釣りはじめました

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エギング編

エギング編17

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 結局、僕には小さいアオリイカが釣れただけだった。
 夕マズメの時間。外灯が時間を知らせるように灯り始め、ヨシさんや島田社長は、その外灯に祝福されるように、アオリイカを上げていった。
 これは単純に腕の差かもしれないが、僕は結構、満足していた。
 悔しくないかと言えば嘘になるかもしれない。でも、島田社長のアドバイスもあったと言え、自分で目で見て、釣れたのは大きかった。イカがビューンとやってくるのも面白かったし、イカが飛びつくか飛びつかないか見て考えているんだ。と言うのも見れたし、少しだけだけど引きも楽しめた。次、また釣ればいいだろう。そう思えた。
 夕マズメの時間は思ったより、あっという間に過ぎ、結局、夜の八時過ぎまで釣った。
 「よし。それじゃ、帰ろかね。」
 島田社長の一声で、後片付けをして帰宅した。
 流石に疲れたのだろう。途中、ファミレスでご飯を食べて車に乗り込んだら直ぐに、いびきが聞こえ、会社に着いた頃には、日付が変わろうとしていた。
 「よし!とりあえず、数えようかね。」
 島田社長は、何時ものように新聞紙とビニール袋を持ってくる。
 一、二、三……。
 おぉ!二十一杯。凄い!! 
 「打ち上げは明日するけんね。どぎゃん分けようかね。」
 「ウチは五杯でいいよ。」
 「僕は釣っていないので……。」
 「ん~。なら、これでよかかな?」
 ヨシさんは五杯、僕には六杯。ビニール袋に入れて渡しってくれた。
 「え?僕が貰ってもいいんですか?」
 「そりゃ、もちろんたい。イカは捌ききるね?」
 「どうでしょう?お好み焼きとか煮物はよく食卓に並びますけど……。」
 「なら、一杯だけ刺身にしよかね。」
 「はい。ありがとうございます。」
 僕達は事務所に入った。
 「ほんじゃ、捌こかね。」
 アオリイカをペタンと上にして置き、さっと切り目を入れて、骨みたいなのを取り出し、胴と頭を分ける。胴にある耳みたいなのを指を入れてとる。そして、皮も指でとり、少し切れ目を入れまた薄皮を剥ぎ、次はキッチンペーパーを使って薄皮を剥ぐ。耳みたいな所の皮も剥ぐ。案外簡単そうに見えてしまった。
 「この、耳みたいなのは何ですか?」
 「ん?これはエンペラって言う所たい。普通の身よりコリコリしてうまかよ。」
 そういいながら、頭の方の調理に島田社長は取りかかる。
 「捨てるのは目の所とくちばしの固い所だけなんよね。肝も肝醤油にして身と一緒に食べるとおいしかし、スミはイカスミパスタとかに出来るしね。」
 頭は更に簡単だった。サクッと切り分けて終わり。
 皿に盛り付け、アオリイカの刺身の完成だった。
 流石、島田社長。手際がいい。
 ありがとうございます。といい、この日は解散になった。
 
 
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