釣りはじめました

ツ~

文字の大きさ
上 下
113 / 138
出逢いは突然に、だけど必然に?

出逢いは突然に、だけど必然に?編7

しおりを挟む
 流れで三次会へ進む事になった。丁度、十人くらいだろうか?仲の良い友人が中心で気楽だ。一つを除いては。
 長い黒髪の女性が三次会にも来てくれた。これは、ラッキーなのか?!
 そう思ったけれど、席は離れてしまった。
 三次会、吉田は酔っ払っていた。余程、今日が嬉しかったのだろう。饒舌だ。
 それに応えるように、仲の良い友人ばかりとあって、昔話に花が咲く。長い黒髪の女性は笑いながら話を聞いてくれているけれど、やはりどこか寂しそうな表情をしていた。そりゃそうか、僕達には分かる話だけれど、彼女には分からない話なんだから、居心地もあまり良くはないだろうな。僕はそんな事を思いながら、長い黒髪の女性をみつめた。
 そして、思い立った。さとみちゃんの言うように、チャンスは拾え!と。
 僕は席を立って、長い黒髪の女性の所へ行った。
 「すいません。昔話に付き合わせちゃって。」
 長い黒髪の女性は一瞬驚いた表情を見せたが、直ぐににこやかに返してくれた。
 「いえ。楽しい話ばかりで面白いですよ。」
 あらためて聞くと、凄く柔らかい、可愛らしい声だった。
 「前、良いですか?」
 僕は勇気を振り絞ってたずねる。
 長い黒髪の女性は少し照れたように「はい。」と言ってくれた。
 おし!第一関門突破!!長い黒髪の女性の前の席に座り、心の中で小さくガッツポーズをする。
 「はじめまして。瀬高浩志です。」
 僕は頭を名乗り下げる。
 「はじめまして。古木雪乃(ふるき ゆきの)です。」
 長い黒髪の女性。いや、古木さんも頭を下げる。
 ん~。声を掛けたは良いものの、何て話て良いか分からないや。
 「あの……。今日のスピーチ感動しました。」
 「え、いやいや。」
 僕は照れながら手を小さく振った。
 「スピーチの中に、釣り用のハサミとおっしゃってましたけど、釣りをなさるんですか?」
 古木さんはにこやかに言う。
 あっ、やっぱり綺麗だ。またも、みとれてしまう。
 古木さんは不思議そうに首を少し傾げる。
 いけない。いけない。みとれている場合ではなかった。
 「はい。まだ初めて一年半位ですけど。」
 「わあ。私も釣りをやるんですよ。どんな魚を釣りに行くんですか?」
 僕の答えに、古木さんの表情はさらに華やかになる。
 ん?そういえば、さとみちゃんの会社に新しく入った人で釣りが趣味な女の子が居るって言ってたような……。
 僕はさとみちゃんに目をやる。すると、直ぐに目が合った。どうやら、こちらを監視していたようだ……。もしかしたら、僕に会わせる為に三次会にまで連れてきたのか?
 僕の視線にさとみちゃんはコクリと頷いた。
 
 
 
しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

処理中です...