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命名家族会議 そして、初散歩 ナナ編
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……ママ。
ワタシはママと震える指を交互に見つめた。
こんなに震えて……もしかして、ママ……ワタシが嫌いなのじゃなくて、怖いのかな?
どうしてだろう?ワタシは、悪い事した記憶は無いし……心当たりもないわ。でも、ワタシが怖いというなら、ワタシは怖くないんだって分かってもらうしかないわよね。
ワタシは、出来るだけ優しく、ママの指からご飯をペロリと食べた。そして、痛くないように優しく、優しく、その指を舐めた。
ど、どうかな?ワタシは怖くないって伝わったかな?
そう思い、ママを見る。
すると、どうした事でしょう?少しだったママの震え。それがあれよあれよと痙攣を起こしたように小刻みに激しく震えるようになってしったではありませんか。
え?ワ、ワタシ、やり方間違ったのかしら?!
全く逆のビフォーアフターになってしまったわ?!
ど、どうしよう!ママに今度は嫌われてしまうかもしれない!!そう思った瞬間、ドアの所にご主人さまの姿が。
「ご、ご主人さま!お帰りなさい!!ワ、ワタシ、ママに嫌われちゃったかもしれないの!ど、どうしたらいい?!」
ワタシはそう言いながら、ご主人さまの元へ駆けつける。
しかし、ご主人さまは凄く嬉しそうな表情を浮かべていた。
どういう事なの?ワタシ、ママに嫌な事しちゃったかもしれないのよ?どうして、ご主人さまは、そんなに嬉しそうな顔をしているの?
何がなんだか分からなくなったワタシは、ママを見た。そして、気が付いた。ママの表情が柔らかくなってる。嬉しそうに、何かに感動しているように。心無しか、瞳にも光る物が……。
ワタシは、ご主人さまとママを交互に見ながら、ママに近付く。すると、ママの手がワタシの頭の上に乗った。そして、撫でてくれた。
優しくて、あたたかい……。お母さんと同じ感じ、同じ匂いがする。
とても、とても……落ち着く。一瞬、昔住んでいた家の事を思い出した。お母さんが居てくれた家の事。そして、気がつけば、ママはワタシを抱っこしてくれていた。
ああ……。ワタシ、ママに嫌われてはいなかったんだわ。ここには、お母さんは居ないけれど、ご主人さまが、ママが、結衣お姉ちゃんにパパも居る。大好きなお母さん、ワタシを産んでくれてありがとう。ワタシは、今、幸せ。お母さんが居なくなって、寂しかったけれど、ワタシは、今、凄く幸せ。
ワタシはママの匂いを精一杯に吸い込んで、胸の中でゆったりと眠りについた。
ご主人さまの家族になって、少し過ぎた。毎日が楽しくて幸せだ。でも、今日は少し違う。
知らない所に来たと思えば、知らない仲間もいるし……。ここはどこなの?そう思って、知らない仲間に話し掛けるけれど、皆、どことなく落ち着いていないし。何かに怯えている。教えてくれるのは、痛いとか怖いとかくらい。
「斉藤ナナさん。」
あっ?ワタシ、名前を呼ばれたわ?何なのかしら?ねえ?ご主人さま、ママ。今、ワタシ、名前を呼ばれたわよ?そう言いながら、ご主人さまとママを見る。
ご主人さまとママはワタシを連れて、違う部屋に入った。そして、他の仲間があんな状態だったのか納得した。
色々と知らない人間に何かされた後、目の前には、あの尖った痛いのが……。ワタシはあれを知っている。注射と言うやつだ。ブスッとワタシの中に入って来て、痛くて何か嫌な感じがするのよ。
注射は、嫌い。でも、我慢しないと……。いい子にしておかないと、ご主人さまに嫌われたくないし……。ママにも心配は掛けたくない。いい子にしていたら、ご主人さまは褒めてくれるかな?ママは、いい子、いい子してくれるかな??
うん。良いことを考えよう。そうすれば、あの注射も大丈夫。
ワタシは心を決めて、注射を打たれる。
…………。
………。
……。
やっぱり、嫌い。でも、ご主人さまもママも知らない人間に「ありがとうございました。」とかお礼を言っているわ……。ワタシが嫌な思いをしたのに……。
ワタシは晴れない気分で、元の部屋に戻った。
何なのよ。全く……。ご主人さまにママも褒めてくれたけど……ワタシが嫌な事をされたのに、あの人間にお礼を言うなんて、信じられないわ。ワタシの事が好きじゃないのかしら?これまでの事は嘘だったのかしら??そんな事を考えると悲しくなる。
ワタシが、下を向いて落ち込んでいると、隣りから仲間の声が聞こえた。
ワタシはママと震える指を交互に見つめた。
こんなに震えて……もしかして、ママ……ワタシが嫌いなのじゃなくて、怖いのかな?
どうしてだろう?ワタシは、悪い事した記憶は無いし……心当たりもないわ。でも、ワタシが怖いというなら、ワタシは怖くないんだって分かってもらうしかないわよね。
ワタシは、出来るだけ優しく、ママの指からご飯をペロリと食べた。そして、痛くないように優しく、優しく、その指を舐めた。
ど、どうかな?ワタシは怖くないって伝わったかな?
そう思い、ママを見る。
すると、どうした事でしょう?少しだったママの震え。それがあれよあれよと痙攣を起こしたように小刻みに激しく震えるようになってしったではありませんか。
え?ワ、ワタシ、やり方間違ったのかしら?!
全く逆のビフォーアフターになってしまったわ?!
ど、どうしよう!ママに今度は嫌われてしまうかもしれない!!そう思った瞬間、ドアの所にご主人さまの姿が。
「ご、ご主人さま!お帰りなさい!!ワ、ワタシ、ママに嫌われちゃったかもしれないの!ど、どうしたらいい?!」
ワタシはそう言いながら、ご主人さまの元へ駆けつける。
しかし、ご主人さまは凄く嬉しそうな表情を浮かべていた。
どういう事なの?ワタシ、ママに嫌な事しちゃったかもしれないのよ?どうして、ご主人さまは、そんなに嬉しそうな顔をしているの?
何がなんだか分からなくなったワタシは、ママを見た。そして、気が付いた。ママの表情が柔らかくなってる。嬉しそうに、何かに感動しているように。心無しか、瞳にも光る物が……。
ワタシは、ご主人さまとママを交互に見ながら、ママに近付く。すると、ママの手がワタシの頭の上に乗った。そして、撫でてくれた。
優しくて、あたたかい……。お母さんと同じ感じ、同じ匂いがする。
とても、とても……落ち着く。一瞬、昔住んでいた家の事を思い出した。お母さんが居てくれた家の事。そして、気がつけば、ママはワタシを抱っこしてくれていた。
ああ……。ワタシ、ママに嫌われてはいなかったんだわ。ここには、お母さんは居ないけれど、ご主人さまが、ママが、結衣お姉ちゃんにパパも居る。大好きなお母さん、ワタシを産んでくれてありがとう。ワタシは、今、幸せ。お母さんが居なくなって、寂しかったけれど、ワタシは、今、凄く幸せ。
ワタシはママの匂いを精一杯に吸い込んで、胸の中でゆったりと眠りについた。
ご主人さまの家族になって、少し過ぎた。毎日が楽しくて幸せだ。でも、今日は少し違う。
知らない所に来たと思えば、知らない仲間もいるし……。ここはどこなの?そう思って、知らない仲間に話し掛けるけれど、皆、どことなく落ち着いていないし。何かに怯えている。教えてくれるのは、痛いとか怖いとかくらい。
「斉藤ナナさん。」
あっ?ワタシ、名前を呼ばれたわ?何なのかしら?ねえ?ご主人さま、ママ。今、ワタシ、名前を呼ばれたわよ?そう言いながら、ご主人さまとママを見る。
ご主人さまとママはワタシを連れて、違う部屋に入った。そして、他の仲間があんな状態だったのか納得した。
色々と知らない人間に何かされた後、目の前には、あの尖った痛いのが……。ワタシはあれを知っている。注射と言うやつだ。ブスッとワタシの中に入って来て、痛くて何か嫌な感じがするのよ。
注射は、嫌い。でも、我慢しないと……。いい子にしておかないと、ご主人さまに嫌われたくないし……。ママにも心配は掛けたくない。いい子にしていたら、ご主人さまは褒めてくれるかな?ママは、いい子、いい子してくれるかな??
うん。良いことを考えよう。そうすれば、あの注射も大丈夫。
ワタシは心を決めて、注射を打たれる。
…………。
………。
……。
やっぱり、嫌い。でも、ご主人さまもママも知らない人間に「ありがとうございました。」とかお礼を言っているわ……。ワタシが嫌な思いをしたのに……。
ワタシは晴れない気分で、元の部屋に戻った。
何なのよ。全く……。ご主人さまにママも褒めてくれたけど……ワタシが嫌な事をされたのに、あの人間にお礼を言うなんて、信じられないわ。ワタシの事が好きじゃないのかしら?これまでの事は嘘だったのかしら??そんな事を考えると悲しくなる。
ワタシが、下を向いて落ち込んでいると、隣りから仲間の声が聞こえた。
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