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追憶のキーマカレー編
追憶のキーマカレー編5
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「「いただきます。」」
いただきます。二人で言うのも二週間ぶりだった。
早速、一口。
うん。美味い。姉さんが作ったにしては、かなり上手くいっている。
「京ちゃん。美味しい?」
姉さんは感想を今か今かと待ちわびているようだ。
「うん。美味しいよ。姉さん。」
「うふふ。よかったわ。お姉ちゃん、頑張ったかいがあった~。」
姉さんは凄く嬉しそうに、やった!と握り拳を作りガッツポーズをする。
久しぶりに楽しく会話をしながら、食事は進む。もうそろそろ、一杯目を食べ終わろうとしていた時、姉さんがポツリと言葉をこぼした。
「そういえば、カレー食べるのって久しぶりよね。……お父さんとお母さんが亡くなって以来じゃない?」
「うん。そうだね。」
「ウチのカレーって言ったら、このキーマカレーだったもんね。」
そう言い、姉さんは食べるのを止めて、また口を開いた。
「……京ちゃん。お姉ちゃんね。京ちゃんがやりたい事、全力で応援するわ。だから、京ちゃんは自分の信じる道を歩んで。後悔しないように、自分の決めた道を歩んで。お姉ちゃんの事は気にせず……ね。お姉ちゃんだって、頑張れば料理だって出来るし、『かもめ』は大丈夫だから。私に遠慮なんかしないで……ね。」
姉さんは泣きながら微笑んでいた。
食後、お風呂に入り、ベッドに寝ころんで自室の天井を眺め考える。
きっと、姉さんは自分一人でも、料理も出来る、『かもめ』は大丈夫だと僕に見せたい為に、カレーを作ったのだろう……。
相変わらず、分かりやすい。
それにしても、キーマカレー、本当に久しぶりに食べたな。
突然、両親が亡くなって、カレーのレシピを教えて貰えなかった。レシピノートも無く……それから『かもめ』はおろか、家でも作る事はなくなった。姉さんのキーマカレーは思い出の味とかけ離れていたけど……。うん。美味しかった。
大森さんも姉さんも言っていたけど、自分の信じる道……。ねぇ?そんなのまだ分からないし。まだ、決められない。
目を閉じて考える。そして、いつの間にか僕は寝てしまった。
いただきます。二人で言うのも二週間ぶりだった。
早速、一口。
うん。美味い。姉さんが作ったにしては、かなり上手くいっている。
「京ちゃん。美味しい?」
姉さんは感想を今か今かと待ちわびているようだ。
「うん。美味しいよ。姉さん。」
「うふふ。よかったわ。お姉ちゃん、頑張ったかいがあった~。」
姉さんは凄く嬉しそうに、やった!と握り拳を作りガッツポーズをする。
久しぶりに楽しく会話をしながら、食事は進む。もうそろそろ、一杯目を食べ終わろうとしていた時、姉さんがポツリと言葉をこぼした。
「そういえば、カレー食べるのって久しぶりよね。……お父さんとお母さんが亡くなって以来じゃない?」
「うん。そうだね。」
「ウチのカレーって言ったら、このキーマカレーだったもんね。」
そう言い、姉さんは食べるのを止めて、また口を開いた。
「……京ちゃん。お姉ちゃんね。京ちゃんがやりたい事、全力で応援するわ。だから、京ちゃんは自分の信じる道を歩んで。後悔しないように、自分の決めた道を歩んで。お姉ちゃんの事は気にせず……ね。お姉ちゃんだって、頑張れば料理だって出来るし、『かもめ』は大丈夫だから。私に遠慮なんかしないで……ね。」
姉さんは泣きながら微笑んでいた。
食後、お風呂に入り、ベッドに寝ころんで自室の天井を眺め考える。
きっと、姉さんは自分一人でも、料理も出来る、『かもめ』は大丈夫だと僕に見せたい為に、カレーを作ったのだろう……。
相変わらず、分かりやすい。
それにしても、キーマカレー、本当に久しぶりに食べたな。
突然、両親が亡くなって、カレーのレシピを教えて貰えなかった。レシピノートも無く……それから『かもめ』はおろか、家でも作る事はなくなった。姉さんのキーマカレーは思い出の味とかけ離れていたけど……。うん。美味しかった。
大森さんも姉さんも言っていたけど、自分の信じる道……。ねぇ?そんなのまだ分からないし。まだ、決められない。
目を閉じて考える。そして、いつの間にか僕は寝てしまった。
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