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追憶のキーマカレー編

追憶のキーマカレー編3

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 あれからもう、二週間が過ぎた。
 姉さんとは、『かもめ』以外での会話は殆どない。
 気まずいという雰囲気とは別の、暗い感じ。姉さんも色々考えているのかもしれない。
 そうして、僕自身、自分がどうしたいのかも、さっぱり分からない。自分に物足りなさを感じているのは事実。魅力的な話であるのも事実。だけれど……。
 明日は休みなのに、何もやる気が起きない。頭の中がゴチャゴチャしすぎてて、一日寝ていようかな?
 ベッドに寝ころびながら、自室の壁を見る。そこには、まだ小さかった頃に撮った家族写真なんかも飾ってある。
 それを一枚手にとって眺める。
 僕がまだ10歳くらいだろうか?父さんも母さんも姉さんも、もちろん自分も若いし小さいな。
 僕はこの頃の、夢は何だったけな?
 写真を見ながらそんな事を思っていると、ドアをコンコンと叩く音がした。
 「京ちゃん。ちょっといいかしら? 」
 ドアの向こうから、姉さんの声が聞こえる。スカウトの事かな?
 「いいよ。」
 そう答えると、姉さんが部屋の中にやってきた。
 「あのね。明日、お姉ちゃん、車使っていいかな?」
 あ~。良かった。そんな事か。
 「うん。もちろんいいよ。」
 「ありがと。京ちゃん。おやすみ。」
 姉さんは言葉少なく足早に僕の部屋から出てった。
 
 翌朝。
 朝食を食べ終わった頃。僕のスマートフォンが鳴った。SNSにメッセージが届いたみたいだ。
 誰だろ?
 僕はスマートフォンを手に取り、確認する。
 あっ。大森さんだ。……なになに。
 『おはようございます。突然で申しません。よろしければ、今日、ドライブに行きませんか?』
 ドライブか……。でも、今日は姉さんはが車使うからな……。
 『おはようございます。すみません。姉さんが車を使うので、車が無いのです。』
 直ぐに返事がある。 
 『私の車で大丈夫ですよ。』
 それなら、問題はないかな?
 『分かりました。それなら、どこで待ち合わせしましょうか?』
 『私がマスターのお宅に、お迎えにあがります。』
  それはありがたい。
 『ありがとうございます。』
 『こちらこそ、ありがとうございます。10時位にお邪魔しますね。』
 10時か……。支度しなくちゃな。

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