釣りはじめました

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出逢いは突然に、だけど必然に?

出逢いは突然に、だけど必然に?編12

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 結局、牛深を転々としたが釣れなかった。
 「なかなか、難しいですね。 」と、古木さんは残念そうに言葉を漏らす。
 流石にもう帰った方が良いのかもしれない。でも、1杯だけでも、釣ってもらいたい。という気持ちは抜けなかった。
 僕は古木さんに時間はまだ大丈夫ですか?と確認して、最後に、何時もお世話になる、タヌキの居る漁港に向かう事にした。
 やはり、安定は抜群だった。だいぶ潮も引いていたけど、水面には魚がピチャピチャと音をたてている。
 古木さんはエギング。僕はアジングをしてみる事にした。
 アジングは直ぐに答えがでた。水面付近をただ巻きしただけで、20cmクラスのアジが入れ食いする。スルメのお土産確保である。こう簡単に釣れるなら、古木さんも気晴らしにアジングにチェンジするのも良いかも?と、思った時、水面にアオリイカの姿が見えた。それも、なかなかのサイズ!これは、古木さんに釣ってもらうしかない!!
 僕は大きな音を出さないようにして、古木さんの所まで行き。アオリイカが居た事を告げる。
 「古木さん!イカ、アオリイカ居ましたよ!!」
 「え!?本当ですか?どこですか??」
 僕の言葉に古木さんは興奮を隠さない。
 僕が先程釣っていた場所に戻る。イカちゃん居てくれよ!と期待に応えてくれるかのように、イカちゃんはまだ居てくれた。
 「瀬高さん。どこですか?」
 古木さんの問いに僕は指を指して言う。
 「ほら、あそこ。あそこです……。」
 古木さんは覗き込むように見て、発見したようだ。
 「どうしたら、良いですか?」
 「釣れる釣れないかは分かりませんが、あのイカの少し奥にキャストして下さい。表層を少しアクションを加えながらイカの近くに来たら、釣れるイカなら反応するはずです。」
 分かりました。そう言い、古木さんはイカの少し奥にキャストして、アクションしながらイカに近づく。イカを少し通り過ぎた辺りで、イカがクルッとエギに向きを変える。
 よし!反応した!!あとは、食いに来るだけ!!
 チョンチョンと、アクションを加えて沈める古木さん。すると、イカがエギを……抱いた!!よし!今だ!!
 そう思ったタイミングで、古木さんはアワセを入れた。
 グーン、グーンとロッドは上下にしなり、ラインは送り出される。
 やった!!釣れた!!
 「やった!やった!!瀬高さん!やりました!!」
 古木さんは喜びながら、初のアオリイカとのバトルを楽しむ。
 しばらく、やりとりをした後、タモを使わないで大丈夫なサイズだったので、ぶり上げてもらった。
 古木さんは凄く喜び、僕の手を握って何度もお礼を言う。手を握って教えたりして~。と言う妄想は変な所で完遂された。
 
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