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第2章︙モスタニア連合国編
私の修行
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総ギルド戦が2か月後に開催されることが決定。
世界各地の様々なギルドが期待し、準備を始めていくなか、私達オリポストギルドも出場のための準備に備えていた。
「前回の大会は僅差で負けてしまったものね。」
「次こそは勝ちたいですよね」
セイズさんとアロさんが穏やかに談笑している傍ら、シュノさんとアリスさんは声を上げて気合いを入れている。
「大丈夫よ!今年はシアがいるんだもの!絶対勝てるわ!!」
アリスさんがまるで確信したような表情でそんな事を言い始めたので、私は慌てて訂正した。
「アリスさん、無理ですよ!私なんてまだまだですよ!」
実際一度もサリアスさんの訓練を完璧に達成できていない私は、そんな戦力になるはずがないと言ったけれど、アリスさんはそんなはずはないと一向に聞いてくれない。
「まさか……副団長の訓練で自信を失くしちゃった?大丈夫よ。副団長の訓練はそもそも達成できるような訓練じゃないから。」
どういうことだと私が首を傾げると、隣にいたアロさんが親切に教えてくれた。
「サリアス副団長の訓練は、簡単に言うと上限がないんだよ。実力が上がれば上がるほどサリアス副団長も難易度を上げる仕様だから。それなのに9割は防げてる君はなかなかに凄いことなんだよ。」
そうなのか。今まで気が付かなかったけど、サリアスさんって意外とスパルタなのかもしれない。
「とにかく団長と副団長はギルド戦に興味がないから私達で勝手に決めるとして……今一番必要なのは個人の訓練。つまり一人ひとりのスペックを上げることよ。」
「そうだね。まずは僕とセイズ、アリスとヒュノ達でチーム戦をやろうか。シアは僕が事前にサリアス副団長から訓練を言いつかってるから頑張ってね。」
何故だろう。皆私のことを不憫そうに見ている。
「うん。副団長は君のことを気に入ってるんだよ!良かったね!」
「え?あ、ありがとう?」
まあ頑張りなよと皆に応援されながらサリアスさんの部屋へ行くと、いつもはロングにしている髪を一つに縛って張り切った様子のサリアスさんが待ち構えていた。
「シア、貴女はアロから言われてもう知っているかもしれないけれど、私と特別訓練を受けてもらうわ。」
……特別訓練?
「あの、具体的に何をやるんですか?」
私が気になって質問すると、サリアスさんはいかにも楽しそうな様子で答えた。
「貴女と私でこれから一ヶ月程ダンジョンに潜ってもらって修業をするわよ。あ、勿論ギルドの仕事はセイズ一人でもできることだから心配ないわよ。それに私の仕事は我らが団長に献上してきたから。」
なにか嫌な予感がする。
「あの、私やっぱりやめよ……」
「大丈夫よ。私がいる限り命の危険はないから。それに貴女の防御魔法の精度は中級冒険者を遥かに上回る実力よ。じゃあ準備してきて頂戴。」
辞退しようとした私は結局サリアスさんと突如ダンジョン修行の為に連れてかれていった。
今回私達が向かったダンジョンは【楽園】。
高ランクに分布される【楽園】ダンジョンでは様々な魔物が生息していて、そのくせレアアイテムのドロップ、発見率が低くあまり人気ではないダンジョンの一つ。
毎回大量の魔物に遭遇しては切り抜けて進まないといけないため、最下層まで到達するのには困難を極める。
ダンジョン名が【楽園】になったのも、クリアする前に死んでしまうことのほうが多いからつけられた名前となっている。
……と、グリモワールが教えてくれた。
「じゃあ今から一ヶ月以内にこのダンジョンを制覇するわよ。あ、貴女の契約相手の力を直接借りることは禁止ね。」
そう宣言したサリアスさんを、私は呆然と見つめることしかできなかった。
ダンジョン1日目。
私が想像してたのを遥かに超える魔物の大群がやってきた。
私は早速心が折れそうになったけれど、サリアスさんが一人で防御魔法を展開し私を放りだしたせいで嫌でも戦うことになってしまった。
防御魔法を展開しながら拙い魔法操作で攻撃魔法を発動していったけれど、勿論魔力効率が悪く魔力切れを起こしてしまった。
意識を失った後、サリアスさんが私を助けてくれたらしく、「明日も頑張りましょう。」と笑顔で言われてまたもや気を失いそうになった。
ダンジョン3日目。
死物狂いでやったおかげか、攻撃魔法を安定して発動できるようになってきた。
まだダンジョンに入って一歩も進めてはいないけど、魔力切れで倒れることはなくなった。
自分の実力が上達していることは分かるけど、本当に一ヶ月以内にこのダンジョンをクリアできるのだろうか?
まあ、地道に頑張るしか道はなさそうだ。
ダンジョン5日目。
少しずつだけど進めるようになった。
もう攻撃魔法は大体安定して撃てるようになった。
今いる場所を維持するだけならば大分余裕が出てくるので、今日は進むのをやめてグリモワールに他の攻撃魔法を教えてもらうことにする。
進めば進むほど魔物のランクも上がっていくので、今のうちに自分の手札を増やしといたほうが賢明だろう。
ダンジョン10日目。
5日間魔法の修得に費やした。グリモワールの分かりやすい説明に加えて、サリアスさんが時々アドバイスしてくれる。何よりこの極限状態にいるおかげかすぐに習得することが出来た。
私は基本属性である7大属性の魔法をほぼ網羅したので、暫くは以前より楽に進むことができるだろう。
これからは7大属性をアレンジしてより効率が良い魔法を編み出していきたい。
ダンジョン15日目。
「予定より早く着いたわね。」
私達はこのダンジョンの第一関門、中間地点のボス部屋の前にいた。
「入るわよ、準備はいいかしら?」
私はコクリと頷いて、扉に魔力を流した。魔法陣が浮かび上がりドアが開いていく。
「さあ、始まるわよ。」
私の戦いが幕を開ける。
世界各地の様々なギルドが期待し、準備を始めていくなか、私達オリポストギルドも出場のための準備に備えていた。
「前回の大会は僅差で負けてしまったものね。」
「次こそは勝ちたいですよね」
セイズさんとアロさんが穏やかに談笑している傍ら、シュノさんとアリスさんは声を上げて気合いを入れている。
「大丈夫よ!今年はシアがいるんだもの!絶対勝てるわ!!」
アリスさんがまるで確信したような表情でそんな事を言い始めたので、私は慌てて訂正した。
「アリスさん、無理ですよ!私なんてまだまだですよ!」
実際一度もサリアスさんの訓練を完璧に達成できていない私は、そんな戦力になるはずがないと言ったけれど、アリスさんはそんなはずはないと一向に聞いてくれない。
「まさか……副団長の訓練で自信を失くしちゃった?大丈夫よ。副団長の訓練はそもそも達成できるような訓練じゃないから。」
どういうことだと私が首を傾げると、隣にいたアロさんが親切に教えてくれた。
「サリアス副団長の訓練は、簡単に言うと上限がないんだよ。実力が上がれば上がるほどサリアス副団長も難易度を上げる仕様だから。それなのに9割は防げてる君はなかなかに凄いことなんだよ。」
そうなのか。今まで気が付かなかったけど、サリアスさんって意外とスパルタなのかもしれない。
「とにかく団長と副団長はギルド戦に興味がないから私達で勝手に決めるとして……今一番必要なのは個人の訓練。つまり一人ひとりのスペックを上げることよ。」
「そうだね。まずは僕とセイズ、アリスとヒュノ達でチーム戦をやろうか。シアは僕が事前にサリアス副団長から訓練を言いつかってるから頑張ってね。」
何故だろう。皆私のことを不憫そうに見ている。
「うん。副団長は君のことを気に入ってるんだよ!良かったね!」
「え?あ、ありがとう?」
まあ頑張りなよと皆に応援されながらサリアスさんの部屋へ行くと、いつもはロングにしている髪を一つに縛って張り切った様子のサリアスさんが待ち構えていた。
「シア、貴女はアロから言われてもう知っているかもしれないけれど、私と特別訓練を受けてもらうわ。」
……特別訓練?
「あの、具体的に何をやるんですか?」
私が気になって質問すると、サリアスさんはいかにも楽しそうな様子で答えた。
「貴女と私でこれから一ヶ月程ダンジョンに潜ってもらって修業をするわよ。あ、勿論ギルドの仕事はセイズ一人でもできることだから心配ないわよ。それに私の仕事は我らが団長に献上してきたから。」
なにか嫌な予感がする。
「あの、私やっぱりやめよ……」
「大丈夫よ。私がいる限り命の危険はないから。それに貴女の防御魔法の精度は中級冒険者を遥かに上回る実力よ。じゃあ準備してきて頂戴。」
辞退しようとした私は結局サリアスさんと突如ダンジョン修行の為に連れてかれていった。
今回私達が向かったダンジョンは【楽園】。
高ランクに分布される【楽園】ダンジョンでは様々な魔物が生息していて、そのくせレアアイテムのドロップ、発見率が低くあまり人気ではないダンジョンの一つ。
毎回大量の魔物に遭遇しては切り抜けて進まないといけないため、最下層まで到達するのには困難を極める。
ダンジョン名が【楽園】になったのも、クリアする前に死んでしまうことのほうが多いからつけられた名前となっている。
……と、グリモワールが教えてくれた。
「じゃあ今から一ヶ月以内にこのダンジョンを制覇するわよ。あ、貴女の契約相手の力を直接借りることは禁止ね。」
そう宣言したサリアスさんを、私は呆然と見つめることしかできなかった。
ダンジョン1日目。
私が想像してたのを遥かに超える魔物の大群がやってきた。
私は早速心が折れそうになったけれど、サリアスさんが一人で防御魔法を展開し私を放りだしたせいで嫌でも戦うことになってしまった。
防御魔法を展開しながら拙い魔法操作で攻撃魔法を発動していったけれど、勿論魔力効率が悪く魔力切れを起こしてしまった。
意識を失った後、サリアスさんが私を助けてくれたらしく、「明日も頑張りましょう。」と笑顔で言われてまたもや気を失いそうになった。
ダンジョン3日目。
死物狂いでやったおかげか、攻撃魔法を安定して発動できるようになってきた。
まだダンジョンに入って一歩も進めてはいないけど、魔力切れで倒れることはなくなった。
自分の実力が上達していることは分かるけど、本当に一ヶ月以内にこのダンジョンをクリアできるのだろうか?
まあ、地道に頑張るしか道はなさそうだ。
ダンジョン5日目。
少しずつだけど進めるようになった。
もう攻撃魔法は大体安定して撃てるようになった。
今いる場所を維持するだけならば大分余裕が出てくるので、今日は進むのをやめてグリモワールに他の攻撃魔法を教えてもらうことにする。
進めば進むほど魔物のランクも上がっていくので、今のうちに自分の手札を増やしといたほうが賢明だろう。
ダンジョン10日目。
5日間魔法の修得に費やした。グリモワールの分かりやすい説明に加えて、サリアスさんが時々アドバイスしてくれる。何よりこの極限状態にいるおかげかすぐに習得することが出来た。
私は基本属性である7大属性の魔法をほぼ網羅したので、暫くは以前より楽に進むことができるだろう。
これからは7大属性をアレンジしてより効率が良い魔法を編み出していきたい。
ダンジョン15日目。
「予定より早く着いたわね。」
私達はこのダンジョンの第一関門、中間地点のボス部屋の前にいた。
「入るわよ、準備はいいかしら?」
私はコクリと頷いて、扉に魔力を流した。魔法陣が浮かび上がりドアが開いていく。
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