177 / 201
確かなモノは闇の中……
確かなモノは闇の中……2
しおりを挟む
ゲートでイリアの故郷へ向かう。
今回は、俺とイリアの二人だけ。ララ達はクエンカ夫妻のサポート。アリシアはギルドの仕事、ターニャさんは王宮の仕事があった。
俺と二人きりだという事にイリアは嬉しさ全開のようで、イリアは俺にまとわりついた。
そして、イリアの両親に挨拶と手土産を渡し、ビールでお世話になっているエドガーさんに手土産を渡した後、イリアの家に戻り、俺は記憶をなくした。
その事に気がついたのは、頬に生温かい何かが頬に触れた時だった。
『ここはどこだ?』
言葉は口から出ず。自分の中で何かを確認しているようだった。
右手には慣れ親しんだ重み。麗月が握られているのだろう。そう確信が持てた。
しかし、感覚的には、ここ最近悩まされていた、記憶の混乱に似ている。ただ、その時より酷い気がした。何も覚えていないし、軽い頭痛がする。
何が触れたのだろう?
左手で生温かい物が触れた頬を触れ、確認する。
そこには赤液体が……。
「血!?」
俺の意識は一瞬で元に戻る。
記憶がイリアの実家に戻った時から無い。
……もしかして!俺、イリアを斬ったのか!?
慌てて、周りを見渡す。
そこには頭の二つある犬のモンスターの死骸があった。
……良かった……。
俺、無意識でイリアを斬ったのかと思った。
俺は安心し、周りを見渡す。
もう、夕方なのか?生い茂った木々の隙間から僅かに赤い日が射す。
ダンジョンか?
いや、モンスターから血が出るという事は、ダンジョンではない。
それなら、森か何か……か。
どこから来たのか、出口も分からない。
立ち止まっていても仕方ないか。
麗月から滴り落ちる血を払い、鞘に納め、出口を探して歩き始める。
しかし、どこか見覚えがある。小さい頃は、父さんとよく虫取りに森に行ったものだが……。
いや、ここは異世界だ。見覚えがあるはずがない。
そう自分に言い聞かせながら、森の中を彷徨った。
どれくらい彷徨っただろう?辺りはすっかり暗くなり、虫の鳴き声とフクロウだろうか?不気味な鳴き声が聞こえる。
丁度、新月の頃になるのだろう。月明かりもなく、前に進むのも細心の注意を払いながら進むしかない。
もう、今日は森から出るのを諦めて、朝が来るのを待った方が良いのかもしれない。
そんな事を考えていると、どこからか、女の子の泣くような声が聞こえてくる。
なんだ!?もしかして、オバケ!?ぶ、不気味で仕方ないんですけど?!
一瞬で身の毛がよだち、冷たい汗が背筋を流れる。
も、もう、ここで朝が来るのを待とう。うん、そ、それがいい。べ、別に怖いんじゃないんだからね!
息を潜め、座り、木の幹に体をあずける。
野生のモンスターに襲われる可能性もあるから、寝る訳にはいかないだろうけど、休んでいれば体力も少しは回復するだろう。
目を閉じれないから、嫌でも視界に何か入ってくるが……って……なんだ?あのユラユラと光る玉は……。
それに、心なしか、女の子の泣くような声が大きくなってないか?
も、もしかして……あれって人魂?!
や、やべぇよ。ど、どうしよう。
逃げるか?
いや……オバケならバレた瞬間に背後に居たりしそうだ。ここは、逃げるんじゃなくて、向かって行ってやろう!
俺は、人魂の方へ走り出す。
そして、たどり着いた、その先には………!!
今回は、俺とイリアの二人だけ。ララ達はクエンカ夫妻のサポート。アリシアはギルドの仕事、ターニャさんは王宮の仕事があった。
俺と二人きりだという事にイリアは嬉しさ全開のようで、イリアは俺にまとわりついた。
そして、イリアの両親に挨拶と手土産を渡し、ビールでお世話になっているエドガーさんに手土産を渡した後、イリアの家に戻り、俺は記憶をなくした。
その事に気がついたのは、頬に生温かい何かが頬に触れた時だった。
『ここはどこだ?』
言葉は口から出ず。自分の中で何かを確認しているようだった。
右手には慣れ親しんだ重み。麗月が握られているのだろう。そう確信が持てた。
しかし、感覚的には、ここ最近悩まされていた、記憶の混乱に似ている。ただ、その時より酷い気がした。何も覚えていないし、軽い頭痛がする。
何が触れたのだろう?
左手で生温かい物が触れた頬を触れ、確認する。
そこには赤液体が……。
「血!?」
俺の意識は一瞬で元に戻る。
記憶がイリアの実家に戻った時から無い。
……もしかして!俺、イリアを斬ったのか!?
慌てて、周りを見渡す。
そこには頭の二つある犬のモンスターの死骸があった。
……良かった……。
俺、無意識でイリアを斬ったのかと思った。
俺は安心し、周りを見渡す。
もう、夕方なのか?生い茂った木々の隙間から僅かに赤い日が射す。
ダンジョンか?
いや、モンスターから血が出るという事は、ダンジョンではない。
それなら、森か何か……か。
どこから来たのか、出口も分からない。
立ち止まっていても仕方ないか。
麗月から滴り落ちる血を払い、鞘に納め、出口を探して歩き始める。
しかし、どこか見覚えがある。小さい頃は、父さんとよく虫取りに森に行ったものだが……。
いや、ここは異世界だ。見覚えがあるはずがない。
そう自分に言い聞かせながら、森の中を彷徨った。
どれくらい彷徨っただろう?辺りはすっかり暗くなり、虫の鳴き声とフクロウだろうか?不気味な鳴き声が聞こえる。
丁度、新月の頃になるのだろう。月明かりもなく、前に進むのも細心の注意を払いながら進むしかない。
もう、今日は森から出るのを諦めて、朝が来るのを待った方が良いのかもしれない。
そんな事を考えていると、どこからか、女の子の泣くような声が聞こえてくる。
なんだ!?もしかして、オバケ!?ぶ、不気味で仕方ないんですけど?!
一瞬で身の毛がよだち、冷たい汗が背筋を流れる。
も、もう、ここで朝が来るのを待とう。うん、そ、それがいい。べ、別に怖いんじゃないんだからね!
息を潜め、座り、木の幹に体をあずける。
野生のモンスターに襲われる可能性もあるから、寝る訳にはいかないだろうけど、休んでいれば体力も少しは回復するだろう。
目を閉じれないから、嫌でも視界に何か入ってくるが……って……なんだ?あのユラユラと光る玉は……。
それに、心なしか、女の子の泣くような声が大きくなってないか?
も、もしかして……あれって人魂?!
や、やべぇよ。ど、どうしよう。
逃げるか?
いや……オバケならバレた瞬間に背後に居たりしそうだ。ここは、逃げるんじゃなくて、向かって行ってやろう!
俺は、人魂の方へ走り出す。
そして、たどり着いた、その先には………!!
0
お気に入りに追加
160
あなたにおすすめの小説
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
その最弱冒険者、実は査定不能の規格外~カースト最底辺のG級冒険者ですが、実力を知った周りの人たちが俺を放っておいてくれません~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
※おかげさまでコミカライズが決定致しました!
時は魔法適正を査定することによって冒険者ランクが決まっていた時代。
冒険者である少年ランスはたった一人の魔法適正Gの最弱冒険者としてギルドでは逆の意味で有名人だった。なのでランスはパーティーにも誘われず、常に一人でクエストをこなし、ひっそりと冒険者をやっていた。
実はあまりの魔力数値に測定不可能だったということを知らずに。
しかしある日のこと。ランスはある少女を偶然助けたことで、魔法を教えてほしいと頼まれる。自分の力に無自覚だったランスは困惑するが、この出来事こそ彼の伝説の始まりだった。
「是非とも我がパーティーに!」
「我が貴族家の護衛魔術師にならぬか!?」
彼の真の実力を知り、次第にランスの周りには色々な人たちが。
そしてどんどんと広がっている波紋。
もちろん、ランスにはそれを止められるわけもなく……。
彼はG級冒険者でありながらいつしかとんでもない地位になっていく。
平凡な主人公が異世界に転生してチート勇者な人生を送るかと思ったら
けろよん
ファンタジー
トラックに轢かれて死んだら神様が出てきて、それは自分のミスだったからお詫びに、チート能力をくれた上で異世界に転生させてくれて異世界の森に出現し、そこを抜けると魔物に襲われている馬車に遭遇し、早速魔物をチート能力で軽く退治すると、実はその魔物はその世界の騎士団総出でも倒せないほどの強さで、しかも馬車に乗っていたのはその国のお姫様で、お姫様をお城まで贈って父親の国王と対面し、国王に対してタメ口を聞いて大臣とかが怒るんだけど、国王はまあよいと大臣を嗜めてくれて、国王から国を滅ぼそうとする魔王退治を依頼され、そんな面倒なことやってられっかと断るんだが、なんだかんだ言って受ける事になり魔王退治の旅に出るのだった。
私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
しかたなく英雄的最後を迎えた魔法使いの受難
伊簑木サイ
ファンタジー
王国を守って死んだ守護魔法使いブラッドは、前世の記憶を持ったまま生まれ変わった。
今生ではひっそり普通に生きていきたいのに、強大な魔力のせいで、真面目にやってもなぜか大事に。
問題児扱いされて、おどろおどろしいあだ名と、愉快な手下、おかしな噂ばかりが増えていく。
生まれ変わっても、だいたいいつも不憫な目に遭ってばかりな彼の、愛にまみれた受難な日々のあれこれ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる