36 / 83
第36話「脅迫犯がぼくのお母さんが死んだことを知っている」
しおりを挟む
くちゅ、くちゅ、くちゅ。
麗羅のオナニーの音が響く。スマホの画面いっぱいに表示された麗羅の姿はフィルタがかかっていて、もともと可愛いのに輪をかけてすごい美少女にみえる。無毛の割れ目が指先のマッサージにくるくる回転する。指を沈めて出し入れする。麗羅はパジャマの上だけを羽織って、前ははだけて乳房も顕になり、片手で胸を揉む。
そうだ、麗羅は誰かにオナニー動画を送れと脅迫を受けていた。その脅迫に屈したのか。それで、今日の撮影をドタキャンしたのか。
ぼくは動画を止めて麗羅に通話発信する。出ない。再度発信する。やっぱり出ない。
誰かに相談すべきか迷う。梨衣菜さんやレイチェルに相談しても、これは解決できそうにない。シシドという人物が、プラジェルのフォーラムに攻撃的なメッセージを書き込んでいた人物と同じならば、ハッカーのようなヤツだろう。そんな相手を誤魔化したりやっつけたりできるわけがない。匿名の悪意に直面して、いままで感じたことのない恐怖を知る。
スマホが振動して飛び上がりそうになる。
シシド『いま動画再生したな? シコってんの? ヤリチンの優亜くんはオナ専の童貞ワタナベくんとは違うか』
シシド『みたら返事しろよ。プラジェルの動画、お前のお友達にも送るよ』
シシド『お前カーチャン死んだんだろ? それくらいお見通しだよこの野郎、早く返事しろって』
連続でメッセージが送られてくる。怖くてスマホの電源を切ってしまう。
チリチリした痺れが腕全体を覆う。ズキズキと鬱血した感覚と、頭の奥にある異物感に気づく。これはいつからだ。随分前から兆候があったのに、今日は色々なことが急展開しすぎて気づかなかった。だめだ、間に合わないかも。
震える手で鞄から薬を取り出す。鼻腔スプレーに薬を装填しようとして、床に落としてしまう。アンプルが何本も転がって、ベッドの下にまで入り込む。慌てて床に這いつくばると、ギュウウウウウウウウッと脳を掴まれるような強烈な痛みに襲われ、情けない裏声で絶叫する。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛痛痛。
床の上で頭を抱えてのたうち回る。額をベッドの腹に打ち付ける。床に落ちていた辞書を拾って、自分の頭を叩く。内側から針で刺されるような激痛のあと、すさまじい鈍痛が鳴り響く。じわーっと目頭が熱くなり、涙とともに鼻血がボタボタ滴る。いっそ死にたい。脳味噌を抉り出したい。
ペン立てからボールペンを取る。他のペンを散らばす。ペン先を自分の目に向ける。目玉をほじくり返して、指でこの異物を取り出してやる。畜生、痛い、怖い、怖い、怖い。恐ろしくてペンを壁に投げつける。畜生、痛い、痛い、痛い、痛い。
ペンを投げつけた壁を中心に、黒い血管のようなものが拡がり始める。部屋全体を覆い尽くす。その血管がメリメリと盛り上がって、人の顔の形になる。黒い顔で、ぼくをみつめて笑っている。オマエ、カーチャン、シンダンダロ?
「なんで、知ってるんだ! なんで、ぼくの、お母さんが、死んだことを、知ってるんだ! わかったぞ、お前、お前が誰かわかったぞ」
麗羅のオナニーの音が響く。スマホの画面いっぱいに表示された麗羅の姿はフィルタがかかっていて、もともと可愛いのに輪をかけてすごい美少女にみえる。無毛の割れ目が指先のマッサージにくるくる回転する。指を沈めて出し入れする。麗羅はパジャマの上だけを羽織って、前ははだけて乳房も顕になり、片手で胸を揉む。
そうだ、麗羅は誰かにオナニー動画を送れと脅迫を受けていた。その脅迫に屈したのか。それで、今日の撮影をドタキャンしたのか。
ぼくは動画を止めて麗羅に通話発信する。出ない。再度発信する。やっぱり出ない。
誰かに相談すべきか迷う。梨衣菜さんやレイチェルに相談しても、これは解決できそうにない。シシドという人物が、プラジェルのフォーラムに攻撃的なメッセージを書き込んでいた人物と同じならば、ハッカーのようなヤツだろう。そんな相手を誤魔化したりやっつけたりできるわけがない。匿名の悪意に直面して、いままで感じたことのない恐怖を知る。
スマホが振動して飛び上がりそうになる。
シシド『いま動画再生したな? シコってんの? ヤリチンの優亜くんはオナ専の童貞ワタナベくんとは違うか』
シシド『みたら返事しろよ。プラジェルの動画、お前のお友達にも送るよ』
シシド『お前カーチャン死んだんだろ? それくらいお見通しだよこの野郎、早く返事しろって』
連続でメッセージが送られてくる。怖くてスマホの電源を切ってしまう。
チリチリした痺れが腕全体を覆う。ズキズキと鬱血した感覚と、頭の奥にある異物感に気づく。これはいつからだ。随分前から兆候があったのに、今日は色々なことが急展開しすぎて気づかなかった。だめだ、間に合わないかも。
震える手で鞄から薬を取り出す。鼻腔スプレーに薬を装填しようとして、床に落としてしまう。アンプルが何本も転がって、ベッドの下にまで入り込む。慌てて床に這いつくばると、ギュウウウウウウウウッと脳を掴まれるような強烈な痛みに襲われ、情けない裏声で絶叫する。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛痛痛。
床の上で頭を抱えてのたうち回る。額をベッドの腹に打ち付ける。床に落ちていた辞書を拾って、自分の頭を叩く。内側から針で刺されるような激痛のあと、すさまじい鈍痛が鳴り響く。じわーっと目頭が熱くなり、涙とともに鼻血がボタボタ滴る。いっそ死にたい。脳味噌を抉り出したい。
ペン立てからボールペンを取る。他のペンを散らばす。ペン先を自分の目に向ける。目玉をほじくり返して、指でこの異物を取り出してやる。畜生、痛い、怖い、怖い、怖い。恐ろしくてペンを壁に投げつける。畜生、痛い、痛い、痛い、痛い。
ペンを投げつけた壁を中心に、黒い血管のようなものが拡がり始める。部屋全体を覆い尽くす。その血管がメリメリと盛り上がって、人の顔の形になる。黒い顔で、ぼくをみつめて笑っている。オマエ、カーチャン、シンダンダロ?
「なんで、知ってるんだ! なんで、ぼくの、お母さんが、死んだことを、知ってるんだ! わかったぞ、お前、お前が誰かわかったぞ」
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる