48 / 49
第五章 厄災の娘
第四十八話 厄災の娘(11)
しおりを挟む
足場の悪い山の中でばあちゃんの姿をした化け物が棒を振りかざして一方的にシハルを攻撃していた。今夜は月の光がまぶしいほどで辺りはよく見える。
レイヒは見慣れない昔のばあちゃんの姿に目を奪われていた。物心ついた頃にはばあちゃんはもはや妖怪のような存在だったため、まだ人間味が残っているのは新鮮だ。記憶の持ち主であるハルミはどう感じているんだろう。視線を向けるとハルミは跪いてぐったりしている。敵がシハルを追っている隙にオキが避難させたが、明らかに早く手当しないと死ぬ感じだ。刺さっている羽根は抜かない方がいいとオキがいうのでそのままだが、傷を見るとあまりに痛そうでレイヒまで顔がしわくちゃになってしまう。早くこの場を何とかしなくては。
山の中にしては不自然に開けている場所だが、あの屋敷があった場所だと考えると広くはない。それでも不思議とシハルは化け物につかまらなかった。危なげなく棒の攻撃をすり抜けていく。舞を舞うように軽やかだ。
ヴァルダはあの子供に抱きかかえられたまま「いい加減放せ」と暴れていた。そういえばあんなにヴァルダを避けている様子だった子供がなぜ急にヴァルダを抱きかかえたりしたのだろう。
その間もシハルは化け物の棒による攻撃をただ避けているだけだ。反撃に出る様子はない。
「あいつは所詮神官崩れだ。動ける方なのは間違いないが、ちゃんとした武術の心得があるわけじゃねぇ」
でも仕留めるとかいってたし、何か考えがあるんじゃないかとレイヒは思ったりしたのだが。
「シハル、くだらない小細工をしてないで俺を呼べ」
ヴァルダが声をあげたが、シハルはちらりとこちらを見て微笑んだ。何か楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。月の光で琥珀色の目がきらりとかがやいた。
そのとき澄んだ音が辺りに響く。この音は屋敷に入る前にも聞いた気がする。シハルが持っていた半円の棒がぶつかり合う音じゃなかったか。途端に化け物の動きが止まり、その姿が溶けるように禍々しいものに変わってゆく。月光に濡れたような黒い羽がぬらぬらと光った。しかし鳥特有の細い足は金色の半円にがっちりとはまっている。逃げ回りながらあれを罠みたいに撒いていたのだろうか。まったく気づかなかった。
「結界は手慣れた様子ですが弱すぎる。あれではどうにもなりません。私が動ければ……」
ハルミはぜいぜいと肩で息をしている。しんどいならしゃべらなければいいのに。怪我のわりにはまだ余裕がありそうに見える。
「この弱々しい結界はなんのつもりだ」
化け物が大きな黒い翼をばたつかせると甲高い音が響いてその足元から金色の光が飛び散った。しかし一歩進むとまたもう一方の足に半円がかかる。
白目のない真っ赤な目を細めてそいつはゆっくりと辺りを見渡した。まるでこちらの顔に書いてある何かを読んでいくかのようだ。もしかして記憶を探っているか。交渉で前面に出てくるやつだから、きっとオキみたいに賢いんだろう。油断できない。レイヒは今度こそ余計なことを言わないように口を引き結んで目をそらした。
敵を前にしているのにも関わらず、シハルは布で巻かれた細長い荷物を取り出して何かをしている。
「勝手に触るんじゃねぇよ」
ヴァルダが凶悪な声でうなる。
シハルが取り出したのは一振りの大きな剣だった。めちゃくちゃ重そうに見えるが、何でもないような顔でそれを持ちあげる。
またあの甲高い音が響き化け物の足元で金色の光が散った。しかしすぐにまた別の半円がかかる。どれだけしかけてあるんた。化け物はいぶかし気に足元を見る。簡単に外れてしまう罠の真意がわからないのだろう。レイヒもわからない。
こういうとき賢さは仇になるのかもしれない。何か意図があるはずだと思うのか、化け物は足元を見てじっと考え込んでいる。
「やっぱり抜けません」
一方シハルは敵の動きを気にかける様子もなく、剣を抜こうとしているようだ。
「そう簡単に抜けるかよ」
ヴァルダはあきれたようにつぶやいた。
「シハルにヴァルダの正体を確認するなら、あれを抜けばいいんじゃないかと提案したんだ」
突然、子供はヴァルダを抱える手に力を込める。
「なんだと」
ヴァルダは牙を剥き出してうなる。暗い目の奥に青い炎のようなものがちらついた。
「シハルには神の加護があるから問題ないでしょ」
無表情だった子供の額から汗が一筋流れ落ちた。よく見るとかなり強くヴァルダを自身の体に押し付けている。
「な、何、何、何? なんでそこでもめてるの?」
次から次へとわけがわからないことをしないで欲しい。オキにいわせるとレイヒは頭が悪いのだ。同時にたくさんのことは理解できない。
シハルはシハルで敵前にもかかわらず大きな剣を抜こうとあれこれやっているし、ハルミはぐったりしているし、化け物は自身の足にかかる罠をじっと見て深く思案している。
「なるほど。そういうことですか」
剣をいじりまわしていたシハルが、突然胸元から例の金色の香を出すと先日と同じように指先で額につける。金色の粉が月の光の中できらきらと舞い落ちた。
「無駄だ」
ヴァルダが低く言い捨てる。
同時に鳥の化け物がうめき声をあげた。見ると両足をがっちりと金色の半円にとらえられている。先ほどとは違いどれだけ暴れても外れる様子がない。
シハルはそんな敵の前にすっと背筋を伸ばして立つ。そして目の前に剣をかかげると、先ほどまでの苦戦が嘘のようにすらりと鞘が外れる。
「なんだと! あいつ! 抜きやがった!」
ヴァルダが子供の腕の中で大暴れしているが、なぜかその細い腕の中から逃れられない。
「土人形の中にいてはどうにもならないよね。あれじゃあ、シハル、死んじゃうかもしれないよ。出てきた方がいいんじゃない?」
「てめぇが手を貸したのか」
「僕は何もしてないけど」
なんでもなさそうな口調だが、子供の顔色は最悪だ。青白い顔にはいく筋も汗が流れていた。それでもヴァルダを必死に押さえつけている。なぜここでもわけのわからん戦いが勃発しているのだろう。あの剣、そんな危険物なのだろうか。レイヒはそろりとオキの後ろに隠れた。
「よせ! 人間に扱えるもんじゃねぇんだよ!」
こっちが大騒ぎになっているのにシハルは抜いた剣を大きく振りあげてすっと空を薙ぐ。そのまま腰を落としてまた目の前にかかげた。心得がないとヴァルダはいっていたが、はっとするくらいにきれいな動きだ。何となくばあちゃんの動きに似ていると思ったが、妙な儀式などをするときの舞に似ているからかもしれない。
「剣舞の心得はあるようですね」
ハルミがほぼ地面に伏せたような姿勢でつぶやいた。顔色が悪くなってきたような気がする。
シハルはそのまま剣をかまえて、なめらかな動きで化け物に向ける。罠にかかって暴れていた化け物はその赤い目をまたすっと細めた。
「わかった。交渉に応じよう」
化け物が急に態度を変えた。意外と調子のいいやつだ。
「時間稼ぎですか。そうはいきません」
しかしシハルの方は応じる様子もなく剣をかまえて、化け物の足元を薙ぐように振るった。
速い。舞のような動きとはまた違う。
「器用に真似しやがって」
ヴァルダがうめきながら短い手足をバタつかせた。申し訳ないがかわいい。
シハルの一撃に化け物の両足は簡単に切断される。恐るべき切れ味だ。しかしそのおかげというべきか、罠から解放された化け物は、どす黒い血をまき散らしながら空に逃れる。痛みを感じている様子がないのが気持ち悪いと思っていると、ずるずると足先が再生した。レイヒは「うわあ」と、目をそらす。
しかし長い間飛ぶことはできないようで、すぐに降りてきた。それを読んでいたかのようにまたシハルの剣がひらめく。やはり速くて的確な攻撃だ。とらえたと思ったところでなぜか切先がわずかにそれてしまう。どうしたのだろう。
「限界だ。食われる」
ヴァルダのぞっとするような低い声がした。
ふと、レイヒは空を見上げる。
「花びら?」
桃色の花びらが舞っていたように見えた。花の咲く木があるとは聞いたことがないし、気のせいだろうか。
視線を戻した次の瞬間、なぜかシハルがその場で膝をついた。同時に地面からいくつもの金色の光がはじけるように散る。あの罠が全部割れてしまった。
「毎度毎度、むちゃくちゃしやがって」
ヴァルダの声は思ってもない方から聞こえた。
レイヒは何が起こっているのか理解できない。
「誰?」
剣を握ったシハルの腕を赤い髪をした長身の男が支えていた。なぜかシハルの腕はずたずたに切り裂かれたように血まみれだ。男は壊れ物を扱うかのような手つきでゆっくりとシハルの手から剣を外そうとする。
「人間ごときがここまで持ちこたえるとは思わなかった……」
レイヒは見慣れない昔のばあちゃんの姿に目を奪われていた。物心ついた頃にはばあちゃんはもはや妖怪のような存在だったため、まだ人間味が残っているのは新鮮だ。記憶の持ち主であるハルミはどう感じているんだろう。視線を向けるとハルミは跪いてぐったりしている。敵がシハルを追っている隙にオキが避難させたが、明らかに早く手当しないと死ぬ感じだ。刺さっている羽根は抜かない方がいいとオキがいうのでそのままだが、傷を見るとあまりに痛そうでレイヒまで顔がしわくちゃになってしまう。早くこの場を何とかしなくては。
山の中にしては不自然に開けている場所だが、あの屋敷があった場所だと考えると広くはない。それでも不思議とシハルは化け物につかまらなかった。危なげなく棒の攻撃をすり抜けていく。舞を舞うように軽やかだ。
ヴァルダはあの子供に抱きかかえられたまま「いい加減放せ」と暴れていた。そういえばあんなにヴァルダを避けている様子だった子供がなぜ急にヴァルダを抱きかかえたりしたのだろう。
その間もシハルは化け物の棒による攻撃をただ避けているだけだ。反撃に出る様子はない。
「あいつは所詮神官崩れだ。動ける方なのは間違いないが、ちゃんとした武術の心得があるわけじゃねぇ」
でも仕留めるとかいってたし、何か考えがあるんじゃないかとレイヒは思ったりしたのだが。
「シハル、くだらない小細工をしてないで俺を呼べ」
ヴァルダが声をあげたが、シハルはちらりとこちらを見て微笑んだ。何か楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。月の光で琥珀色の目がきらりとかがやいた。
そのとき澄んだ音が辺りに響く。この音は屋敷に入る前にも聞いた気がする。シハルが持っていた半円の棒がぶつかり合う音じゃなかったか。途端に化け物の動きが止まり、その姿が溶けるように禍々しいものに変わってゆく。月光に濡れたような黒い羽がぬらぬらと光った。しかし鳥特有の細い足は金色の半円にがっちりとはまっている。逃げ回りながらあれを罠みたいに撒いていたのだろうか。まったく気づかなかった。
「結界は手慣れた様子ですが弱すぎる。あれではどうにもなりません。私が動ければ……」
ハルミはぜいぜいと肩で息をしている。しんどいならしゃべらなければいいのに。怪我のわりにはまだ余裕がありそうに見える。
「この弱々しい結界はなんのつもりだ」
化け物が大きな黒い翼をばたつかせると甲高い音が響いてその足元から金色の光が飛び散った。しかし一歩進むとまたもう一方の足に半円がかかる。
白目のない真っ赤な目を細めてそいつはゆっくりと辺りを見渡した。まるでこちらの顔に書いてある何かを読んでいくかのようだ。もしかして記憶を探っているか。交渉で前面に出てくるやつだから、きっとオキみたいに賢いんだろう。油断できない。レイヒは今度こそ余計なことを言わないように口を引き結んで目をそらした。
敵を前にしているのにも関わらず、シハルは布で巻かれた細長い荷物を取り出して何かをしている。
「勝手に触るんじゃねぇよ」
ヴァルダが凶悪な声でうなる。
シハルが取り出したのは一振りの大きな剣だった。めちゃくちゃ重そうに見えるが、何でもないような顔でそれを持ちあげる。
またあの甲高い音が響き化け物の足元で金色の光が散った。しかしすぐにまた別の半円がかかる。どれだけしかけてあるんた。化け物はいぶかし気に足元を見る。簡単に外れてしまう罠の真意がわからないのだろう。レイヒもわからない。
こういうとき賢さは仇になるのかもしれない。何か意図があるはずだと思うのか、化け物は足元を見てじっと考え込んでいる。
「やっぱり抜けません」
一方シハルは敵の動きを気にかける様子もなく、剣を抜こうとしているようだ。
「そう簡単に抜けるかよ」
ヴァルダはあきれたようにつぶやいた。
「シハルにヴァルダの正体を確認するなら、あれを抜けばいいんじゃないかと提案したんだ」
突然、子供はヴァルダを抱える手に力を込める。
「なんだと」
ヴァルダは牙を剥き出してうなる。暗い目の奥に青い炎のようなものがちらついた。
「シハルには神の加護があるから問題ないでしょ」
無表情だった子供の額から汗が一筋流れ落ちた。よく見るとかなり強くヴァルダを自身の体に押し付けている。
「な、何、何、何? なんでそこでもめてるの?」
次から次へとわけがわからないことをしないで欲しい。オキにいわせるとレイヒは頭が悪いのだ。同時にたくさんのことは理解できない。
シハルはシハルで敵前にもかかわらず大きな剣を抜こうとあれこれやっているし、ハルミはぐったりしているし、化け物は自身の足にかかる罠をじっと見て深く思案している。
「なるほど。そういうことですか」
剣をいじりまわしていたシハルが、突然胸元から例の金色の香を出すと先日と同じように指先で額につける。金色の粉が月の光の中できらきらと舞い落ちた。
「無駄だ」
ヴァルダが低く言い捨てる。
同時に鳥の化け物がうめき声をあげた。見ると両足をがっちりと金色の半円にとらえられている。先ほどとは違いどれだけ暴れても外れる様子がない。
シハルはそんな敵の前にすっと背筋を伸ばして立つ。そして目の前に剣をかかげると、先ほどまでの苦戦が嘘のようにすらりと鞘が外れる。
「なんだと! あいつ! 抜きやがった!」
ヴァルダが子供の腕の中で大暴れしているが、なぜかその細い腕の中から逃れられない。
「土人形の中にいてはどうにもならないよね。あれじゃあ、シハル、死んじゃうかもしれないよ。出てきた方がいいんじゃない?」
「てめぇが手を貸したのか」
「僕は何もしてないけど」
なんでもなさそうな口調だが、子供の顔色は最悪だ。青白い顔にはいく筋も汗が流れていた。それでもヴァルダを必死に押さえつけている。なぜここでもわけのわからん戦いが勃発しているのだろう。あの剣、そんな危険物なのだろうか。レイヒはそろりとオキの後ろに隠れた。
「よせ! 人間に扱えるもんじゃねぇんだよ!」
こっちが大騒ぎになっているのにシハルは抜いた剣を大きく振りあげてすっと空を薙ぐ。そのまま腰を落としてまた目の前にかかげた。心得がないとヴァルダはいっていたが、はっとするくらいにきれいな動きだ。何となくばあちゃんの動きに似ていると思ったが、妙な儀式などをするときの舞に似ているからかもしれない。
「剣舞の心得はあるようですね」
ハルミがほぼ地面に伏せたような姿勢でつぶやいた。顔色が悪くなってきたような気がする。
シハルはそのまま剣をかまえて、なめらかな動きで化け物に向ける。罠にかかって暴れていた化け物はその赤い目をまたすっと細めた。
「わかった。交渉に応じよう」
化け物が急に態度を変えた。意外と調子のいいやつだ。
「時間稼ぎですか。そうはいきません」
しかしシハルの方は応じる様子もなく剣をかまえて、化け物の足元を薙ぐように振るった。
速い。舞のような動きとはまた違う。
「器用に真似しやがって」
ヴァルダがうめきながら短い手足をバタつかせた。申し訳ないがかわいい。
シハルの一撃に化け物の両足は簡単に切断される。恐るべき切れ味だ。しかしそのおかげというべきか、罠から解放された化け物は、どす黒い血をまき散らしながら空に逃れる。痛みを感じている様子がないのが気持ち悪いと思っていると、ずるずると足先が再生した。レイヒは「うわあ」と、目をそらす。
しかし長い間飛ぶことはできないようで、すぐに降りてきた。それを読んでいたかのようにまたシハルの剣がひらめく。やはり速くて的確な攻撃だ。とらえたと思ったところでなぜか切先がわずかにそれてしまう。どうしたのだろう。
「限界だ。食われる」
ヴァルダのぞっとするような低い声がした。
ふと、レイヒは空を見上げる。
「花びら?」
桃色の花びらが舞っていたように見えた。花の咲く木があるとは聞いたことがないし、気のせいだろうか。
視線を戻した次の瞬間、なぜかシハルがその場で膝をついた。同時に地面からいくつもの金色の光がはじけるように散る。あの罠が全部割れてしまった。
「毎度毎度、むちゃくちゃしやがって」
ヴァルダの声は思ってもない方から聞こえた。
レイヒは何が起こっているのか理解できない。
「誰?」
剣を握ったシハルの腕を赤い髪をした長身の男が支えていた。なぜかシハルの腕はずたずたに切り裂かれたように血まみれだ。男は壊れ物を扱うかのような手つきでゆっくりとシハルの手から剣を外そうとする。
「人間ごときがここまで持ちこたえるとは思わなかった……」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる