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おいかけて、マグロ丼

おいかけて、マグロ丼編4

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 白猫は、先をゆっくり歩くようになっていた。
 僕が疲れているのが分かってくれたのだろうか?気の利く猫だ。
 「それにしても、早苗ちゃん。どこまで行っちゃったんだろね?全然見つからないよ~。」
 姉さんは僕の横で歩きながら周りを見渡し、言う。
 「うん。もう、かなり来た筈なのにね。」
 僕も同じように周りを見渡し言うと、姉さんがまた口を開いた。
 「ねぇ、京ちゃん。何か鳴き声がしない?」
 …ミャー…………ミャー
 姉さんは右手人指し指を立て、口元にあてて、シ~~。と合図をする。
 確かに、猫の鳴く声が聞こえる。
 白猫は、こちらを見て走り出した。
 着いて来い。と言う事だろう。
 僕と姉さんは顔を見合わせて、もう一度力を振り絞って、走り出した。
 …ミャー……ミャー
 少し走った。鳴き声が大きくなる。白猫が立ち止まる。すると、そこには少し大きな木が立っており、その中段くらいの枝にはまだ幼さの残る白猫がミャー、ミャー。と鳴いている。
 鈴付きの首輪をしている!ミィちゃんだ!!
 そして、驚いた事に、大森さんが既に木に登り、ミィちゃんの所まで後少しの所までやってきていた。
 「大森さん!大丈夫!!」
 「早苗ちゃん!無理しちゃ、ダメよ!!」
 僕と姉さんの声に、大森さんは顔だけをこちらに向けて、口を開く。
 「あ!マスター、愛奈さん!!大丈夫で~す。私、木登り得意なんで!!」
 その言葉通り、大森さんはミィちゃんの所まであっという間に到達した。
 大森さんはミィちゃんに手を差し伸べて……捕まえた!よし!!お手柄だよ!大森さん!!
 隣では、姉さんが「やった!やった!!早苗ちゃん。凄い!!」と言いながら飛び跳ねて喜んでいた。
 大森さんはミィちゃんを抱えながら降りてくる。
 大丈夫か?と、ヒヤヒヤしながら見ていたけれど、後もう少し、もう大丈夫だろう。そう思った。
 しかし、そう思った時が一番危ない。気を抜いた、油断した時が一番危ない。僕達はそれを身を持って体験する事になった。
 もう少しで足が届くという時、ミィちゃんが突然暴れだし、大森さんの手から逃げようとする。それを必死に捕まえていようとする大森さん。ミィちゃんは大森さんの手から飛び出し、大森さんは足を滑らせ、後方に倒れる。
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