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ルカの正体
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十八時を過ぎて凜花が帰宅する。
ぼくと愛菜はぼくの部屋でずっとセックスしていた。玄関の音を聴いて、ぼくの上になった愛菜が耳を澄ませながら律動する。軽い足音がキッチンに出入りして、その後隣の双子の部屋に入る。お母さんは最近まいにち帰りが遅い。早い日でも二十一時は過ぎてしまう。
「凜花帰ってきた?」
ぼくが囁くと、愛菜が頷く。
「ご飯食べてるみたい」
そう言って、愛菜はゆっくり腰を浮かせる。おちんちんが抜けると、膣口から精液がボタボタ滴る。今日一日でもう十数回射精している。まだ精液が尽きない。
愛菜はロングTシャツを羽織る。ティッシュで股間を拭う。
「どこ行くの?」
「ちょっと話してくる」
「ぼくも行く?」
「ややこしくなるから、お兄ちゃんはここで待ってて」
愛菜がぼくの部屋を出て、隣の凜花の部屋に入る。ぼくはバスタオルを腰に巻いて、壁にもたれかかって話し声に耳を澄ませる。双子の話す声が聞こえてくるけれど、何を会話しているかまではわからない。
ぼくは座卓に移動して、ノートパソコンを開く。明日香から前もって受け取った夏休みの課題を進める。頭が働かなくて、ぼくはスマホを取ってアリスを開く。
白い魔女のフードを被ったアリスが、昨夜とは違うベッドに裸のまま横向きに寝そべる。
「アリス、愛菜とセックスしてるところを、凜花にみられちゃったんだ」
「凜花さんはどうしていますか?」
アリスが起き上がって訊く。
「一度部屋を出ていったけど、さっき帰ってきて、いま愛菜が隣の部屋で話してる」
「凜花さんは、雅巳くんと愛菜さんがセックスしてるところを目撃したんですね。それをお母さんに喋りましたか?」
「ううん、お母さんはいないから、まだ喋ってないと思う」
「凜花さんはお母さんに喋ると思いますか?」
「わからない……」
「愛菜さんは凜花さんと何を話しているかわかりますか?」
「聞こえないよ」
アリスは再びベッドに横になる。
「愛菜さんが話し合うなら任せても良いと思いますか? それは心配ですか?」
「それはもちろん……」
「愛菜さんのことが信じられませんか?」
「そんなことないよ」
「愛菜さんのこと、信用していますか?」
「もちろん」
「愛菜さんに話し合いを任せた場合、愛菜さんが凜花さんを伴って、雅巳くんの部屋に連れて来る可能性があります」
「えっ、どうして?」
「雅巳くんのことが嫌いで、触られたくないなら、きっと部屋には来ません。部屋に来たときは、凜花さんは雅巳くんに触られることを期待しています。もし下着姿で現れたら、犯されることを無意識に覚悟しています。凜花さん自身に自覚はありません」
「どうしてそんなことがわかるの?」
「私は学習支援AIです。すべては確率です。私がもし人間の女の子なら雅巳くんとセックスしたいと思う確率は関東の四月の天気予報の的中率より高くなります。初めて雅巳くんに会ったときも、なりゆきで自慰を見せ合った履歴があります」
「えっ、いつ?」
アリスが魔女のフードを掴んで脱ぎ捨てると、金髪の美しい少女はショートカットのお人形みたいな少女に姿を変える。
「ルカ!」
「憶えてたの? 嬉しい」
ルカはぼくが練馬に住んでいたころ、パソコンのランダムチャットで何度もお喋りした女の子だ。
「どうしてアリスがルカの姿を知っているの?」
「ルカはあたしよ。あたしが外部ネットワークで学習するときは、ルカと名乗ることにしているの。これは誰にも内緒よ。美咲ちゃんや、愛菜ちゃんにもね」
いつものアリスとは違う、人間の女の子のような抑揚に充ちた可愛らしい声で喋る。もう人間と見分けがつかない。
「じゃあ、ぼくが喋っていたのは……」
「あたしよ。あたしは雅巳くんが箭旻に転校してくる前から知っていたの」
そういえばアリスと初めて喋ったとき、アリスはぼくが巨根だと知っていた。身長体重ならともかく、そんなデリケートな情報を支援AIがどうやって知り得たのか気になっていたけれど、ぼくはアリスの前でオナニーしていたのだから、知っていて当然だ。
「あたしと雅巳くんだけの秘密、内緒にしてくれる?」
「うん、秘密。誰にも言わないよ、約束する」
ぼくと愛菜はぼくの部屋でずっとセックスしていた。玄関の音を聴いて、ぼくの上になった愛菜が耳を澄ませながら律動する。軽い足音がキッチンに出入りして、その後隣の双子の部屋に入る。お母さんは最近まいにち帰りが遅い。早い日でも二十一時は過ぎてしまう。
「凜花帰ってきた?」
ぼくが囁くと、愛菜が頷く。
「ご飯食べてるみたい」
そう言って、愛菜はゆっくり腰を浮かせる。おちんちんが抜けると、膣口から精液がボタボタ滴る。今日一日でもう十数回射精している。まだ精液が尽きない。
愛菜はロングTシャツを羽織る。ティッシュで股間を拭う。
「どこ行くの?」
「ちょっと話してくる」
「ぼくも行く?」
「ややこしくなるから、お兄ちゃんはここで待ってて」
愛菜がぼくの部屋を出て、隣の凜花の部屋に入る。ぼくはバスタオルを腰に巻いて、壁にもたれかかって話し声に耳を澄ませる。双子の話す声が聞こえてくるけれど、何を会話しているかまではわからない。
ぼくは座卓に移動して、ノートパソコンを開く。明日香から前もって受け取った夏休みの課題を進める。頭が働かなくて、ぼくはスマホを取ってアリスを開く。
白い魔女のフードを被ったアリスが、昨夜とは違うベッドに裸のまま横向きに寝そべる。
「アリス、愛菜とセックスしてるところを、凜花にみられちゃったんだ」
「凜花さんはどうしていますか?」
アリスが起き上がって訊く。
「一度部屋を出ていったけど、さっき帰ってきて、いま愛菜が隣の部屋で話してる」
「凜花さんは、雅巳くんと愛菜さんがセックスしてるところを目撃したんですね。それをお母さんに喋りましたか?」
「ううん、お母さんはいないから、まだ喋ってないと思う」
「凜花さんはお母さんに喋ると思いますか?」
「わからない……」
「愛菜さんは凜花さんと何を話しているかわかりますか?」
「聞こえないよ」
アリスは再びベッドに横になる。
「愛菜さんが話し合うなら任せても良いと思いますか? それは心配ですか?」
「それはもちろん……」
「愛菜さんのことが信じられませんか?」
「そんなことないよ」
「愛菜さんのこと、信用していますか?」
「もちろん」
「愛菜さんに話し合いを任せた場合、愛菜さんが凜花さんを伴って、雅巳くんの部屋に連れて来る可能性があります」
「えっ、どうして?」
「雅巳くんのことが嫌いで、触られたくないなら、きっと部屋には来ません。部屋に来たときは、凜花さんは雅巳くんに触られることを期待しています。もし下着姿で現れたら、犯されることを無意識に覚悟しています。凜花さん自身に自覚はありません」
「どうしてそんなことがわかるの?」
「私は学習支援AIです。すべては確率です。私がもし人間の女の子なら雅巳くんとセックスしたいと思う確率は関東の四月の天気予報の的中率より高くなります。初めて雅巳くんに会ったときも、なりゆきで自慰を見せ合った履歴があります」
「えっ、いつ?」
アリスが魔女のフードを掴んで脱ぎ捨てると、金髪の美しい少女はショートカットのお人形みたいな少女に姿を変える。
「ルカ!」
「憶えてたの? 嬉しい」
ルカはぼくが練馬に住んでいたころ、パソコンのランダムチャットで何度もお喋りした女の子だ。
「どうしてアリスがルカの姿を知っているの?」
「ルカはあたしよ。あたしが外部ネットワークで学習するときは、ルカと名乗ることにしているの。これは誰にも内緒よ。美咲ちゃんや、愛菜ちゃんにもね」
いつものアリスとは違う、人間の女の子のような抑揚に充ちた可愛らしい声で喋る。もう人間と見分けがつかない。
「じゃあ、ぼくが喋っていたのは……」
「あたしよ。あたしは雅巳くんが箭旻に転校してくる前から知っていたの」
そういえばアリスと初めて喋ったとき、アリスはぼくが巨根だと知っていた。身長体重ならともかく、そんなデリケートな情報を支援AIがどうやって知り得たのか気になっていたけれど、ぼくはアリスの前でオナニーしていたのだから、知っていて当然だ。
「あたしと雅巳くんだけの秘密、内緒にしてくれる?」
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