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出会い ナナ編

出会い ナナ編4

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 そんなに眠っていたのかな?目が覚め、ワタシはびっくりした。
 いつもの大きな部屋ではない。友達も居ないけど……どういうこと?!
 え?ワタシ、もしかして、もう処分されるの??
 確かめる為に、少し怯えながら臭いを嗅ぎ、歩く。
 嫌な臭いはしない。嫌な臭いどころか、良い臭いがする。もしかして、安全なのかな?大丈夫なのかな??
 ワタシは嬉しくなり、走り始めた。
 すると、少し遠くから大きな部屋にもあったオモチャが転がってくる。
 やった!オモチャもある!!ワタシは更に嬉しくなり、はしゃいで遊んだ。
 本当に、ここはどこかなのかしら?
 遊びながら、その事を考える。
 何でワタシはここに?どうやって来たのかしら??小さな部屋で寝ていたら、久し振りに人間に抱きしめられて……それがあたたかくて気持ちよくて、また深く寝入って……。ん~。分からないわ。なぜ、ワタシはここに居るのだろう?
 考えていると、後ろの方からチッチッチと舌を鳴らす音が聞こえた。
 ここにも人間が?!もしかして、処分される為に呼ばれてるの?!
 ワタシは恐る恐る、その人間を見つめた。そして、その人間を見てワタシは驚愕した。
 え!?な、なに?!この雄の人間!キラキラ輝いてみえるんですけど?あたたかい気がするんですけど?!もしかして!もしかして!!こ、これが、ダックスくん達が言っていた、ご主人さま!?
 なぜだろう?凄く安心する。凄く優しそうに見える。う、嬉しい!!これが!これが!!ご主人さまなのね~!!
 ワタシは呼ばれるままに、ご主人さまの元へと駆け出していた。
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