釣りはじめました

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瀬高君、車買う編

瀬高君、車買う編9

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 今年の梅雨入りは、早かった。
 これからジメジメとした湿気が身体にまとわりついて、スッキリしない汗を流すのかと思うと憂鬱になる。
 僕は車を新しくしてから、ちゃんと着替えて帰るようにしていた。
 あっという間の週末。着替えと挨拶を終え帰路につく。梅雨の晴れ間の今日な休み。もちろん、僕は釣りに行くことにした。今回はヨシさん、島田社長は不在。一人釣行となる。
 場所は前回と同じ場所にしよう。島田社長が釣れたのだから、あのポイントは良いポイントなのだろう。
 高鳴る胸をもっと加速させるように、ラジオは軽快なトークと音楽を鳴らし、釣り場へと案内する。
 家を出て、三時間は軽く過ぎている。ようやく、到着した。
 早速、釣り開始!
 …。
 ……。
 ………。
 全く反応がない。もう、かれこれ二時間は経っている。
 移動すべきか?粘るべきか?……心は揺れ動く。他の釣り人の方も全く釣れていないよ
うだ?……どうする?
 考えながら釣ること、一時間。
 僕は移動する事にした。最近、何時もお世話になっている漁港へ。
 相性が良いのか、ただ単に良く釣れる場所なのか、いいイメージのある漁港は、ある意味良かった。
 イカはいくら投げても釣れないけれど、気分転換にワームを投げたら、アジとメバルが程良く釣れた。今日は何時ものトラ猫とタヌキの姿は見えない。スルメにいいお土産が出来たぞ。
 ボウズではなくなったので、気分は晴れた。気合いを入れ直して、朝マズメまで釣ったけれどイカは釣れなかった。
 春イカは想像よりもはるかに難しい。
 帰って釣れた魚を並べてスマートフォンで写真を撮って、ヨシさんと島田社長に送った。
 ヨシさんからは『やったね!良かったね!』みたいなコメントが返ってきたが、島田社長からは『イカは?釣れんやったとね?』というコメントと小憎たらしいスタンプが何個も送ってきた。
 ぐぬぬ。悔しいけど何も言えねぇ。
 こんな時はスルメに癒やしてもらおう。
 アジを何もつけずに焼く、そして、骨を取ってむしる。それを冷まして、スルメに食べさせた。スルメは普段、キャットフードを食べている。魚初体験、あまりやり過ぎてはいけない。
 でも、たまには良いだろう。程よい温度になったので、スルメを呼んだ。
 呼ばれたスルメは、にゃおにゃお~っと可愛らしくやってくる。やはり癒される。我が愛猫スルメよ。どうしてそんなに可愛いのだ?撫でながら、アジを食べさせてみる。
 スルメは最初様子を見ていたが、一口食べておいしかったのか、パクついて食べた。
 名残惜しそうに皿を舐める、スルメ。これも可愛い。
 スルメに癒やされながら、今週も終わった。
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