上 下
161 / 201
スプリンティア開幕。そして……

スプリンティア開幕。そして……6

しおりを挟む
 翌朝。
 クエンカ夫妻はキッパリ冒険者を辞めるため、ギルドへ行き、引退届を出すそうだ。そして、その後、店に来る予定だ。引退届の事はアリシアがよくしてくれるだろう。
 そして、その間、俺とイリアは職人衆の所に新店舗の改築と新しい家を建てる為の相談に行くことにした。
 新店舗の方はもう、外観も内装もほとんど終わっていたので、テイクアウト専用の入り口を無くしたくらいで終わった。二階は個室としてそのまま使う。
 そして、問題の家だ。土地は元々かなりの広さだったが、更に買い足した。運が良いことに、周りは空き地ばかりだったので、貴族の家か?と間違いそうなくらいに広大になった。
 立地的には、まあ、中心部から離れてしまったが、ギルドは近くなった感じだ。
 建物もまさに貴族の屋敷並みの広さになる。当初の計画より住む人数も増えたし、これからも増えるだろうから広さだけは十分に取った。その分、貴族とは違い内装は普通だ。ただ、キッチン用具とお風呂は充実している。男は今のところ俺しか居ないが、増える可能性だってある。なので、男女別々に作った。
 いや~。イリア達が稼いできてくれた八千万エルウォンも使いきってしまった。しかし、それでも、足りないので、またローンだ。頑張らねば。

 意気揚々とイリアと帰宅し、少しだけ、クエンカ夫妻の仕事ぶりとララ、エリの教えぶりを見学し、俺達は王宮へと向かう事にした。
 クエンカ夫妻宅は料理をサレンサさんが担当しているという事だったので、とりあえず、サレンサさんが今日は、からあげを揚げている。クエンカさんは接客担当だ。一週間で交代なのか、一日交代なのか、それはララ達に任せてある。最初は、交代交代で適性を見なくてはならない。案外、クエンカさんの方が上手かったりするかもしれないし、両方、料理が出来れば、後々、接客の人を雇ってもいいのだし、そこはクエンカ夫妻に任せよう。
 ん?まてよ……よくよく考えたら、あれだな……俺が店に出なくて良いと言うことは……ダンジョンに行く為に休んでいた日も店を開けていいって事じゃないか?一日ごとに休まなくて良いという事だ。それは伝えなくちゃな。彼らも毎日働きたいかもしれないしな。
 ……あ!定休日も決めないと……これもクエンカ夫妻に任せるか……。
 その事をクエンカ夫妻に話、俺達は城へ向かった。

 「お待ちしておりました。ヤマト様。」
 ターニャさんが、王室の前で待っていてくれた。
 「ありがとう。ターニャさん。」
 「いえ。それでは、これからの予定はどうなさいますか?」
 「そうだな。女王様に挨拶をした後、早速、メニューを考えたいんだけど……。」
 「かしこまりました。それでは、女王様への挨拶が終わりましたら、私とイリアお嬢様が業務を入れ替わります。」
 ん?どういことだ??
 「それは、どういことだ?」
 「はい。イリアお嬢様は、料理の補佐が出来ません。なので、私がヤマト様のサポートを致します。その代わり、イリアお嬢様には、私の代わりに女王様のサポートをお願いしております。ヤマト様がダンジョンに食材を取りに行かれる場合などは、またイリアお嬢様と私は役目を交代致します。」
 まあ、確かにイリアは料理すると食材をダークマターに変えてしまうからな……。
 「心配しないで下さい。ヤマト様。私、試食なら出来ますから。その間、ターニャを頼みます。」
 イリアがそう言うなら、いいか。
 「分かった。ターニャさん、しばらくよろしくな。」
 「はい。こちらこそ、よろしくお願い致します。ヤマト様。」
 気のせいか?ターニャさんは少し嬉しそうにしているようだった。

 女王様に挨拶した後、俺とターニャさんは王宮の調理場へ向かった。
 他の王宮料理人の方に挨拶を済ませ、調理室を一通り眺める。
 流石に、俺が最初に来た時より、調理器具が充実している。俺の店より良いのが揃ってるよ。
 職人衆に頼んだんだろうな。新店舗に置く調理器具まである。
 「それでは、どうなさいますか?メニューをお考えになるとおっしゃいましたが……。」
 「そうだな……正直、どうすればいいのか分からないんだよな。何を出そうか……。マーガレットが言うように、からあげを山積みにしても大丈夫そうだけどさ。パーティーって立食形式なのか?何人くらい来るんだ??」
 そもそも、この世界のパーティー形式がどんなものが分からない。来賓の数も分からない。
 「そうですね。今回は着座で人数は20名だと聞いています。小規模なもので、女王様と親しい方々がお越しになられます。」
 そうか。椅子に座ってする食事と言うことか。
 「そんな小規模でも、昨日の王宮料理が出るのか?」
 「その通りです。王宮料理はアレしかございませんし。他国もほぼ同じです。肉が魚に変わるという事くらいでしょうか?」
 なら、給仕の人が切り分けたりするって事か……。
 女王様には揚げ物がいいというリクエストだったしな。切り分けるより、一品一品出す、コース料理のようにした方がいいかもな。冷めた揚げ物も出したくないし。
 ……さて、どうしたものか……。スープなんかも作らないといけないのだろうか……。
 揚げ物にあうスープなんて、味噌汁とかしか思い浮かばないんだけど……。この世界、『悪魔の生き血』という醤油はあるけど、味噌は今、開発中なんだよな。揚げ物と切り離して考えいいのか……料理の全体の事も考えないといけないだろうし……冒険は出来ない……か。
 ん~。正直、大ニワトリやエンジェルポークの丸焼きとミルクスープもかけ離れてたしな。あの、ミルクスープ、激マズなんだよ。
 とりあえず、味噌汁が作れないんだから、澄まし汁とかになるのか……。思いっ切りぶっ飛んで、シチューでも出してやろうか……。ミルクスープでも、ちゃんと野菜なんかを煮込めば味も変わってくるし、塩だけじゃなく肉を入れたり、更にその肉の臭みを取る為にローリエを入れたり、コショウを入れたりしたら美味しくなるって事を教えた方がいいのか?
 俺は考えながら、おもむろに冷蔵庫を開けた。
 すると、そこには俺の見た事のない肉があった。いや、正確に言うと、元の世界では見たことがある。俺はこの肉が大好きだ。これまた正確に言うと部位だが。
 「なあ、ターニャさん。この肉って何のタン?」
 俺はターニャさんに指を指してたずねる。そう。俺が見たのはタンだ。牛が豚か分からないけど。
 「タン?ああ……舌ですね。ミノタウロスの舌です。」
 なんと!?ミノタウロスのタンだったとは!?
 主のミノタウロスしか倒した事がなかったから、ミノタウロスのタン……長いので略す。ミノタンだったとは……。
 お?もしかして、これをスープにしたら、いいんじゃない?試作品でミノタウロスのタンシチューにしたら、いいんじゃね??

 あれだな。ルーとかないから、フォン・ド・ヴォーから作らなきゃならん。これだけで結構掛かる。もちろん、ビッグホーンの骨付き肉とかも用意しないといけない。これは、ダンジョンでは手には入らないだろうから……いや、ビッグホーン以外の牛系のモンスターからは取れるのだろうか?
 「ターニャ。牛の骨付き肉ってダンジョンで取れたりする?」
 「骨付き肉ですか?う~ん。」
 ターニャさんは考える。そして。
 「アシッドホーンからなら取れたはずです。」
 初めて聞く名前のモンスターだな。
 「それは、強いの?」
 「ヤマト様のステータスならば倒せるでしょうが……オススメは出来ませんね。骨付き肉を何にお使いになるのか分かりませんが、大量に必要ならば時間も掛かると思います。お店で養殖のビッグホーンの骨付き肉を購入された方がよろしいかと……。時間もあまりございませんし、お店でアシッドホーンの骨付き肉を買うという案もございますが、それほど流通はしていないので、直ぐに大量に用意する事は出来ない可能性がございます。ギルドに依頼を出しても、厄介なモンスターなのでなかなか受けて貰えない可能性もあります。」
 確かに、今日は試作品だから、量はそのまで要らない。でも、パーティー用となると量はいるだろう。ミノタウロスのタンも時間が掛かるのだろうか?
 「ミノタンも集めるのに時間掛かる?」
 「ミノタン?ああ……ミノタウロスの舌ですね。……そうですね。アシッドホーンより比較的、簡単に狩れますから、こちらはクエストをギルドに出せば問題はないと思われます。野生のミノタウロスの舌は固くて食べられた物ではございませんし。ダンジョンのミノタウロスの舌をお店で購入するより、依頼した方が安く手に入れられるでしょう。」
 なら、とりあえず、今から店に行って、ビッグホーンの骨付き肉を買うか。他に入りそうなスジ肉も買わないとな。これも、ビッグホーンでいいだろう。
 「よし。とりあえず、足りない食材を買いに行こうか。」
 「分かりました。お供致します。」
 俺とターニャさんはとりあえず、食材を買い足しに行くことにした。

 買い出し中、ターニャさんはどこか機嫌が良かった。こうやって、ターニャさんと二人っきりで出掛けるというのも中々ないから、少し新鮮な気分で案外、楽しかったな。
 そして、料理に取りかかる。その間、ターニャさんは俺の側から離れなかった。
 
 ……しまった。フォン・ド・ヴォー作るのに一週間掛かった。まあ、時間が掛かるものなのだから、仕方ないのだが……。
 でも、良いものは出来た。ミノタンのビーフシチューだ。
 とりあえず、ターニャさんや他の料理人には試食して貰ってOKも出たし、女王様達にも試食してもらおう。
 俺は女王様達の元へ向かった。
 
 「おお……なんと、よい香りか……。」
 「ええ……素晴らしい香りですね。女王様。」
 王室に入った途端。イリアと女王様はクンクンと鼻を鳴らし、ビーフシチューの匂いを察知した。国を代表する立場の女王様らしからぬ行動だけど、親近感を覚えるのは言うまでもなかった。
 「試食を持って来ました。」
 「うむ。一週間以上も何も持って来なかったから、妾、心配したぞよ。で、これは何という料理かえ?」
 「はい。ミノタウロスの舌を煮込んだビーフシチューです。略して、ミノタンのビーフシチューです。」
 「ほ~。ミノタウロスの舌とな……。妾、あれの焼いたやつ、大好物なのじゃよ。して、シチューというのは?」
 「スープの一種です。」
 「ほほ~。では、早速、頂くとしようか。のう、イリア。」
 「はい。女王様。」
 イリアは女王様が一口食べたのを確認して口に運んだ。
 そして、次の瞬間。
 「ぬおあ!?な、何という美味さじゃ!!これがスープだと!!!ミルクスープとは大違いではないかっ!!」
 「はあ……。コクがあって、凄く旨味が凝縮されています。クリームシチューも凄く美味しかったですが、このビーフシチューもとても美味しいです。ミノタウロスの舌も、物凄く柔らかくで口の中でとろけてしまいそうです。」
 「それな!それ!!まさに、イリアの申す通りじゃ。!!!」
 そう言った後、二人は一心不乱に食べ始めた。
 「このビーフシチューにはパンがよく合うんですよ。バケットとかロール……。」
 「誰か!バケットを持って参れ!!それと、ヤマト、ミノタンのビーフシチュー、おかわりじゃ!!」
 「私も!!バケットをお願いします!!ビーフシチューのおかわりもお願いします!!」
 俺の話を最後まで聞かず、女王様達はバケットを頼み、おかわりを俺に頼む。どうやら、かなりお気に召したようだ。
 試作品のミノタンのビーフシチューは、あっという間に無くなってしまった。
 「……私、後でまた食べられると思って、楽しみにしてましたのに……。」
 ターニャさんの悲しそうな表情は印象的だった。
 ミノタンのビーフシチューが無くなったと知り、イリアはパンで皿に残ったビーフシチューを名残惜しそうにすくい取り、口に運ぶ。それを見た、女王様も真似をして、最後の一口を口に運んだ。
 本当にエルフってその外見から想像もしないくらいに食べるわ~。
 「ふむ。妾は大変満足じゃ。こんなに美味いスープは初めてじゃよ。ヤマトよ。これをパーティー出すと思っておいてよいのじゃな?」
 お!どうやら、何も聞かずにOKが出たよ。
 「女王様がよろしいのであれば、出したいと思います。」
 「うむ。もう、ミノタンのビーフシチューとパンにケーキだけで良さそうな気がしてきてしまったわ。それ程、腹一杯に食いたいスープじゃった。」
 え?それでいいの??それだったら、楽に終われるんだけど??
 「それだと、ヤマト様の料理の素晴らしさが十分の一も、来賓の方々に伝わりませんよ。女王様。」
 「ふむ。やはり、そうかえ?」 
 イリアは余計な事を女王様に言う。
 もう!楽に終われるかも?って思ったのに!!イリアの馬鹿ちん!!
 「ヤマトや。他に何か考えている料理はあるのかえ?」
 気を取り直して……。
 「はい。あります。ですが、女王様にお願いがあるのです。よろしいですか?」
 ミノタンのビーフシチューを作る間に考えていた事がある。
 「ほう。申してみよ。」
 「はい。出来れば、来賓の方々の目の前で天ぷらをお出し出来ればと、思っているのです。」
 「ほほう。天ぷらをとな……。確かに、アツアツの天ぷらは、恐ろしく美味じゃ。作る所を見られるのも新鮮で面白いやもしれぬな。」
 「いかがでしょうか?」
 「うむ。やってみるがよいぞよ。ヤマトや。」
 こうして、パーティーで天ぷらを作る事になった。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。

星の国のマジシャン
ファンタジー
 引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。  そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。  本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。  この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...