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アジゴ編22
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打ち上げが始まってから、二時間位経っただろうか?島田社長の一言で、今日の釣りの話になった。
「今日は、あんま釣れんやったよね。」
飲み物が、ビールから焼酎に代わったヨシさんも頷きながら、答える。
「潮も良くなかったし、やっぱり、週半ばに降った大雨の影響もあったんだろうね。水も濁っていたし。」
「そうよね。梅雨と言っても、ここ数年は極端に降るけんね。予想はしとったけど……。」
「雨って関係するんですか?」
何も分からない僕は、たずねる。
そうよ~。と僕がスーパーで買ってきたスルメを噛みながら二人は言う。
「多少の雨なら問題ないんだけどな。今回はちょっと濁り過ぎてたと思う。」
「雨が降った方が釣れるって言う事もあるとばってんね。何にでも限度があるったい。」
濁りも48時間あればとれるらしいんだけどね。とヨシさんは付け加えながら、焼酎をあおる。
そして、本日のメインディッシュと言っていいのであろう、僕が釣ったシーバスの話になった。
「それにしても、よく釣れたよね。まだ、釣り始めて二回目だよ?やっぱり、ヒロは魚運あるわ。」
「俺も、そぎゃん思う。前回は、釣り上げられんかったけど、大物が二回連続で掛かるっちゃ、すごかことよ。」
誉められているみたいで、僕は照れた。
「で、どうだった?初めて大物を釣った感想は?」
「そうそう。感想ば言わんね。初めて釣った大物の感想ば」
二人は目を輝かせながら、僕の答えを待っている。
どうだった?と言われても……。無我夢中だったので正直なところ、あまり覚えていない。アジゴとは比べものにならない引きと重量感。それと、ものすごく興奮したのと緊張した事くらいだろう。僕は、ありのままに伝える事にした。
「アジゴとは全く違う引きで、凄く興奮しました。それと、逃がしちゃわないか、逃がしちゃわないか、ってずっと緊張のしっぱなしで無我夢中でした。リールを巻いてる最中も、ずっと手が震えて、すごく喉が渇いた感じがして疲れました。でも、釣れた時は、何とも言えない充実感と満足感でお腹も胸もいっぱいになった感じです。」
二人は、うんうんと何時ものように頷きながら聞いている。そして、ヨシさんが、一言。
「ヒロ。楽しかった?」
そう。行き着く先はそうなんだろう。釣れたから楽しいのか、釣れなくても楽しいのかは、まだ分からないけど、楽しかった。ただ、ただ、楽しかった。今は、それで良い。それが大事なんだ。僕は大きな声で答えた。
「はい!楽しかったです。」
その言葉を聞いて、二人はとても満足だったのだろう。日頃は見せない程の笑みを称え、酒を一気に飲み干した。
こうして、二回目の打ち上げは日付が、変わっても続いていった。
週明けの月曜日。朝礼後、またもや重松さんの声が響いていた。
今回は、「なんで、飲んだ後のビニール袋くらい閉めてくれないんですか!?」だった。
閉めたと思っていたビニール袋は閉まってなかったらしく、「酒臭い!」と「すまん。すまん。」と言う、重松さんの声と島田社長の声が換気の為に開けられた窓から漏れている。
今回も、『すみません』と心の中で謝り、事務所の横を通り過ぎようとした時、重松さんに「ヒロくん!ちょっと!!」と言って呼び止められてしまった。
「君が居るのに、ビニール袋を閉めてないのはなんでなの!?」とか「君が居るのに、換気はなぜして帰らないの!?」とか、僕と島田社長は、重松さんにこってり絞られてしまった。
「だって、換気して帰ったら、防犯上危ないじゃないですか?」「ちゃんと結んだんですけど……。」なんて言ったら、火に油を注ぐようなもんで、言い訳一切受け付けずな状態。その答えも多分、「臭いが消えたら閉めて帰ればいいでしょ!」「結んでないから開いてるんでしょ!」と正論を言われるだろう。
反論する事無く、ただ、ただただ終始うつむいて説教された。数十分後、二人して首と肩をハンマーで殴られたかのようにへこまして歩いていると、ヨシさんに笑いながら声を掛けられた。
「こってり絞られてたね。今回は、ヒロにも飛び火したみたいで。」
ヨシさんは、ケラケラと笑っている。
ムッと二人して抗議の視線をおくる。ヨシさんも同犯ではないか?なぜ、僕達だけが??不満は膨れるばかりだった。
それを感じ取ったのか、ヨシさんは言う。
「すまん、すまん。しんちゃん、山下釣具の釣果ブログ見た?」
「……いや、まだ見とらんけど?」
「昨日は、キスがかなり釣れたみたいよ。」
一瞬にして、島田社長の顔色が変わり、島田社長は胸ポケットからスマートフォンを取り出して、サイトをチェックし始めた。仕事中に良いのだろうか?という僕の考えをよそに、島田社長は驚嘆を叫ぶ。
「おぉ~。こりゃあ、釣れとるばい!おい、瀬高、見て見なっせ。ほら!」
島田社長は僕にスマートフォンを見せる。そこには、綺麗な白?金?何とも綺麗な色のスタイリッシュな魚が写っていた。
「これは?何て魚ですか?」
「ん?瀬高は見たことなかとね?これは、キスたい。魚へんに、喜ぶって書いて『鱚』たい。うまかとよ~。」
これが、あのキス!?天ぷらで食べた事のあるやつだ。しかも僕はキスの天ぷらが大好物なのだ。
……初めてお頭付を見た。何て綺麗なんだろう。
「これがキス何ですね。初めて見ました。」
「まあ、キスは開いて売ってある場合が多いからね。」
ヨシさんは納得したように言う。
「もしかして、来週のお誘いかしら?」
島田社長は、ウフフっと気持ち悪い笑い声を上げながら言った。
「そうですわよ。来週、晴れたらどうかしら?」
予想外に、ヨシさんもウフフと気持ち悪い笑い声を上げながら答えた。
……まじか。ここ数週間の間でヨシさんのイメージが壊れていく。
「わたくしは、よろしくてよ。あら?瀬高さん、アナタのご予定は??」
島田社長は気持ち悪く聞いてくる。
これは、のらないといけないのだろうか?
一瞬、時が凍ったように止まった感覚になった……。
……ええい!
「わたくしも、よろしくてよ。」
言った!言ってやった!!
オホホホホと三人で笑いあった後に、島田社長とヨシさんは僕の背中をバンバン!と叩いて言った。
「ヒロ。楽しくやろうぜ。」
「そぎゃん。楽しく、気楽にやるばい。」
これが楽しいのかは、よく分からないが、気分は楽だった。思い詰め過ぎてもダメ。何も思わないのもダメ。考え過ぎず、考える。少しだけ目線を変えてやれば、僕が見ている世界も少しは違って見えてくるのかもしれない。そう思った。
「あっ、瀬高。仕事はちゃんとせんといかんけんね。」
最後に島田社長に釘を刺された。
それを見た、ヨシさんは笑いながら、持ち場に戻っていった。
今日はまだ、月曜日。今週一週間も長いけど、頑張ろう。キスはどこで釣れるんだろう?今度はどこに釣りに連れていってくれるのだろうか?そんな事を考えると、僕の胸は踊るように高鳴った。僕は楽しみで仕方なかった。僕は釣りにハマったみたいだ。
「今日は、あんま釣れんやったよね。」
飲み物が、ビールから焼酎に代わったヨシさんも頷きながら、答える。
「潮も良くなかったし、やっぱり、週半ばに降った大雨の影響もあったんだろうね。水も濁っていたし。」
「そうよね。梅雨と言っても、ここ数年は極端に降るけんね。予想はしとったけど……。」
「雨って関係するんですか?」
何も分からない僕は、たずねる。
そうよ~。と僕がスーパーで買ってきたスルメを噛みながら二人は言う。
「多少の雨なら問題ないんだけどな。今回はちょっと濁り過ぎてたと思う。」
「雨が降った方が釣れるって言う事もあるとばってんね。何にでも限度があるったい。」
濁りも48時間あればとれるらしいんだけどね。とヨシさんは付け加えながら、焼酎をあおる。
そして、本日のメインディッシュと言っていいのであろう、僕が釣ったシーバスの話になった。
「それにしても、よく釣れたよね。まだ、釣り始めて二回目だよ?やっぱり、ヒロは魚運あるわ。」
「俺も、そぎゃん思う。前回は、釣り上げられんかったけど、大物が二回連続で掛かるっちゃ、すごかことよ。」
誉められているみたいで、僕は照れた。
「で、どうだった?初めて大物を釣った感想は?」
「そうそう。感想ば言わんね。初めて釣った大物の感想ば」
二人は目を輝かせながら、僕の答えを待っている。
どうだった?と言われても……。無我夢中だったので正直なところ、あまり覚えていない。アジゴとは比べものにならない引きと重量感。それと、ものすごく興奮したのと緊張した事くらいだろう。僕は、ありのままに伝える事にした。
「アジゴとは全く違う引きで、凄く興奮しました。それと、逃がしちゃわないか、逃がしちゃわないか、ってずっと緊張のしっぱなしで無我夢中でした。リールを巻いてる最中も、ずっと手が震えて、すごく喉が渇いた感じがして疲れました。でも、釣れた時は、何とも言えない充実感と満足感でお腹も胸もいっぱいになった感じです。」
二人は、うんうんと何時ものように頷きながら聞いている。そして、ヨシさんが、一言。
「ヒロ。楽しかった?」
そう。行き着く先はそうなんだろう。釣れたから楽しいのか、釣れなくても楽しいのかは、まだ分からないけど、楽しかった。ただ、ただ、楽しかった。今は、それで良い。それが大事なんだ。僕は大きな声で答えた。
「はい!楽しかったです。」
その言葉を聞いて、二人はとても満足だったのだろう。日頃は見せない程の笑みを称え、酒を一気に飲み干した。
こうして、二回目の打ち上げは日付が、変わっても続いていった。
週明けの月曜日。朝礼後、またもや重松さんの声が響いていた。
今回は、「なんで、飲んだ後のビニール袋くらい閉めてくれないんですか!?」だった。
閉めたと思っていたビニール袋は閉まってなかったらしく、「酒臭い!」と「すまん。すまん。」と言う、重松さんの声と島田社長の声が換気の為に開けられた窓から漏れている。
今回も、『すみません』と心の中で謝り、事務所の横を通り過ぎようとした時、重松さんに「ヒロくん!ちょっと!!」と言って呼び止められてしまった。
「君が居るのに、ビニール袋を閉めてないのはなんでなの!?」とか「君が居るのに、換気はなぜして帰らないの!?」とか、僕と島田社長は、重松さんにこってり絞られてしまった。
「だって、換気して帰ったら、防犯上危ないじゃないですか?」「ちゃんと結んだんですけど……。」なんて言ったら、火に油を注ぐようなもんで、言い訳一切受け付けずな状態。その答えも多分、「臭いが消えたら閉めて帰ればいいでしょ!」「結んでないから開いてるんでしょ!」と正論を言われるだろう。
反論する事無く、ただ、ただただ終始うつむいて説教された。数十分後、二人して首と肩をハンマーで殴られたかのようにへこまして歩いていると、ヨシさんに笑いながら声を掛けられた。
「こってり絞られてたね。今回は、ヒロにも飛び火したみたいで。」
ヨシさんは、ケラケラと笑っている。
ムッと二人して抗議の視線をおくる。ヨシさんも同犯ではないか?なぜ、僕達だけが??不満は膨れるばかりだった。
それを感じ取ったのか、ヨシさんは言う。
「すまん、すまん。しんちゃん、山下釣具の釣果ブログ見た?」
「……いや、まだ見とらんけど?」
「昨日は、キスがかなり釣れたみたいよ。」
一瞬にして、島田社長の顔色が変わり、島田社長は胸ポケットからスマートフォンを取り出して、サイトをチェックし始めた。仕事中に良いのだろうか?という僕の考えをよそに、島田社長は驚嘆を叫ぶ。
「おぉ~。こりゃあ、釣れとるばい!おい、瀬高、見て見なっせ。ほら!」
島田社長は僕にスマートフォンを見せる。そこには、綺麗な白?金?何とも綺麗な色のスタイリッシュな魚が写っていた。
「これは?何て魚ですか?」
「ん?瀬高は見たことなかとね?これは、キスたい。魚へんに、喜ぶって書いて『鱚』たい。うまかとよ~。」
これが、あのキス!?天ぷらで食べた事のあるやつだ。しかも僕はキスの天ぷらが大好物なのだ。
……初めてお頭付を見た。何て綺麗なんだろう。
「これがキス何ですね。初めて見ました。」
「まあ、キスは開いて売ってある場合が多いからね。」
ヨシさんは納得したように言う。
「もしかして、来週のお誘いかしら?」
島田社長は、ウフフっと気持ち悪い笑い声を上げながら言った。
「そうですわよ。来週、晴れたらどうかしら?」
予想外に、ヨシさんもウフフと気持ち悪い笑い声を上げながら答えた。
……まじか。ここ数週間の間でヨシさんのイメージが壊れていく。
「わたくしは、よろしくてよ。あら?瀬高さん、アナタのご予定は??」
島田社長は気持ち悪く聞いてくる。
これは、のらないといけないのだろうか?
一瞬、時が凍ったように止まった感覚になった……。
……ええい!
「わたくしも、よろしくてよ。」
言った!言ってやった!!
オホホホホと三人で笑いあった後に、島田社長とヨシさんは僕の背中をバンバン!と叩いて言った。
「ヒロ。楽しくやろうぜ。」
「そぎゃん。楽しく、気楽にやるばい。」
これが楽しいのかは、よく分からないが、気分は楽だった。思い詰め過ぎてもダメ。何も思わないのもダメ。考え過ぎず、考える。少しだけ目線を変えてやれば、僕が見ている世界も少しは違って見えてくるのかもしれない。そう思った。
「あっ、瀬高。仕事はちゃんとせんといかんけんね。」
最後に島田社長に釘を刺された。
それを見た、ヨシさんは笑いながら、持ち場に戻っていった。
今日はまだ、月曜日。今週一週間も長いけど、頑張ろう。キスはどこで釣れるんだろう?今度はどこに釣りに連れていってくれるのだろうか?そんな事を考えると、僕の胸は踊るように高鳴った。僕は楽しみで仕方なかった。僕は釣りにハマったみたいだ。
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