ウチの犬は幸せなんだろうか？幸せだったんだろうか？

動き始めた時間

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　『ペットサロン　にくきゅう🐾』
　にくきゅう……って。最初は名前で、大丈夫か？って思っていた。でも、案外大きい。他のお客さんも居るし。にくきゅうって言えば猫かと思ってたけど、確かに犬にもあるもんな。名前の事は、この際、置いておいても、人気はあるようだ。
　車を駐車場に止め、ナナを抱いて、お店へ入る。
　おお……。予想以上に店員さんも居る。しかも、若い女の子ばかり。母さん、僕には何も言わなかったな。これなら、僕が連れて来ても良かったじゃないか。これも一つの出会いだろ？そんな事を考えていると、少し年配の店員さんに声を掛けられた。
　「いらっしゃいませ。あら～。ナナちゃん。今日は、ママとじゃないのね。」
　案外、アットホームなお店なのか？トリミングは、ずっとここだし、ナナは常連だから名前を覚えてもらっているのか。
　「こんにちは。何時もナナがお世話になっています。予約していた、斉藤です。」
　「はい。お待ちしておりました。お母さんから、お話は伺ってます。どうぞ、お掛けになってお待ち下さい。」
　僕はナナを抱いたまま、ソファーに腰掛け、店内を見渡す。シックなデザインの内装に大きなガラス張りの部屋があり、どうやらトリミングはそこでおこなわれるようだ。中をこちらから見えるようになっており、専用の台やドライヤーなどが設置してある。人間の美容室並みじゃないのか？清潔感もあり、嫌な臭いなんかもない。むしろ、いい匂いがする。凄いな。ペットサロン。
　「斉藤ナナ様。お待たせいたしました。」
　店内を見渡していると、ほどなく、ナナの番がやってきた。
　店員さんが、ナナを迎えに来る。年齢は僕より少し若いだろうか？少し明るめの茶色髪。ボブカットがよく似合っている。活発、可愛いと言うよりは、クールな感じの瞳の美人さん。凄くタイプなんですけれど……。
　一瞬、凄く見とれてしまった！何か凄くドキドキするんですけど？！
　「ひゃ、ひゃい！」
　声が裏返ってしまた。こんな時、返事はしないくて良かったっけ？
　他のお客さんにも笑われたし、店員さんにも少し笑われてしまった。
　僕、なんか凄く動揺してる？！は、恥ずかしい！！
　ナナを預けて、少しの間、縮こまってしまったよ。
　まあ、何時までも、それでは余計に恥ずかしいので、ナナがトリミングされるのをガラス越しに見物する事にした。
　カットなどだけではなくて、マッサージもしてくれるんだ……。あと、歯のクリーニングも。歯は人間と同じように犬にとっても大事な部分だ。そして、犬は歯の病気になりやすい。人間のように歯磨きが出来る訳でもなく、３歳以上の犬の８割りが歯周病らしい。そして、歯周病は犬の体に凄く害を及ぼすそうだ。なので、僕達、飼い主人間が歯磨きをしてあげた方がよいらしいのだ。
　まあ、ウチのナナは幼い頃から歯磨きをしているので、歯は綺麗だ。
　それにしても、マッサージを受けている時のナナは気持ち良さそうだな。母さんが何時もやってあげているようだけれど、やはりプロは違うという事かな？それとも、さっきの店員さん上手いのだろうか？
　ナナを見つつ、僕はその店員さんにも見とれていた。