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スプリンティア開幕。そして……
スプリンティア開幕。そして……12
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釣り小屋の店主に言われた通り、キンツバメダイを四日寝かせた。
すると、どうだろう?刺身で食べてみたが、身がもっちりとして、旨味が凝縮されたようだ。
たまらず、炙りにしてみたが、これまた絶品。皮と身の間。そう、ゼラチン質のところが、火で炙られた事で程よく生まれ、皮の少しコリコリした食感、身のモッチリ感、それにプルンプルンがプラスされ、とてつもないハーモニーを奏でていた。
これは、天ぷらの期待が高まる。
天ぷらは……まさに美味だった。
刺身同様、旨味が凝縮されただけではなく、身が膨らみふわっとなった。ゼラチン質のは少し減った気がするが、その分、旨味が身に吸収されたのかもしれない。
これは、イケる。新しい店でも出したいくらいだ。
一気に視界良好になった感じがする。
そして、そうなると行動は早い。日数もギリギリ。クエンカ夫妻とマーガレットにも無理を言って、店全員で食材集めの釣りへと行ったのであった。
いよいよ、パーティー当日。
想像以上に天ぷらとミノタンのビーフシチューは大好評だった。
会話の花が咲くであろう場が、静まり返り、天ぷらを揚げる音と、食器の音だけが響いていたのにはビックリした。
そして、もう一つビックリしたことがあった。
あの、釣り小屋の店主。……元サルバド国王だった。
店主を見た時、俺は、かなりビックリした。店主も俺が王宮で料理をしている姿を見て驚いていた。
パーティーが終わった後で少し話す機会があり、何でダンジョンで釣り小屋の店主をやっているのか?とたずねたところ。
あの仕事は、代々、サルバド国王の退位後の娯楽らしい。なんか変わった国なのかもしれない。
まあ、そんなこんなで、パーティーは見事、大成功をおさめた。
少し、俺の名が世界に知れたかもしれない瞬間だった。
話は少し戻り、ヤマト達がクエンカ夫妻の歓迎会をおこなった日のこと……。
「たまにゃ~、下界さおりてくんのもよかでごわすな~。クソ不味いもんばっかり食べよったんに、いつん間にか、こったら美味かもんば食いよっとは思わんかったけ~の~ぅ。こんも、あん男の影響やね。」
この世界では珍しい髭をたくわえた、ちょいワル風なオヤジは、ブツブツと何か言いながら、からあげを食べながら果実酒をあおっていた。
「それにしても、今日は大豊作たい。あん男に、ちとした仕掛けもでけたし、なまら心配しとったこつも解決したずら。よおは、あんターニャちゅう姉ちゃんば誘拐すっとよかったい。そしたら、あん男も動かざるえんじゃろ。わしって、やっぱ、天才じゃなかやろか?いや、当たり前じゃのう。だって、わし、全知全能ですけん。ヌハハハハ。」
ちょいワル風なオヤジは、高らかに笑う。そして、叫ぶ。
「そこの店員ちゃん!」
「は~い。ただいま~。」
見た目麗しい店員は、注文をとりに、ちょいワル風なオヤジの元へ向かう。
「果実酒とな、こん、からあげば、もう一皿くんなまし。……ニヤリ。」
モミモミ。
こともあろうか、ちょいワル風のオヤジは、店員のお尻を揉む。
「キャッ!何するんですか!?」
店員の大声と、バチン!と頬を叩く音が店内に響いた。
「いや~。すまんこって……手が滑ったずらよ。」
店員は鼻を鳴らし後にする。
「ふん。エルフは……これだから、いかん。ちと、ケツば触っただけじゃろ。減るもんでもないんに……。はよ、計画ば実行するぜよ。」
ちょいワル風のオヤジは、一人息をまいた。
そして、ヤマト達も、後に起こる事を想像出来るはずもなかった。
すると、どうだろう?刺身で食べてみたが、身がもっちりとして、旨味が凝縮されたようだ。
たまらず、炙りにしてみたが、これまた絶品。皮と身の間。そう、ゼラチン質のところが、火で炙られた事で程よく生まれ、皮の少しコリコリした食感、身のモッチリ感、それにプルンプルンがプラスされ、とてつもないハーモニーを奏でていた。
これは、天ぷらの期待が高まる。
天ぷらは……まさに美味だった。
刺身同様、旨味が凝縮されただけではなく、身が膨らみふわっとなった。ゼラチン質のは少し減った気がするが、その分、旨味が身に吸収されたのかもしれない。
これは、イケる。新しい店でも出したいくらいだ。
一気に視界良好になった感じがする。
そして、そうなると行動は早い。日数もギリギリ。クエンカ夫妻とマーガレットにも無理を言って、店全員で食材集めの釣りへと行ったのであった。
いよいよ、パーティー当日。
想像以上に天ぷらとミノタンのビーフシチューは大好評だった。
会話の花が咲くであろう場が、静まり返り、天ぷらを揚げる音と、食器の音だけが響いていたのにはビックリした。
そして、もう一つビックリしたことがあった。
あの、釣り小屋の店主。……元サルバド国王だった。
店主を見た時、俺は、かなりビックリした。店主も俺が王宮で料理をしている姿を見て驚いていた。
パーティーが終わった後で少し話す機会があり、何でダンジョンで釣り小屋の店主をやっているのか?とたずねたところ。
あの仕事は、代々、サルバド国王の退位後の娯楽らしい。なんか変わった国なのかもしれない。
まあ、そんなこんなで、パーティーは見事、大成功をおさめた。
少し、俺の名が世界に知れたかもしれない瞬間だった。
話は少し戻り、ヤマト達がクエンカ夫妻の歓迎会をおこなった日のこと……。
「たまにゃ~、下界さおりてくんのもよかでごわすな~。クソ不味いもんばっかり食べよったんに、いつん間にか、こったら美味かもんば食いよっとは思わんかったけ~の~ぅ。こんも、あん男の影響やね。」
この世界では珍しい髭をたくわえた、ちょいワル風なオヤジは、ブツブツと何か言いながら、からあげを食べながら果実酒をあおっていた。
「それにしても、今日は大豊作たい。あん男に、ちとした仕掛けもでけたし、なまら心配しとったこつも解決したずら。よおは、あんターニャちゅう姉ちゃんば誘拐すっとよかったい。そしたら、あん男も動かざるえんじゃろ。わしって、やっぱ、天才じゃなかやろか?いや、当たり前じゃのう。だって、わし、全知全能ですけん。ヌハハハハ。」
ちょいワル風なオヤジは、高らかに笑う。そして、叫ぶ。
「そこの店員ちゃん!」
「は~い。ただいま~。」
見た目麗しい店員は、注文をとりに、ちょいワル風なオヤジの元へ向かう。
「果実酒とな、こん、からあげば、もう一皿くんなまし。……ニヤリ。」
モミモミ。
こともあろうか、ちょいワル風のオヤジは、店員のお尻を揉む。
「キャッ!何するんですか!?」
店員の大声と、バチン!と頬を叩く音が店内に響いた。
「いや~。すまんこって……手が滑ったずらよ。」
店員は鼻を鳴らし後にする。
「ふん。エルフは……これだから、いかん。ちと、ケツば触っただけじゃろ。減るもんでもないんに……。はよ、計画ば実行するぜよ。」
ちょいワル風のオヤジは、一人息をまいた。
そして、ヤマト達も、後に起こる事を想像出来るはずもなかった。
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