ウチの犬は幸せなんだろうか？幸せだったんだろうか？

動き始めた時間

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　なんだかんだ、やはり動物を飼うというのは大変なものだ。ナナが家族になって、はや、5年が過ぎ、改めてそう思う。
　まあ、例え話なのだが……ウチのナナは、車に乗っても大丈夫だけれど、犬によっては車酔いしてしまう犬もいる。航太君の所のコムギ君が、まさにそれだ。動物病院に連れて行くのも一苦労。酔わない様に工夫せねばならない。
　そして、旅行や外泊する時も気を使う。ただ、餌や水を大量に置いて出ていけるはずもなく、誰かが犬と残ってくれるのならば良いのだけれど……まあ、今はペットホテルや同伴OKな宿泊施設も多いから有り難いのだが、やはり気が気でないのだ。コムギ君のように車酔いするのなら、更に心配だろう。なので、航太君家族が旅行に行く時、何度かコムギ君を家で預かった事がある。
　なぜ、こんな話になってしまったかと言うと。今日、家の両親は旅行。結衣は中距離恋愛中の航太君の所へ行っている。
　ちなみに、今日からGWというやつだ。何の予定も無いのは、僕だけ。
　社会人になったけど、相変わらず、彼女なんか出来ない。ナナと二人きりで家にお留守番だ。
　まあ、正確に言えば、この後、ナナをトリミングに連れて行かなければならない。そう、ペットは何気にお金も掛かるのである。
　毎日、ブラッシングは欠かさないし、ナナはとても綺麗。ゴージャスな感じまでする。それに、パピヨンは、あまりトリミングを必要とする犬種ではないと聞いていたのだが、母さん曰わく。「ナナも女の子なんだから、キレイにしてあげたいじゃない？せっかくの美人なのにもったいないし。」らしい。
　まあ、爪も切ってもらえるし、お尻周りはトリミングのおかげかな……。予約もしてあるし。もうそろそろ出掛けた方が良いな。
　僕は車の鍵を手に取り、ナナに声を掛ける。
　「ナナ。行くよ。」
　ナナは僕の声にピクンと反応し、僕の足元をクルクル回る。
　相変わらずの可愛さ。最早、揺るぎなし。車にナナを乗せて、お店へ向かった。