上 下
51 / 109
第2部

第11話「店のキャストに誘われる顛末」

しおりを挟む
 シャワーボックスから出ると、黒いドレスのレダが近づいて、ぼくにバイザーを返してくれる。有線する。決済画面で八千クレジットを受け取る。二千クレジットが課税される。そうだ、ぼくはまだ市民のままだった。

「半日でこれだけ稼げるんだから、ウチでキャストとして働かないかい?」
「ありがとうございます、今のところを追い出されたらお願いするかも」
「住むところだってウチで手配するよ、考えておいて」

 レダは金色の歯をみせて笑い、女達に声をかけてからバックヤードから出ていく。ユリアとエレナは全裸のままメイクをやり直している。ぼくが服を着ていると、赤毛の女が「もう帰るの?」と言う。

「夜は酒飲みの上客が多いから、楽して稼げるよ」
「夜までに帰らないと、ママに叱られるんだ」
「そーいや、リオって十七歳だよね。ママも美人なの?」
「いや、ママはボブ・マーリーみたいだよ」
「アハハ、誰それ」

 エレナが来たときと違う黒いフロントオープンのレオタードを着て、肩と腕だけを覆うシュラグをつける。乳首にチェーンつきのニップレスをつけて立ち上がる。性器が露出する衣装なのに、股間になにもつけない。
 ユリアも違う衣装に着替えると、周りの女たちの頬にキスをして、ぼくの腕をひいて店を出る。

 店の裏に、ヴィクトールの車が待っていた。後部座席に乗り込むと、ヴィクトールがエンジンをかける。バックミラーを傾ける。

「どうだった?」
「何が?」とユリア。
「クラウディア・ギリエン」
「あー、言いなりだったよ。こっちが廃工場を指定したら、すんなり取引に応じるって。十ケースって、結構デカイと思うんだけど」
「デカイから逆に疑われないんだよ、ソーシャルハックの基本だぜ」
「ヴィクトール、あんたさあ、あたしたちをモニタしてた?」
「できねえよ、店の中、閉域だし」
「なんかみられてるかんじがして、ずっとゾワゾワしてたんだけど」
「こーゆー店って見られ放題じゃねーの?」

 車が走り出す。ユリアとエレナが座席を倒して、ぼくに寄り添う。脚を絡める。勃起がおさまらない陰茎をシャツの上から撫でる。エレナがぼくと舌を絡め合う。ユリアがシャツを捲くりあげて、陰茎に舌を巻きつける。
 ヴィクトールがローファイのジャズを流す。

「お前らやりまくったばかりだろ、セーフハウスに戻るまで我慢できねーのかよ」
「好きでもない女と仕事でファックしてたんだよ、嫌ならシールド下ろしてよ」
「リオ、そこでぶっ放すなよ。掃除させるぞ」

 ヴィクトールが言う。ユリアがぼくを跨ぎ、フロントオープンのレオタードのまま、ぼくの陰茎を濡れた割れ目にちゅるるるっと沈めてしまう。
 ヴィクトールは運転席と後部座席の間の黒いシールドを下ろしてしまう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

俺がカノジョに寝取られた理由

下城米雪
ライト文芸
その夜、知らない男の上に半裸で跨る幼馴染の姿を見た俺は…… ※完結。予約投稿済。最終話は6月27日公開

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした

田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。 しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。 そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。 そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。 なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。 あらすじを読んでいただきありがとうございます。 併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。 より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!

ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】 人間を洗脳し、意のままに操るスキル。 非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。 「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」 禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。 商人を操って富を得たり、 領主を操って権力を手にしたり、 貴族の女を操って、次々子を産ませたり。 リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』 王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。 邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

処理中です...