しいようだった。ここまでの道のりでもまったく迷いがない。イゴルデの常連でもあったので間違いないだろう。
以前アルヴィンが「警備が厳しくなってロイでも北の王には会えなくなった」と言っていた気がする。つまり前はシェイルもそこまで厳しく監視されていたわけではなかったのだろう。例のローズガーデンのさいにロイの町内会が蜂起して戦場になだれこんでくるという騒動もあった。あれもさらなる締め付けの原因になったのだと思われる。
「エリッツ、こっちですよ」
シェイルがぼんやりしているエリッツの手を引いてくれる。すかさずその手を握りしめた。シェイルは苦笑したが、そこまで嫌そうではない。ここは調子に乗ってよさそうだ。
「また、にこにこしてますね。外出が楽しいんですか?」
「すみません、すごく楽しいです」
シェイルが愚痴を言っていたので、楽しいとは言いにくかったのだが、楽しいものは楽しいので仕方ない。
「そうですか。それなら仕事を受けたかいがありました」
シェイルは一瞬驚いた顔をしたが微笑んでくれる。業務時間にデートできるなんて最高ではないか。
「さて、着きましたよ」
にこにこして歩いている間に目的地に到着していたらしい。見ると随分間口のせまいお店である。何となくロイの保護区の建物を思い出した。煉瓦で赤っぽい印象の建物だが、その赤がやや黒みを帯びていてなんとなく高級感がある。この区画にあるだけあって高そうなお店だ。
「ロイの料理を出してくれる店です」
「この香り、保護区でかいだような気がします」
「エリッツは本当に鼻がいいですね。殿下の嫌いなロイの煮込み料理にたっぷりと入っているハーブの香りです。おいしいんですけどね」
「ロイにもさっぱりした食べ物があるんですか?」
寒い地方なので体を温める料理が多いようなイメージだ。殿下の嫌いなやわらかくなるまでよく煮込んだ肉や野菜の料理は保護区でも出てきた。味はよくわからないが、エリッツは別に嫌いではない。
「ロイにも夏はあります。ここよりもずっと短いんですけどね」
言いながらためらいなく店に入ってゆく。なじみの店なのかもしれない。外食しなれていないエリッツは少し緊張する。
「指揮官殿!」
入ってすぐに店主と思われる男が大声で走り寄ってくる。
「もうずいぶん前から指揮官ではありませんよ」
シェイルは苦笑しながらそばの席につく。エリッツもそれにならった。
「今日はどうされたんです。めずらしいですね」
まるで熊のような男はどこからどうみても生粋のレジス人だ。とび色のちぢれ毛にとび色の大きな目。周りにいる店員らしき人々もみなレジス人のようだ。ロイの料理を出す店と聞いたが……。
「食事をしに来ました」
「そりゃあ、そうですよね」
大声はどうやら地声のようだ。笑い声も店中に響く。それからエリッツの方を見て大きな目をさらに見開らいた。動きがいちいち大袈裟な人だ。何となくだが兄の屋敷の料理人を思い出す。この好奇心の強そうな感じに通じるものがあった。
「部下のエリッツ・グーデンバルドといいます」
視線を受けてエリッツはあわてて立ち上がる。テーブルにひざをぶつけて大きな音を出してしまった。早い時間で他に客がいなくてよかった。
「ずいぶんとお行儀のいい部下ですね」
別に嫌味ではなく本当に感心したようにエリッツを眺めている。
「ええ、とても優秀です。エリッツ、ロイ料理の第一人者、プロイマさんです」
ロイ料理の第一人者がレジス人なのか。エリッツは目をしばたたかせた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
婚約者に裏切られた女騎士は皇帝の側妃になれと命じられた
ミカン♬
恋愛
小国クライン国に帝国から<妖精姫>と名高いマリエッタ王女を側妃として差し出すよう命令が来た。
マリエッタ王女の侍女兼護衛のミーティアは嘆く王女の監視を命ぜられるが、ある日王女は失踪してしまった。
義兄と婚約者に裏切られたと知ったミーティアに「マリエッタとして帝国に嫁ぐように」と国王に命じられた。母を人質にされて仕方なく受け入れたミーティアを帝国のベルクール第二皇子が迎えに来た。
二人の出会いが帝国の運命を変えていく。
ふわっとした世界観です。サクッと終わります。他サイトにも投稿。完結後にリカルドとベルクールの閑話を入れました、宜しくお願いします。
2024/01/19
閑話リカルド少し加筆しました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる