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真実は胸の中(イリア回想)
真実は胸の中3
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はっ!!あれ?私は何を……?
えっと?確か……人間界へ行って、物凄いイケメン男性に会って、何か物凄く美味しい物を食べていたはず……。
うん。そうよね?確かに、女王様のご依頼で、人間界へ赴いて、料理を食べた。でも、その途中からの記憶が……。って、あれ?私、お金、払った?……いや!払ってない!!ど、どうしよう!!私、無銭飲食しちゃった!!食い逃げしちゃったよ!!王宮魔術師長の私が、まさかの食い逃げだよ!!うわ~~ん!ど、どうしよう!!!と、とりあえず、女王様に、この事を含めてご報告しなければ!!
「じょ、女王様!!ご、ご報告です!!」
私は、大急ぎで王室へ向かった。
「おお。イリアや。おかえり。早かったのぉ。で、どうじゃった??トンカツというやつは??」
女王様は何時もと変わらぬ様子で私にたずねてくる。どうやら、今、女王様はお一人のようだ。少し安心した。
「は、はい!トンカツという物かは、分かりませんが……エンジェルポークだと思われる物を食べました。周りはサクッとしているのに、中は肉汁が溢れるほどにジューシーでした。今まで、あのような美味しい物に、私は出会った事がありません!!」
私の報告を聞き、女王様は瞳を輝かせる。
「ほう!!それ程か!!」
「はい。そして、小皿に入れられた液体を付けると、また味わいが変わり、とても絶品でした。」
「ふぉふぉっっっ~~!!そんなにか!!」
「はい!この世界の食べ物、全てが見劣りする物でした!!」
女王様はそれを聞き、小刻みにダンスを踊るような仕草を見せる。これは、私にしか見せない仕草だ。
「して、その店の男はどうじゃった?」
え?何でお店の人の事になるの?
しかし、女王様の質問ならば、答えるしかない。
「はい!お店の人はとても……いえ、この世界ならば正しく、世界一のイケメンになるだろう思われるくらいに、かっこよかったです。」
「ふぉふぉっっっ~~ふぉふぉっっっ!!!そんなにか!!そんなによい男に成長しておったか!!」
女王様はとても興奮した様子だ。やはり、女王様も女と言う事だろうか?でも、知り合いかな?成長しておったか!!とか言うし。
あっと。そんな事はどうでもいい。
「あ、後一つ、ご報告があります。」
「ほう?!なんじゃ!言うてみい!!」
どうやら、女王様はもの凄くテンションが上がっているようだ。
よし!この勢いならば、食い逃げの事は許してもらえるはず!!
「わ、私!む、無銭飲食を……く、食い逃げをしてしまいました!!」
その言葉に、女王様はさっきまでのテンションが嘘みたいに静かになる。
「イリア。それはなかろ~ぅ?食い逃げはいかんぞよ。それだけ、美味なるモノを食しておるのに……いや、エルフとしても、なかろ~ぅ。」
で、ですよね?!
「も、申し訳ありません!!気がついたら、お城へと戻ってきてしまっていて……。」
あっ!ああ!!肝心な事をもう一つ忘れていた!!
「そ、それに、私、人間界の通貨を持ち合わせていません!!」
私はそう言い、もう一度、頭を下げた。
「ああ!!妾も、すっかり忘れておったわ!!この世界と人間界の通貨は違うものじゃった!!……すまぬ。イリアよ。妾のミスじゃ。」
女王様は私に頭を下げる。
「いえ!女王様!私が確認しなかったのも悪いのでございます。」
そう言い、二人して沈黙した。
「イリアよ。どうすれば、よいと思う?妾は、なんとしても、トンカツを食べたのじゃ。その為には、その店と円満な関係を築く必要があると思うのじゃ。」
女王様はしばらく考え、口を開いた。
確かにその通りかもしれない。他のお店へ行くのもありかもしれないけれど、あれほど美味しいとは限らない。それに、変化のローブがあるからと言って、他人になりすまして行くのは、エルフの矜持に反する。
一番いいのは……もう一度、あのお店へ赴き、同じ変装でちゃんとお金を払って、謝罪をするしかない。
「もう一度、私があのお店へと赴いて、お金をちゃんと払って謝罪するしかないでしょうね……。」
私はそう答える。
「やはり……そうか。それしか、あるまいね。仕方ない。『落とし物』の力を借りるか……。」
そう言い、女王様は立ち上がり宝物庫へと足を向けた。
ちなみに『落とし物』とは異世界からの落とし物だ。財布などには通貨が入っている。『迷い人』とは違い、何気によく落ちていたりする。たいていの物がこの世界では使えない物ばかりだけれど。
「これが、あの世界の、ニホンという国の通貨じゃ。こんなペランペランな紙に何の価値があるのじゃろうな?」
女王様は、まじまじとニホンの通貨を眺めて言った。
えっと?確か……人間界へ行って、物凄いイケメン男性に会って、何か物凄く美味しい物を食べていたはず……。
うん。そうよね?確かに、女王様のご依頼で、人間界へ赴いて、料理を食べた。でも、その途中からの記憶が……。って、あれ?私、お金、払った?……いや!払ってない!!ど、どうしよう!!私、無銭飲食しちゃった!!食い逃げしちゃったよ!!王宮魔術師長の私が、まさかの食い逃げだよ!!うわ~~ん!ど、どうしよう!!!と、とりあえず、女王様に、この事を含めてご報告しなければ!!
「じょ、女王様!!ご、ご報告です!!」
私は、大急ぎで王室へ向かった。
「おお。イリアや。おかえり。早かったのぉ。で、どうじゃった??トンカツというやつは??」
女王様は何時もと変わらぬ様子で私にたずねてくる。どうやら、今、女王様はお一人のようだ。少し安心した。
「は、はい!トンカツという物かは、分かりませんが……エンジェルポークだと思われる物を食べました。周りはサクッとしているのに、中は肉汁が溢れるほどにジューシーでした。今まで、あのような美味しい物に、私は出会った事がありません!!」
私の報告を聞き、女王様は瞳を輝かせる。
「ほう!!それ程か!!」
「はい。そして、小皿に入れられた液体を付けると、また味わいが変わり、とても絶品でした。」
「ふぉふぉっっっ~~!!そんなにか!!」
「はい!この世界の食べ物、全てが見劣りする物でした!!」
女王様はそれを聞き、小刻みにダンスを踊るような仕草を見せる。これは、私にしか見せない仕草だ。
「して、その店の男はどうじゃった?」
え?何でお店の人の事になるの?
しかし、女王様の質問ならば、答えるしかない。
「はい!お店の人はとても……いえ、この世界ならば正しく、世界一のイケメンになるだろう思われるくらいに、かっこよかったです。」
「ふぉふぉっっっ~~ふぉふぉっっっ!!!そんなにか!!そんなによい男に成長しておったか!!」
女王様はとても興奮した様子だ。やはり、女王様も女と言う事だろうか?でも、知り合いかな?成長しておったか!!とか言うし。
あっと。そんな事はどうでもいい。
「あ、後一つ、ご報告があります。」
「ほう?!なんじゃ!言うてみい!!」
どうやら、女王様はもの凄くテンションが上がっているようだ。
よし!この勢いならば、食い逃げの事は許してもらえるはず!!
「わ、私!む、無銭飲食を……く、食い逃げをしてしまいました!!」
その言葉に、女王様はさっきまでのテンションが嘘みたいに静かになる。
「イリア。それはなかろ~ぅ?食い逃げはいかんぞよ。それだけ、美味なるモノを食しておるのに……いや、エルフとしても、なかろ~ぅ。」
で、ですよね?!
「も、申し訳ありません!!気がついたら、お城へと戻ってきてしまっていて……。」
あっ!ああ!!肝心な事をもう一つ忘れていた!!
「そ、それに、私、人間界の通貨を持ち合わせていません!!」
私はそう言い、もう一度、頭を下げた。
「ああ!!妾も、すっかり忘れておったわ!!この世界と人間界の通貨は違うものじゃった!!……すまぬ。イリアよ。妾のミスじゃ。」
女王様は私に頭を下げる。
「いえ!女王様!私が確認しなかったのも悪いのでございます。」
そう言い、二人して沈黙した。
「イリアよ。どうすれば、よいと思う?妾は、なんとしても、トンカツを食べたのじゃ。その為には、その店と円満な関係を築く必要があると思うのじゃ。」
女王様はしばらく考え、口を開いた。
確かにその通りかもしれない。他のお店へ行くのもありかもしれないけれど、あれほど美味しいとは限らない。それに、変化のローブがあるからと言って、他人になりすまして行くのは、エルフの矜持に反する。
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「やはり……そうか。それしか、あるまいね。仕方ない。『落とし物』の力を借りるか……。」
そう言い、女王様は立ち上がり宝物庫へと足を向けた。
ちなみに『落とし物』とは異世界からの落とし物だ。財布などには通貨が入っている。『迷い人』とは違い、何気によく落ちていたりする。たいていの物がこの世界では使えない物ばかりだけれど。
「これが、あの世界の、ニホンという国の通貨じゃ。こんなペランペランな紙に何の価値があるのじゃろうな?」
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