30 / 36
第四章 あなたと友達になれない
前兆
しおりを挟む
「ここのお店、どこも植物が多くて素敵ですね。さっき……」
小春が話しかけると、戸塚は弾かれたように顔を上げた。後ろから話しかけたから驚いたのだろう。
けれど小春は、すぐに手洗いに行くまでに通った道のことを共有したくなったのだ。
しかし、顔を強ばらせているように見える戸塚を見て小春は続きを話すのをやめる。すこし馴れ馴れしかったかもしれない。
「もう帰ってきたの?」
「手だけ洗って来ました。パンを触った手がお手拭きで拭ってもベタベタしたのが取れなかったんです」
「そうだったんだ」
小春は席に座り、コーヒーカップを持つ。そっと顔を近づけると、ナッツやキャラメルのような香ばしい匂いがした。そのまま一口飲んで、小春はほっと息をつく。
「コーヒー、美味しいですね」
「……ええ」
明音はコーヒーカップを持った頷いた。歯切れの悪い反応に、小春はどうしたのだろうと彼女を見つめる。
すると、明音はゆっくりとカップを持ち上げて口に運んだ。
「……っ」
明音の喉がコクリと動く。
そして強ばっていた表情を解き、薔薇のように赤い唇がゆるりと笑みを描いた。
「……美味しいね」
小春はほっとして、明音から視線を外してコーヒーを見る。
ところで、呼び出された理由は何だったのだろうか。今、聞くべきか小春は迷った。
けれど二度も同じ質問を繰り返すのも、しつこい気がして黙っておく。そのうち、明音から話すだろう。心の準備が必要な話題なのかもしれない。
再び明音を見ると、彼女は心の底からコーヒーを楽しんでいるようだった。体はすこし揺れ、目がぱっちりと開いてコーヒーばかりを見つめている。
あれ、と小春は思った。落ち着きがないように見えるのだ。
「……大丈夫ですか?」
「えっ……大丈夫だけど。ああ、そうだ。話したいことがあったんだ。これを飲んだ後でもいい? できればあまり人がいないところがいいの。私が知っている喫茶店があって、そこなら人がほとんどいないからゆっくり話せると思うの」
一度も喋ったことのない人と、落ち着ける場所まで言って話すこととは何だろう。
もしくは喋ったことがない人だからこそ、言えるようなことなのかもしれない。カフェで話しただけでも、明音には悩みが多そうだ。他の女性みたいに、柊のことであれこれ聞かれるのかと思ったが、そうでもなさそうだ。
二人はコーヒーを飲み干すと、カフェを出た。
「喫茶店ってどこですか」
「電車に乗って二つ目の駅から歩いたところ」
「……電車」
「どうしたの、古川さん」
小春は電車に乗って移動することを想定していなかった。正直に電車には乗れないと話すべきだろうか。しかし、二つ目の駅なのだから長時間乗るわけでもない。
すこし我慢するだけだ、と小春は言い聞かせる。案外、乗ってみたら平気になっているかもしれないから。
「何でもないです。行きましょうか」
駅の中に入ると、小春は電車の動く音に耳を塞ぎたくなった。
思わず立ち止まりそうになると、明音は小春がどこに行けばいいのか迷っているように見えたのだろう。「こっち」と小春の腕をつかんでずんずんと前へ進んでいく。ちょうど停車した電車に乗り込み、ほどなくして電車が動き始めた。
小春のひたいに汗が浮き出る。心臓は疲れて動かなくなってしまわないか心配になるほど、鼓動が速かった。
――何だろう、これ。
ガタン、ガタン、と電車が揺れる。その音を聞くだけで小春は体がちゃんとあるのか気になって、腕で自分の体を抱きしめる。そうしないと肉体がちぎれてしまうようで、ゾワゾワするのだ。揺れる時に浮遊感があるからだろうか。
今まではこれほど、気持ち悪いと感じなかった。
全身に鳥肌が立っている。
体だけが何かに怯え、警告をしているかのようだった。帰りたい。帰って、顔を洗ってパジャマに着替えて布団の中に入ってしまいたかった。悪夢を見ているようで、気が遠くなる。
「降りようか。あれ、気分が悪いの?」
「あ……ちょっとだけ」
「喫茶店に行ったらすこし休めるから、もうちょっとだけ歩ける?」
「……はい」
ようやく電車から離れ、小春は安堵する。
けれど一度悪くなった気分がすぐに戻ることはない。
小春は明音に腕を掴まれ、足を動かす。この方がはぐれなくてすむので助かっていた。……けれど明音は時々、手の力が強くなる。小春がたまに、よたよたと歩いてしまうせいだろうか。明音の体がぐらつくこともあった。
駅を出て、明音はずんずんと突き進む。
小春は都会の人って歩くのが速いなぁとぼんやり考えていた。
それにしても、いつまで歩くのだろう。
小春が顔を上げると、周囲には誰もいなかった。進めば進むほど、東京とは思えないほど寂れた景色になっていく。
「この先に、喫茶店があるんですか?」
「うん。ちょっと寂れたところだけど……」
本当に?
その言葉を小春は飲み込む。
狭い道路を歩きながら、周囲の建物に目を向ける。豆腐店と書かれた小さな建物はかなり錆びて廃れており、クリーニングの看板がある建物はシャッターが閉まっている。コインランドリーも何年前の建物だろうかというほど、古く寂れている。木造の民家が並んでいる場所もあるが、人の声はしない。家の壁は植物に食べられてしまったかのような様をしていた。解体を待つような雰囲気だ。
それでもさらに奥を見れば、ビルのような建物が見える。あの辺りは栄えているのだろうか。
そう信じて進むが、目立っていたビルはこれもまた死んでいそうな雰囲気を漂わせていた。何年前に建てられたものだろう。外観だけを見ても、色あせているのが分かる。小春の実家にあるおじいちゃんのポロシャツみたいな、元は白色のものが黄ばんでくしゃくしゃになったような見た目だ。
ここに人はいない。
声も足音も、小春と明音の分しかない。
小春は掴まれた腕を見る。
明音の手は服の袖がめくれて、細い手首から先が見えていた。皮膚には幾つも線ができている。塞がりかけた傷を何度も痛めつけたような跡が残っていた。
「戸塚さん、実は私も聞きたいことがあって……」
「お店についてから話そうよ」
「でも、まだ先になりそうだから。それにたいしたことでもないんです」
「分かった、何」
本心では、このまま逃げてしまいたかった。
しかし、困ったことに電車を出てから小春は気分が悪くなって下ばかり見て歩いていたのだ。
どういう道順で歩いてきたのか覚えていない。十分近くは歩いたはずだ。その間、右に行ったり左に行ったりしていた。
「私のホワスタ、どうやって知ったんですか」
最初は疑うつもりで聞きに行ったわけではなかった。この程度のことなら、ネット上で質問できることだ。それでも、顔を見て話した方がいいと思った。小春は文字だけの会話が不得意だ。自分の言葉を相手がどう捉えているのか不安になる。
しかし、こんなことなら会わない方がよかったのかもしれない。せめて誰かと一緒に明音と会うべきだった。
「どういうこと?」
「私のアカウントの名前は、戸塚さんと違って本名じゃないんです。なのにホワスタを始めてからすこしして、戸塚さんは私の投稿に反応していましたよね」
小春は自分のホワスタのアカウントを柊にしか教えていない。
景色やご飯などの好きな写真を撮ってネット上で並べたいだけだったから、顔写真は載せていなかった。そんな状態でどうやって知ったのだろう。
「どうやって見つけたんですか」
「ああ……」
明音は歩くのをとめてくれない。彼女はデニムパンツとスニーカーだが、小春はフレアスカートに厚底のサンダルだった。同じ性別なのに歩幅はかなり違う。小春は息が上がっており、休みたくて仕方がない。
しかし、腕を強く掴まれていて足をとめられなかった。
そんなことをしたら、どうなってしまうのか。
「たまたま、見つけたんだよ。大学の近くにあるカフェに入ったら、古川さんも近くに座っていたことがあったの。パンケーキだったかな? デザートの写真を撮って、投稿しているのが見えて……それでちょっと思いついたの。検索したら、古川さんのアカウントを見つけられるのかなって」
小春は話を聞きながら明音に掴まれていない左手を動かす。右肩にかけた鞄にそっと手を入れた。
このまま話をしよう。厚底のサンダルで音を立てて、悟られないように隠そう。
まだそうと決まったわけではないが、それでも小春は身の危険を感じていた。なのに大事になってしまうことに対しての抵抗もあり、迷ってしまう。
「そうしたら偶然見つけて、いいねボタンを押したの。古川さん、撮ってすぐに投稿していたから……今はもうしてないよね?」
「は、はい、してないです」
――スマホ、どこだろう。
小春は何だか泣きたくなった。
しかし、まったく涙が出ないから不思議だ。
鞄の中を探る音が出ないように慎重に動かす。
そしてまだ次の会話が来ていないことに気づく。会話を繋いだつもりだったが、一言だけでは足りなかった。
「あの、戸塚さん……」
話しながら、小春は隣の空き家に目が行く。
空き家は道に面した部分がガラス張りで、太陽の光が反射して二人の姿を映し出していた。
そこには顔を前に向けながらも、視線を空き家の方に向けて歩く明音がいる。
彼女の目は小春を監視するように、見ていた。
それはいつからだろう。
ガラス越しに二人の視線が交わった。
小春が話しかけると、戸塚は弾かれたように顔を上げた。後ろから話しかけたから驚いたのだろう。
けれど小春は、すぐに手洗いに行くまでに通った道のことを共有したくなったのだ。
しかし、顔を強ばらせているように見える戸塚を見て小春は続きを話すのをやめる。すこし馴れ馴れしかったかもしれない。
「もう帰ってきたの?」
「手だけ洗って来ました。パンを触った手がお手拭きで拭ってもベタベタしたのが取れなかったんです」
「そうだったんだ」
小春は席に座り、コーヒーカップを持つ。そっと顔を近づけると、ナッツやキャラメルのような香ばしい匂いがした。そのまま一口飲んで、小春はほっと息をつく。
「コーヒー、美味しいですね」
「……ええ」
明音はコーヒーカップを持った頷いた。歯切れの悪い反応に、小春はどうしたのだろうと彼女を見つめる。
すると、明音はゆっくりとカップを持ち上げて口に運んだ。
「……っ」
明音の喉がコクリと動く。
そして強ばっていた表情を解き、薔薇のように赤い唇がゆるりと笑みを描いた。
「……美味しいね」
小春はほっとして、明音から視線を外してコーヒーを見る。
ところで、呼び出された理由は何だったのだろうか。今、聞くべきか小春は迷った。
けれど二度も同じ質問を繰り返すのも、しつこい気がして黙っておく。そのうち、明音から話すだろう。心の準備が必要な話題なのかもしれない。
再び明音を見ると、彼女は心の底からコーヒーを楽しんでいるようだった。体はすこし揺れ、目がぱっちりと開いてコーヒーばかりを見つめている。
あれ、と小春は思った。落ち着きがないように見えるのだ。
「……大丈夫ですか?」
「えっ……大丈夫だけど。ああ、そうだ。話したいことがあったんだ。これを飲んだ後でもいい? できればあまり人がいないところがいいの。私が知っている喫茶店があって、そこなら人がほとんどいないからゆっくり話せると思うの」
一度も喋ったことのない人と、落ち着ける場所まで言って話すこととは何だろう。
もしくは喋ったことがない人だからこそ、言えるようなことなのかもしれない。カフェで話しただけでも、明音には悩みが多そうだ。他の女性みたいに、柊のことであれこれ聞かれるのかと思ったが、そうでもなさそうだ。
二人はコーヒーを飲み干すと、カフェを出た。
「喫茶店ってどこですか」
「電車に乗って二つ目の駅から歩いたところ」
「……電車」
「どうしたの、古川さん」
小春は電車に乗って移動することを想定していなかった。正直に電車には乗れないと話すべきだろうか。しかし、二つ目の駅なのだから長時間乗るわけでもない。
すこし我慢するだけだ、と小春は言い聞かせる。案外、乗ってみたら平気になっているかもしれないから。
「何でもないです。行きましょうか」
駅の中に入ると、小春は電車の動く音に耳を塞ぎたくなった。
思わず立ち止まりそうになると、明音は小春がどこに行けばいいのか迷っているように見えたのだろう。「こっち」と小春の腕をつかんでずんずんと前へ進んでいく。ちょうど停車した電車に乗り込み、ほどなくして電車が動き始めた。
小春のひたいに汗が浮き出る。心臓は疲れて動かなくなってしまわないか心配になるほど、鼓動が速かった。
――何だろう、これ。
ガタン、ガタン、と電車が揺れる。その音を聞くだけで小春は体がちゃんとあるのか気になって、腕で自分の体を抱きしめる。そうしないと肉体がちぎれてしまうようで、ゾワゾワするのだ。揺れる時に浮遊感があるからだろうか。
今まではこれほど、気持ち悪いと感じなかった。
全身に鳥肌が立っている。
体だけが何かに怯え、警告をしているかのようだった。帰りたい。帰って、顔を洗ってパジャマに着替えて布団の中に入ってしまいたかった。悪夢を見ているようで、気が遠くなる。
「降りようか。あれ、気分が悪いの?」
「あ……ちょっとだけ」
「喫茶店に行ったらすこし休めるから、もうちょっとだけ歩ける?」
「……はい」
ようやく電車から離れ、小春は安堵する。
けれど一度悪くなった気分がすぐに戻ることはない。
小春は明音に腕を掴まれ、足を動かす。この方がはぐれなくてすむので助かっていた。……けれど明音は時々、手の力が強くなる。小春がたまに、よたよたと歩いてしまうせいだろうか。明音の体がぐらつくこともあった。
駅を出て、明音はずんずんと突き進む。
小春は都会の人って歩くのが速いなぁとぼんやり考えていた。
それにしても、いつまで歩くのだろう。
小春が顔を上げると、周囲には誰もいなかった。進めば進むほど、東京とは思えないほど寂れた景色になっていく。
「この先に、喫茶店があるんですか?」
「うん。ちょっと寂れたところだけど……」
本当に?
その言葉を小春は飲み込む。
狭い道路を歩きながら、周囲の建物に目を向ける。豆腐店と書かれた小さな建物はかなり錆びて廃れており、クリーニングの看板がある建物はシャッターが閉まっている。コインランドリーも何年前の建物だろうかというほど、古く寂れている。木造の民家が並んでいる場所もあるが、人の声はしない。家の壁は植物に食べられてしまったかのような様をしていた。解体を待つような雰囲気だ。
それでもさらに奥を見れば、ビルのような建物が見える。あの辺りは栄えているのだろうか。
そう信じて進むが、目立っていたビルはこれもまた死んでいそうな雰囲気を漂わせていた。何年前に建てられたものだろう。外観だけを見ても、色あせているのが分かる。小春の実家にあるおじいちゃんのポロシャツみたいな、元は白色のものが黄ばんでくしゃくしゃになったような見た目だ。
ここに人はいない。
声も足音も、小春と明音の分しかない。
小春は掴まれた腕を見る。
明音の手は服の袖がめくれて、細い手首から先が見えていた。皮膚には幾つも線ができている。塞がりかけた傷を何度も痛めつけたような跡が残っていた。
「戸塚さん、実は私も聞きたいことがあって……」
「お店についてから話そうよ」
「でも、まだ先になりそうだから。それにたいしたことでもないんです」
「分かった、何」
本心では、このまま逃げてしまいたかった。
しかし、困ったことに電車を出てから小春は気分が悪くなって下ばかり見て歩いていたのだ。
どういう道順で歩いてきたのか覚えていない。十分近くは歩いたはずだ。その間、右に行ったり左に行ったりしていた。
「私のホワスタ、どうやって知ったんですか」
最初は疑うつもりで聞きに行ったわけではなかった。この程度のことなら、ネット上で質問できることだ。それでも、顔を見て話した方がいいと思った。小春は文字だけの会話が不得意だ。自分の言葉を相手がどう捉えているのか不安になる。
しかし、こんなことなら会わない方がよかったのかもしれない。せめて誰かと一緒に明音と会うべきだった。
「どういうこと?」
「私のアカウントの名前は、戸塚さんと違って本名じゃないんです。なのにホワスタを始めてからすこしして、戸塚さんは私の投稿に反応していましたよね」
小春は自分のホワスタのアカウントを柊にしか教えていない。
景色やご飯などの好きな写真を撮ってネット上で並べたいだけだったから、顔写真は載せていなかった。そんな状態でどうやって知ったのだろう。
「どうやって見つけたんですか」
「ああ……」
明音は歩くのをとめてくれない。彼女はデニムパンツとスニーカーだが、小春はフレアスカートに厚底のサンダルだった。同じ性別なのに歩幅はかなり違う。小春は息が上がっており、休みたくて仕方がない。
しかし、腕を強く掴まれていて足をとめられなかった。
そんなことをしたら、どうなってしまうのか。
「たまたま、見つけたんだよ。大学の近くにあるカフェに入ったら、古川さんも近くに座っていたことがあったの。パンケーキだったかな? デザートの写真を撮って、投稿しているのが見えて……それでちょっと思いついたの。検索したら、古川さんのアカウントを見つけられるのかなって」
小春は話を聞きながら明音に掴まれていない左手を動かす。右肩にかけた鞄にそっと手を入れた。
このまま話をしよう。厚底のサンダルで音を立てて、悟られないように隠そう。
まだそうと決まったわけではないが、それでも小春は身の危険を感じていた。なのに大事になってしまうことに対しての抵抗もあり、迷ってしまう。
「そうしたら偶然見つけて、いいねボタンを押したの。古川さん、撮ってすぐに投稿していたから……今はもうしてないよね?」
「は、はい、してないです」
――スマホ、どこだろう。
小春は何だか泣きたくなった。
しかし、まったく涙が出ないから不思議だ。
鞄の中を探る音が出ないように慎重に動かす。
そしてまだ次の会話が来ていないことに気づく。会話を繋いだつもりだったが、一言だけでは足りなかった。
「あの、戸塚さん……」
話しながら、小春は隣の空き家に目が行く。
空き家は道に面した部分がガラス張りで、太陽の光が反射して二人の姿を映し出していた。
そこには顔を前に向けながらも、視線を空き家の方に向けて歩く明音がいる。
彼女の目は小春を監視するように、見ていた。
それはいつからだろう。
ガラス越しに二人の視線が交わった。
20
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
副社長氏の一途な恋~執心が結んだ授かり婚~
真木
恋愛
相原麻衣子は、冷たく見えて情に厚い。彼女がいつも衝突ばかりしている、同期の「副社長氏」反田晃を想っているのは秘密だ。麻衣子はある日、晃と一夜を過ごした後、姿をくらます。数年後、晃はミス・アイハラという女性が小さな男の子の手を引いて暮らしているのを知って……。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
【R18】優しい嘘と甘い枷~もう一度あなたと~
イチニ
恋愛
高校三年生の冬。『お嬢様』だった波奈の日常は、両親の死により一変する。
幼なじみで婚約者の彩人と別れなければならなくなった波奈は、どうしても別れる前に、一度だけ想い出が欲しくて、嘘を吐き、彼を騙して一夜をともにする。
六年後、波奈は彩人と再会するのだが……。
※別サイトに投稿していたものに性描写を入れ、ストーリーを少し改変したものになります。性描写のある話には◆マークをつけてます。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
強引組長は雇われ婚約者を淫らに愛す
春密まつり
恋愛
借金を抱えて昼も夜も働いている園田春子は、
外出先のホテルでお見合い直前の吾妻虎将に婚約者のフリをしてくれと頼まれる。
一日二十万円をもらえると聞き、お金とひきかえに引き受けたが、実は彼は極道の組長だった。
怯えつつも借金返済のために虎将との生活を始める春子。
怖いと思っていた虎将のいろんな顔を見ていくうちに惹かれるが、
『普通の家庭』に憧れる春子は彼と共にいることに迷いはじめ――。
▼Rシーンが含まれる話には「*」マークをつけています。
▼魔法のiらんどにも投稿している同タイトルのR18バージョンです
▼エブリスタにも投稿しています(章構成は異なります)
※暴力表現あります。苦手な方はご注意下さい。
※この作品は架空のものであり、実在の人物、団体、場所、法律及び名称とは関係がありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる